孫に遺産相続!知っておくべきことと注意点!

被相続人が亡くなった後に発生する相続は、遺言書、相続の放棄、相続税の納税など幾多の問題が発生して、それが上手くいかなければ大きな問題になる場合があります。それを防止するためにも、日頃から相続に対する意識を高めて仕組みを理解する必要があります。その中で、今回は「孫」に相続があった場合のことをメインに相続の関連事項を紹介します。

孫に遺産を渡すには


孫に遺産を渡す際の関連事項を紹介します。

生前贈与で渡してしまう

贈与税には、一律110万円まで控除ができる基礎控除と呼ばれるものがあります。これは毎年110万円までは贈与税がかからないため税金対策としても有効ですが、生前にこの枠内で贈与を行うことを「生前贈与」といいます。これを利用して税金がかからないように譲渡することが一つの手段としてあります。

遺言書に残しておく


遺言書で被相続人が希望している相続を作るという方法があります。

その遺言書ですが次の種類に分けられます。

普通方式遺言

日常生活の中で作成される遺言。自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類に分けられます。

特別方式遺言

緊急状況の中で作成される遺言書(船の遭難など)。危機が去って遺言者が普通方式遺言で作成できる状態が6か月生存したことが確認されたら無効とされます。

それぞれの特徴

この中で、一般的に用いられるのは普通方式遺言ですが、これに属する自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言にはそれぞれ次の特徴があります。

●自筆証書遺言
被相続人が自ら全文、日付、氏名を自書した上で押印することで作成する方式
手軽にいつでも作成可能で秘密保持ができることや証人が不要であるといったメリットがある反面、家庭裁判所で行われる「検認」を行って法的に不備があることを理由に「無効」とされやすい恐れがあることや遺言書の存在を相続人に知らせることが困難といったデメリットもある
●公正証書遺言
被相続人および公証役場にいる公証人2人で作成および検認をしてもらう方式
作成の際は、被相続人の口述を公証人が記述する流れとなる
家庭裁判所の検認が不要となることや遺言書の存在と遺言内容が明確にできるといったメリットがある反面、一定の基準に基づいた費用が発生することや遺言内容が事前に分かるため秘密保持ができないといったデメリットがある
●秘密証書遺言
被相続人が証書に署名および押印した後に封筒に入れて公証役場で証明をしてもらう方式
公証人1名と証人2名以上必要である
遺言書の存在を明確にできることや遺言内容を秘密にできるメリットがある反面、家庭裁判所の検認が必要であることや要件不備による紛争が起こりやすいといったデメリットもある

この中で、比較的多く作成されているのが公正証書遺言です。費用がかかり秘密が公表される恐れがあるとはいえ、確実に検認および安全の保障がされることが主な理由として挙げられています。

遺産分割協議で話し合い

相続人全員で話し合って被相続人の遺産の分配方法を決めることを遺産分割協議といいます。この時に、遺言書を残しておくことで、それに基づいた遺産相続がなされます。そのため、被相続人は生前遺言書を作成して希望する相続を言い残しておく必要があります。

ただし、遺産分割協議において孫に遺産を受け継ぐ場合は遺贈(被相続人の遺言書に基づいて相続が行われること)が前提となります。これがない場合は、仮に遺産の全部又は一部を相続人以外の扱いとなる孫に取得させるといった合意があっても、それは遺産分割以外の事柄の合意と判断されて、孫への相続や遺贈による遺産の取得とは認められませんので注意しましょう。

子が亡くなっていれば代襲相続

前述でも登場してきた代襲相続ですが、これは孫の親つまり「被相続人の子」が亡くなった場合においてその権利が孫に渡ることです。

これによって、孫が相続人となり遺産を相続することが可能となりますが、相続人が相続放棄をした場合は代襲相続が認められません。ただし、次の事由であれば代襲相続が認められます。

● 廃除:著しい非行、被相続人を虐待したといった、一定の事由がある場合に特定の相続人の資格を失わせること
● 欠格:故意に被相続人を死亡させた、強迫によって遺言書の作成、撤回、取り消し、変更を妨げたといった、一定の事由がある場合に特定の相続人の資格を失わせること

この2つに関しては、相続人に問題があってのことであり孫には非はないとみなされて代襲相続が認められることになります。

養子縁組で子にする

養子縁組を行って孫を相続人に加えることで次のメリットが生まれます。

● 生命保険の死亡保険金の非課税枠の拡大:500万円 × 法定相続人の数
● 役員の死亡退職金の非課税枠の拡大:500万円 × 法定相続人の数
● 相続税の非課税枠の拡大:3000万 + 600万円 × 法定相続人の数
● 相続回数を減少させて余計な納税を回避できる

相続税には一定の非課税枠が存在しますが、孫がここに加わることでその金額の拡大が狙えて節税対策に繋がるということです。

しかし、代襲相続で相続人の権利を得た孫でもない限り、相続税が20%増となるデメリットがあります。これは「相続税の2割加算」という制度で、配偶者と一親等以外の血族は2割ほど相続税が増すというもので、現在では孫も対象となっています。

相続トラブルを避けるために出来ること


相続は複雑な家族および親戚の構造が絡み合って成り立っていることが多いため、俗にいう「争族」と呼ばれるトラブルに発展する場合も十分考えられます。それを回避するために必要となってくることを紹介します。

相続人との話し合い

やはり生前に被相続人が生存しているうちに、孫に相続が発生することを本来の相続人である配偶者および子と協議をすることが大切です。相続税が発生しないといえ、自分たちが本来受け継ぐことができる遺産が入らないことに対して、何らかのわだかまりが起きやすい可能性があるからです。

話し合いの結果を記録

協議した内容を記録しておくのも有効です。例えば、前述でも紹介した公正証書遺言などを作成しておくと公証人が作成することや家庭裁判所の検認も不要なこともあり安心です。

名義借り口座にも注意


よく相続人となる親が自分の子(被相続人の孫)名義で口座を開設して、そこに遺産(今回であれば現金)を積み立てる方法があります。いわゆる「名義借り口座」のことです。これは相続ではあるものの前述でも紹介した贈与税の基礎控除110万円の枠内に入っていれば税金がかからないということに繋がります。

ただし、次の要件がないと贈与ではなく相続と判断される恐れがあります。

● 手に入れる孫が自由に使える状態つまりは孫名義の預金口座であること
● 孫がその事実を知っていること

これは、親である本来の相続人が孫名義で口座を作って譲渡という形で積み立てて、一時的な資金が必要となったときに内密に引き出しをする可能性があることに配慮したものです。贈与は、当事者同士の合意があって行われるため、孫が口座の存在と入金の事実を把握しなければ贈与ではなく相続とみなされる恐れがあります。

まとめ

孫へと遺産相続をする際の関連事項を紹介しました。相続に対しては、感情的な思いとは裏腹に法的な形式に基づいて粛々と進められます。そのため、現在被保険者が保有していて遺産となる資産(土地や建物など)および負債(借金など)の把握、法定相続人の現況、遺産分割協議書の開催、そして譲渡と相続を混合させてトラブルを招かないようにするため制度の仕組みを理解することなど、その時が来てもきちんと進めていくための準備が求められます。

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