「要介護4」の判定目安と利用可能な介護サービス

要介護4にあたる症状と状態


介護保険制度には要介護という要支援1~2および要介護1~5までの7段階に分けた介護状態の区分けがありますが、そのうち要介護4は次のような状態を指します。

重度の介護を必要とする状態

要介護4は「前段階である要介護3と比べてさらに症状が進行して、日常生活の多くの場面で介護なしでは成り立たない状態」とされています。最高レベルの要介護5に進行するリスクも抱えていることも考慮すると相応の介護が必要な状態といえます。

重度の行動能力の低下

要介護3でも見られた身体能力の低下がより進むことによって、自力で立ち上がり、歩行、食事や排泄などの行動が行えなくなり、ほぼ終日介護が必要となります。ただし、これは家族にとっては相当な負担となるため、ケアプランに基づいた介護保険制度のサービスの利用時間中は、あえて介護業者に一任させるなど一定の割り切りも必要となってくるといえます。

深刻な理解力の低下

要介護者の理解力は要介護3の時よりもさらに低下して、夜間徘徊や同じ動作を繰り返すなどの問題行動を起こしやすくなります。そのため、前者に関しては要介護3から利用できる夜間巡回型の訪問介護の利用が大きな支援策となります。

公的介護保険給付額と利用できるサービス例


要介護4と認定された場合の介護保険制度の給付額と利用できるサービス例について紹介します。

支給限度額は308,060円/月

介護保険制度は、原則として要介護認定のレベルに応じた支給限度額が定められています。そのうちの要介護4は月額308,060円と定められています。

この支給限度額は、介護保険制度が施行されて以降4回ほど改定が行われています。そのうち直近の4回目の改定は、2014年4月1日より消費税増税に伴うことを理由に行われています。

このため、今後も支払限度額が変動する可能性があるとみて、随時確認しておくことをおすすめします。

週6回の訪問介護

訪問介護とは、ホームヘルパー2級や介護福祉士など介護関連資格を保有したスタッフが決まった日時に訪問して介護を行うサービスです。

主な特徴は次の通りです。

●週6回とほぼ毎日利用できる
●食事、着替え、入浴、排泄、体位変換、通院、外出する際の同行など生活介護、掃除や洗濯、衣類の整理、買い物など生活援助などが受けられる
●「ADLと利用者本人の日々の生活に対する意欲の向上」などが主な目的として挙げられる
●医療行為は原則として行えないが、次の行為は介護保険法改正の影響もあって医療行為ではないと判断されている
●爪切り
●体温調整
●血圧測定
●耳垢の除去
●ストーマ装着のパウチに蓄積された老廃物の廃棄
●医薬品使用をする際の介助
●家族の食事の用意や掃除、庭の草むしりやペットの散歩など介護の範囲を超えた行為は行えない

夜間対応訪問介護を毎日

要介護3から利用できる毎日1回の夜間巡回型の訪問介護は、要介護4でも引き続き利用することができます。実際、要介護3よりも症状が進行しているため、特に認知症が高まって夜間徘徊高齢者を抱えた家族はこのサービスを非常に重宝することが多いです。

週2回の訪問看護

看護関連資格を保有したスタッフが決まった日時に訪問して看護を行うサービスです。

主な特徴は次の通りです。

●週2回利用できる
●訪問看護を行うスタッフは訪問看護ステーションや病院などに所属している
●看護内容としては、血圧、体温、呼吸、脈拍のチェック、利用者の観察、ガーゼやオムツの交換、薬の服用指導やその確認、たんの吸引、人工肛門やパウチの交換など介護スタッフでは行えない行為などが挙げられるが、食事、入浴、排泄など介護関連のことも行うことはできる
●介護保険制度の利用以外にも、民間の医療保険や自費での利用も可能である
●利用をする際は、事前に要介護認定をもらった後にケアマネジャーなどに相談をして、主治医から訪問看護に必要な書類に基づいた指示を受けて訪問看護ステーションと契約する形となる

週1回の通所介護


通所介護とは、1日決まった時間帯(日帰り)で施設に通うサービスです。

主な特徴は次の通りです。

●要介護3では週2回利用できたがそれが週1回と減っている
●食事、入浴、排泄など生活介護と機能訓練やレクリエーションなどが受けられる
●利用者がコミュニケーションを取る機会が増えること、家族の介護の負担が軽減されることなどがメリットとして挙げられる
●利用者が慣れない施設での生活にストレスを感じて症状の進行を進める恐れがあることなどがデメリットとして挙げられる
●利用をする際は、ケアマネジャーなどに相談をしてケアプランを作成してもらい受け入れてくれる業者を紹介してもらう形となる
●一日の利用内容は業者によって異なるが、早朝の送迎、施設でのレクリエーションや機能訓練、食事などのサービス、夕方の送迎の流れが多い
●認知症の方を専門に扱ったデイサービスもある

1週間のショートステイを隔月で

ショートステイは、施設に一時的な期間入所をして介護や機能訓練などを受けて生活をするサービスです。

主な特徴は次の通りです。

●隔月(2か月)に1週間利用することができる
●「短期入所生活介護」とも呼ばれる
●最大連続利用可能日は30日でそれ以降は全額自己負担となる
●利用期間についてはやむを得ない事情があれば延長が認められる場合がある
●要介護認定のレベルによって利用できる日数は決まっていて、要介護3の場合は30日である
●家族が仕事や旅行などで長期間不在の場合などには有効なサービスといえる
●特別養護老人ホームや有料老人ホームなどに併設されている併設型、ショートステイを専門としている単独型の2種類の施設に分けられる
●サービスの内容の関係で予約が殺到することが多く、事前に計画を立てて予約を入れておく必要がある

福祉用具のレンタル

介護に必要となってくる次の福祉用具のレンタルが、介護保険制度を利用することでかかった費用の1割を自己負担することで可能となります。さらに要介護4以上なら「それを利用せざるを得ないと判断される」など一定の要件に関する制限や、仮にそれを満たしても要介護3まではレンタルできなかった自動排泄処理装置も対象となります。

つまり、原則として全ての福祉用具がレンタル可能となります。

●移動用リフト
●認知症老人徘徊感知機器
●車いすおよび付属品
●床ずれ予防用具
●特殊寝台および付属品
●体位交換器
●手すり
●スロープ
●歩行補助杖
●歩行器
●自動排泄処理装置

ただし、福祉用具をレンタルする際はケアマネジャーを通じてレンタルの有無や発生する費用などを確認することをおすすめします。

特別養護老人ホームへ申し込む

要介護4は相応の介護状態であるため、要介護3以上の認定を受けた高齢者だけが入所できる特別養護老人ホームへ申し込むこむことをおすすめします。

主な特徴は次の通りです。

●「特養」とも呼ばれる病気や障害などで在宅生活が困難な高齢者向けの施設である
●原則として入所期間に制限はない
●介護保険制度が適用されるため比較的安価である
●月額費用のうちの半分が医療費控除となる
●安価だが医療体制が不安定な場合があり、医療への依存が高い高齢者は入所を断られる場合がある
●施設内には、居室、医務室、食堂、トイレなど一通りの環境が整っている
●居室は、通常の個室を意味する従来型個室、複数のベッドがある多床室、設備が一通りそろったユニット型個室、ユニット型と同類ながらも多床室を改装などしたユニット型準個室の4種類ある
●介護関連または医療関連の資格を保有しているスタッフが常時対応している

要介護4以上で受けられる自治体の福祉サービス例


要介護4となると相応の介護サービスが要求されますが、自治体によっては要介護4以上を対象にした次の福祉サービスを行っている場合があります。そのため、現在居住している市町村の福祉サービスを定期的にチェックしておくことをおすすめします。

介護者手当の受給

「家族介護慰労金」と呼ばれる家族に対して市町村から支給される制度があります。

主な特徴は次の通りです。

●介護保険制度が施行される前に存在していた介護手当制度の後継的な役割を果たしている
●市町村によっては実施していないところもあるため、事前に市町村の窓口や地域包括支援センターに確認することが望ましい
●受給要件は市町村によって異なるが次のものが多い
●本制度を実施している市町村に住所を有しかつ在宅で生活している
●介護を受けている人が1年以上、要介護4以上に認定されている
●介護を受けている人とその家族全員が市町村民税非課税となっている
●過去1年間、介護保険サービスを利用していない
●市町村によっては他の受給要件も加わる場合がある
●支給される金額は市町村によって異なるが年額10万円台が多い
●実態は、要件が厳しいためなかなか普及が進んでいない

紙おむつサービス事業

市町村から介護に使用する紙おむつを支給することがあります。

主な特徴は次の通りです。

●市町村によっても異なるが、受給要件としては次のものが多い
●事業を実施している市町村に住所を有しかつ在宅で生活している
●介護を受けている人が要介護4以上である
●介護を受けている人とその家族全員が市町村民税非課税となっている
●失禁状態になりやすく常時おむつが必要である
●市町村に登録した業者から定期的に自宅に届けられる
●直接紙おむつに対する相談(おもつの使用方法など)も業者に対して行える

まとめ

要介護4となると、身体能力の低下に加えて認知症もより進むため、家族ではほぼ対応ができず介護事業者にかなりの割合で頼らざるを得ない状態になります。それを少しでも軽減させるために、自治体ならではの福祉サービスが新たに登場します。介護保険制度の仕組みに加えて、周辺知識もより理解して少しでも要介護者に対する介護を円滑に行っていくことが重要です。

あわせて読みたい