第2号被保険者とは?

第2号被保険者に当たる人


国民年金制度を見ていくと、第1号~第3号被保険者および任意加入被保険者と呼ばれるタイプに分かれますが、そのうちの第2号被保険者について紹介します。

厚生年金や共済に加入している人

第2号被保険者とは次の要件を満たしている人です。

●国民年金の加入者のうち、厚生年金の加入者である民間の会社に勤務する会社員
●国民年金の加入者のうち、共済年金の加入者である省庁や市役所に勤務する公務員

ただし、パートやアルバイトなど非正規雇用者であっても事業所と常時雇用があるなど一定の要件を満たせば第2号被保険者になれます。

また、厚生年金の第2号被被保険者はさらに次の4種類の区分にも仕分けされます。

●第1号厚生年金被保険者:第2号~第4号厚生年金被保険者以外の人(民間の会社の会社員および要件を満たしたパートやアルバイトなど)
●第2号厚生年金被保険者:国家公務員共済組合の組合員
●第3号厚生年金被保険者:地方公務員共済組合の組合員
●第4号厚生年金被保険者:私立学校教職員共済制度の加入者

なお、厚生年金の対象にならない事業所も中にはありますが、原則として次の状況であれば強制適用となるためそれは稀な事例といえます。

●事業主1人であっても株式会社など法人形態をとっている
●従業員を常時5人以上雇用している個人事業所である

よって、会社員または公務員であれば厚生年金保険の被保険者であること、さらに会社員やパートまたはアルバイトであれば第1号厚生年金被保険者、それ以外の公務員であれば第2号~第4号厚生年金被保険者といった形で厚生年金内の区分の仕分けがなされていると考えても差し支えないでしょう。

65歳未満が対象

ただし、厚生年金には65歳未満の方が対象という要件はあります。これは、65歳以上で老齢年金(国民年金)の受給資格を得ている人は第2号被保険者にはなれないという決まりがあるからです。

しかし、見落としてならないのが「厚生年金の加入年齢は、厚生年金保険に加入している会社などであれば、国籍や性別、年金を受け取っているか関係なく70歳未満である」という決まりもあることです。このため「68歳となっているが老齢年金の受給資格がないという人は70歳までは厚生年金保険の対象となる」といった事例も珍しくありません。

よって、老齢年金の受給資格をそもそも得ているのか、もし要件を満たしておらずそれがない場合は、あとどのくらいの期間の保険料の支払いが必要なのかを年金定期便または最寄りの年金事務所などで相談をするなどして確認することが重要です。

海外在住で対象になるケースも


国民年金制度は日本の年金制度ではありますが「会社の海外支店などの勤務するために海外在住をしている」といった事例は第2号被保険者の要件を保持できます。「国内に居住しなければならない」とは年金の規定には明記されていないためです。

第2号被保険者が受け取ることができる年金

第2号被保険者が受け取ることができる年金について紹介します。

厚生年金と国民年金

第2号被保険者は、原則として厚生年金と共に国民年金の加入者にもなります。

ただし、加入制度から国民年金に拠出された金額が支払われるため、厚生年金や共済年金の保険料以外の保険料の支払いは不要となります。毎月の給与明細書に、厚生年金や共済年金の保険料は天引きされていても、国民年金の保険料がないのはこの仕組みによってもたらされているためです。

さらに、保険料は会社と第2号被保険者が折半して負担しています。

例えば、保険料を求める計算式は「標準報酬月額×保険料率(2017年時点では18.3%)」となっていますが、標準報酬月額が20万とすると36,600円となります。この半分である18,300円を会社と第2号被保険者それぞれが折半していることになります。

なお、厚生年金保険料は賞与にも適用されることに注意して下さい。

2種類の老齢年金

老齢年金は次の2種類の年金があります。

老齢基礎年金

・原則として10年以上の期間(保険料支払済期間と保険料免除期間および合算対象期間を通算)が必要
・20歳~60歳までの全保険期間の保険料を支払えば満額の老齢基礎年金が受け取れる

老齢厚生年金

・厚生年金保険に加入していて、老齢基礎年金の受給資格を満たしている65歳以上の人が受け取れる
・特別支給の老齢厚生年金という仕組みがある

老齢基礎年金は、2017年8月より従来の25年以上の期間が10年以上に短縮されたため、10年以上支払うことで受給資格を得ることができますが、老齢厚生年金はそもそも厚生年金保険に加入していることが用件なので、第1号被保険者には受給資格はありません。

扶養の配偶者も受け取る事ができる

次の要件を満たすことで、第2号被保険者の扶養となっている配偶者でも年金の受け取りができるようになります。

●国民年金の第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者が対象となり、第3号被保険者と呼ばれる区分になる
●配偶者の年収が130万未満であることも要件となる
●保険料は、第2号被保険者の支払っている厚生年金または共済年金によって負担しているため、第3号被保険者自体の支払いは不要である

第3号被保険者のメリットは、原則として保険料の支払いがないまま年金を受け取ることができることです。ただし、第2号被保険者の配偶者と定義されているため、一般的には「主婦または主夫」が対象となりやすいですが、第1号被保険者の配偶者は対象外とならないこと、前述の通りの年齢制限によって19歳までの配偶者または60歳以上の配偶者は対象とならないことなどに注意して下さい。

介護保険の第2号被保険者の対象

介護保険制度にも第1、2号被保険者の区分がありますが、このうち第2号被保険者の対象となる人について紹介します。

40歳から64歳の人

第2号被保険者は「40歳以上65歳未満(64歳まで)」となります。ただし、介護保険制度は「65歳以上」が前提としてあるため、必要要件である要介護認定をもらっていても、この年齢のうちからでは介護サービスは限定されているのが現状です。

特定疾病にかかっている

第2号被保険者は、前述の要件に加えてさらに次の16種類の特定疾病のいずれかに罹患している必要があります。

①がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)
②関節リウマチ
③筋萎縮性側索硬化症
④後縦靱帯骨化症
⑤骨折を伴う骨粗鬆症
⑥初老期における認知症
⑦進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
⑧パーキンソン病関連疾患
⑨脊髄小脳変性症
⑩脊柱管狭窄症
⑪早老症
⑫多系統萎縮症
⑬糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
⑭脳血管疾患
⑮閉塞性動脈硬化症
⑯慢性閉塞性肺疾患
⑰両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

介護や介護予防が必要と認定されること


介護保険サービスを受けるためには、原則として要介護認定を受けて介護や介護予防が必要であると認められることが前提としてあります。

その要介護認定の流れは次の通りです。

①主治医意見書や申請書など要書類を準備する
②居住している地域の市町村の役所の窓口で必要書類を持参して申請する
③後日、ケアマネジャーや市役所の職員などの調査を受けてパソコンに入力される(一次判定)
④介護認定審査会の判断によって要支援1~2または要介護1~5いずれかで認定される(二次判定)
⑤要介護認定レベルに応じて介護保険サービスを受けることができる

ただし、審査の結果、いずれも該当せず却下される可能性もあること、申請が集中する期間は認定およびその結果通知までもが通常よりも時間がかかる可能性があることに注意して下さい。

介護保険の第1号と第2号の違い

第1、2号被保険者の違いについて紹介します。

65歳以上は第1号被保険者

第2号被保険者は前述の通りの人が対象となりますが、65歳以上の年齢を満たせば第1号被保険者となります。

第2号は加齢が原因の疾病のみ受給の対象

第2号被保険者の場合ですが、前述でも取り上げた特定疾病に罹患している必要があります。

ただし、この特定疾病については「心身の病的加齢現象との医学的関係があると考えられる疾病であって次の要件を全て満たすものについて総合的に勘案し、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因し要介護状態の原因である心身の障害を生じさせると認められる疾病」と定義されているため、次の要件を満たさなければなりません。

●40歳以上65歳未満の年齢区分でも発生が認められる
●加齢との関係が認められる疾病である
●医学的概念を明確に定義できる
●3~6ヶ月以上継続して要介護状態または要支援状態となる割合が高いと考えられる

つまり、「40~65歳未満の年齢で加齢が直接の原因として認められる疾病かどうか?」というのが認められるための焦点になってきます。なお、交通事故などよる障害は原則として認められないこと、特定疾病もまた定期的な見直しが行われ、今まで認められていた疾病がその対象でなくなる可能性もあることといった点には注意しましょう。

なお、第1号被保険者は原因を問わず要介護、要支援状態が対象となります。

保険料の支払い方法が異なる

介護保険料の支払い方法は、第1号および第2号被保険者によって次の通り異なります。

●第1号被保険者:主に年金から天引き(介護保険料は毎年6月に金額が決定される)
●第2号被保険者:健康保険(医療保険)を通じて支払われる

年金から天引きされることを「特別徴収」といいますが、口座振替で引き落としされる「普通徴収」もあります。後者は、やむを得ない理由で年金から天引きができない場合などに適用されます。

なお補足ですが、特別徴収とは「会社などが代わりに徴収して支払うこと」という意味があるので、会社の給与明細書にて天引きされている他の税金(所得税や住民税など)も特別徴収の扱いとなっており、年金保険料だけを指しているわけではないことに留意して下さい。

まとめ

第2号被保険者は、第1号被保険者と異なり国民年金に加えて厚生年金の受給資格を得ることができることを考えると大きな権利を得ているといえます。仕組みを知ることで、普段何気なく勤務していて給与から天引きされている厚生年金保険料が、老後も含めた今後の生活の基盤となることを実感できることでしょう。

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