養子の相続時における注意点は?

遺産相続は遺された財産の多さや金額によっても話が複雑になりますが、家族構成の違いによっても様々な問題が発生します。今回は養子がいる場合の相続手続きはどのようなことに注意するべきかを紹介します。是非参考にしてみてはいかがでしょうか。

養子とは?


養子や養女などという言葉を耳にすることはありますが、実際には実の子とどのような違いがあるのでしょう。

実子と養子の違い

実子と養子の違いには、単純に血縁関係の有無が該当します。実子は血を分けた実の子ですが、養子はその反対で血のつながりがないこのことを指します。

養子も相続の話し合いに参加できる?

血のつながりがないことから養子は遺産相続の際にも家族として扱ってもらえないような印象がありますが、実際には実子と同じように遺産を相続する権利があります。

実子よりも養子の相続分は少ない?

血のつながりがないことから、実子よりも遺産相続の取り分が少ないイメージがある養子ですが、そのような差はなくしっかり実子と同じ分配で遺産を受け取ることができます。

養子には2種類ある

養子には普通養子と特別養子があります。それぞれの違いを紹介しますので是非参考にしてみてはいかがでしょうか。

普通養子

明治時代にできた普通養子の制度は、家の後継ぎを残すなどの目的を達成するためにあります。婚姻している未成年や単身者や独身者も養親になれる普通養子制度は、実父母との血縁関係を維持しながら新たな親子関係を築くことができます。

特別養子

一方の特別養子制度は、昭和63年にできた制度で比較的新しいのが特徴です。子供を守る福祉の観点からできた制度で、養子になれるのは婚姻している夫婦のみとなります。また実子との血縁関係は、様々な手続きを経て新たな家族との関係ができた段階でなくなり、戸籍にも実施の指名は記載されません。

養子の存在は遺産相続を複雑化?

養子の存在を故人が生前から明かしている場合と、内緒にしている場合があります。遺産相続をきっかけに気が付くなど、余計に問題が複雑化して長期化してしまうこともあります。遺産相続の時だけでなく、家族との普段からのコミュニケーションが重要でしょう。

普通養子の相続

普通養子の相続は実子と同じ相続条件になります。普通養子の良い点やマイナス面のほか、どのような方が普通養子を希望するのか紹介します。

普通養子のメリットとデメリット

普通養子は実の親との血縁関係を維持したまま、養父の戸籍に入ることになりますので、多くの大人に見守られる感覚が味わえます。しかし戸籍には養子や養女と記載されてしまうことから、思春期など難しい年齢に差し掛かった時の対応が難しくなります。

どんな場合に普通養子を希望する?

後継ぎが必要な家業を営む家庭などが普通養子を希望して家に招き入れることがあり、子宝に恵まれなかった家族にとって大きな存在を手に入れることができます。

特別養子の相続

特別養子の相続は、完全に養親の嫡出子となります。実親の相続権や相互扶養義務などを喪失して、代わりに養親の相続権や相互扶養義務などを取得します。特別養子の良い点やマイナス面、どのような方が特別養子を希望するのか紹介します。

特別養子のメリットとデメリット

養育の試験期間がある特別養子は、理想と現実の違を実際に体感してから正式な申し込みができます。しかし戸籍には養親の名前が掲載されないなど、育てていても親として認められていない感覚になります。

どんな場合に特別養子を希望する?

多くが不妊症治療などをしても子宝に恵まれなかった夫婦などが多く、血のつながりがなくても本当の親子のようにして暮らしている家族は沢山あります。

嫡出子とは?


嫡出子とは、婚姻関係にある男女の間に生まれた子どものことを指します。法律上の婚姻関係にある男女とは夫婦のことです。

嫡出子には「推定される嫡出子」と「推定されない嫡出子」がある

嫡出子は2種類に分かれていて、推定される嫡出子と推定されない嫡出子があります。一体どのような違いがあるのでしょう。

推定される嫡出子とは?

推定される嫡出子とは、婚姻成立日となる婚姻届の提出日から200日を経過後、または婚姻の解消や取消し日から300日以内に生まれた子供のことを指していて、多くは推定される嫡出子に該当します。

推定されない嫡出子とは?

一方の推定されない嫡出子とは、婚姻成立日となる婚姻届の提出日から200日以内に生まれた子供は推定されない嫡出子となります。いわゆるできちゃった婚などで、子供を授かったことがきっかけで結婚した方は、婚姻成立日と子供の誕生日がより近くなります。

養子縁組をするための条件

養子縁組をする為には、どのような条件があるのでしょう。

当事者に養子縁組の意思がある

養子縁組をする為に一番大切な条件は、当事者に養子縁組の意思があるということです。その気がない場合や周りに強引に説得された場合など、自分自身で十分納得していない場合は、後になって無効にしたい…などとトラブルになります。

養親が成人している

養子縁組をする場合には、養親側が成人していることが条件となります。未成年の場合や未成年で婚姻している場合でも認められる、成人していることが条件となりますので注意しましょう。

養子が養親の尊属または年長者でない

養子が養親の尊属または年長者でないことも養子縁組の条件となります。養子縁組をする場合には、様々な条件を全てクリアすることが求められます。

家庭裁判所の許可が必要な場合


養子縁組をする場合、家庭裁判所の許可が必要になる場合があります。一体どのようなケースに該当すると家庭裁判所の許可が必要になるのでしょう。

後見人が被後見人を養子とする場合

後見人が被後見人を養子とする場合には家庭裁判所の許可が必要になります。この場合にはきちんと手続きをしてから話を進めることが求められます。

未成年者を養子とする場合

未成年者を養子にする場合にも家庭裁判所の許可が必要になります。養親側が成人であっても引き取る養子が未成年者の可能性は高く、このような状況の際には家庭裁判所の許可が必要です。

養子縁組は相続税対策に効果的?

税金の為だけに養子縁組をするような方はあまりいないような気がしますが、結果として相続税対策に繋がったというケースは数多くあるようです。一体どのようなことになっているのでしょう。

相続税に関係して養子縁組をするメリット

養子縁組によって子供の人数が増えるということは、相続人が増えることになります。よって相続税法上は様々な効果が期待できます。まずは相続税の基礎控除が増えます。そして生命保険の非課税枠が増えます。更に死亡退職金の非課税枠も増えて、孫以外で相続人以外の人を養子にすれば、遺贈よりも低い税率で財産を渡すことができます。このような点から、養子縁組による節税の効果は大きくなります。

相続税に関係して養子縁組をするデメリット

しかしデメリットとなるマイナス面もあるようです。養子縁組と相続税の関係はどのようになっているのでしょう。まず孫を養子にしますと孫の支払う相続税が20%高くなります。また相続税の基礎控除や非課税枠の算定に含められる養子の人数には制限がありますので、養子縁組が必ずしも節税につながるとは言えないようです。

相続税法と民法でのルールの違い

相続税法上は養子の人数に制限がありますが、民法上は特にこのような制限はありません。その結果、確実に財産を渡したい相続人以外の人がいる場合には、養子縁組をすることは決して無意味ではありません。実際にそのようなことをして、本当に譲渡したい人に遺産をしっかり分配しているケースもあります。

いざという時に慌てない遺産相続の準備

大きな金額の現金や不動産物件を複数所有しているなど、場合によっては沢山の試案を抱えて生活している方は沢山います。そのような方の場合には、残される家族のことを早めに考えておきますと、いざという時にトラブルになりません。最近では定年退職など年金生活が始まるような頃をきっかけに、終活をする方が多くなっています。是非検討すると良いでしょう。

残すような財産がない場合にも終活?

終活や遺産相続と言っても、不動産物件を持っているわけでもなく、現金もそれほどないという方は沢山います。そのような方ですと残される側の家族にとっては、トラブルになる原因のものがありませんので助かります。しかし中途半端に預貯金があるような場合の方が、大金があるよりもケンカになることが多いというデータもあります。

生前贈与を検討する方も増えています

生前贈与は文字通り生前に贈与してしまう方法で、自分が亡くなってからではどうなってしまうのか心配な場合や、納める税金のことを考えて生前贈与を子や孫にする方が多くなっています。特に孫の教育資金を援助できる喜びは大きく、目の前で渡せることでより譲り渡した実感が持てるはずです。

一度家族で真剣に話す時間を設けるのも大切!

遺産相続の話は亡くなってから行うという固定概念がありますが、一度真剣に話し合ってある程度の分配方法などを決めておくのも良いでしょう。親戚を呼んで行うなどと大掛かりにする必要はなく、家族のみでも充実した分良い時間を設けられるはずです。遺産相続の話を生前にするというのは、縁起が悪いなどのイメージからまだタブーだと思っている人も多いですが、万が一のことがあった時に自分の想いを受け継いでもらうことができるメリットもあります。

まとめ

いかがでしたか。養子縁組という言葉そのものは良く聞いたことがありましたが、実際にどのような流れで進められているのかなど、詳しい内容は知らないことが沢山あったのではないでしょうか。遺産相続の話は養子の有無に関わらず複雑ですので、是非早めに準備をするなどの対策をしてみてはいかがでしょうか。

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