相続放棄に必要な書類と注意事項

遺産相続の際には、まずその財産を相続するか否かという話から始まります。遺産イコール全て受け継ぐという考えの方が多いですが、実際には放棄されるケースも沢山あります。今回は相続放棄に必要な書類や注意事項を紹介し、スムーズに遺産相続放棄の手続きが進められるサポートをします。是非参考にしてみてはいかがでしょうか。

そもそも相続放棄をするケースはどんなとき?


相続することを放棄するということは、よほどの事情があるように感じられますが、多くは相続によって相続人が不利益を被ることを防げるときに決断するようです。一体どのような場合なのでしょう。

借金が多い場合

遺産相続と言っても全てが財産でないことがあります。ローンや借金などが残っていて、場合によっては死後新たな借金が見つかるようなケースも多々あります。そのような場合には、マイナスとなる部分だけを放棄できますが、プラスの財産がある場合には謝金分をマイナスして受け取ることになります。

家業を安定させるために長男以外が相続放棄

遺産相続は家業を継ぐ長男のみが行い、それ以外の兄弟や姉妹が相続放棄をして全て家業の経営に補てんさせるようにするケースもあります。このような場合には、長男以外の兄弟や姉妹にとっては、不公平な感じがするということで時に問題になるケースですが、その代わり家業のことを全て後継ぎに任せるという条件を突きつけることもできます。

全員が相続放棄することは可能?

所有者である故人の配偶者や子供、兄弟などの親戚が沢山いるにも関わらず、誰一人相続をすることなく放棄をするということは可能なのでしょうか。あまりあるケースではありませんが、全員が相続放棄することはできます。

相続放棄前に必ず確認

相続を放棄する前には、必ず確認した方が良いことがいくつかあります。大切な決断であり出来事ですので、その場の勢いや思い付きで話をするのではなく、じっくり考えて結論を出しましょう。

財産調査をしっかりする


財産調査とは、実際にどのくらいの財産を生前所有していたのかをじっくり調べることです。表面上には出ていない隠し財産を持つ方も多く、この調査の結果次第では遺産相続の放棄を撤回したくなるケースもあります。しかし相続放棄後にやっぱり相続する!は不可能となります。相続放棄をする前に、もう一度財産の確認をしっかり行って調査するのがおすすめです。

相続放棄をするまでの期限は3ヶ月

原則として期限切れになった場合には、全ての財産を相続しなければなりません。相続放棄期限の3か月は、長いようであっという間です。ただし、相当の理由があれば延長可能で、遺産の状況を知ってから3ヶ月以内であることを立証できればよいとされています。

よく考えてから決断をする

期限があるからと言って急いで決めることも好ましくありませんが、悩んでいる間に全ての財産を相続することになってしまうのも問題です。財産調査をした段階で早めに結論を出し、自分の考えが妥当であったことを再認識できる余裕があるのが理想です。

相続放棄の必要書類

遺産相続を放棄する場合には、必要書類を家庭裁判所に提出しなければなりません、いったいどのようなものが必要なのでしょう。

相続放棄申述書

相続放棄申込書を作成して提出します。この際記入漏れや捺印漏れがありますと、再度訪問をして手続きし直す必要があり二度手間になります。書類の不備には注意しましょう。

被相続人の戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

被相続人の戸籍謄本も用意する必要があります。事前に用意しておくのも良いですが、手続き前に家庭裁判所へ行く前に市町村役場へ立ち寄って、戸籍関係の必要書類を取り寄せます。

届出をする人の戸籍謄本

届出をする人の戸籍謄本が必要です。これは届け出をする人が故人の相続人であることを明らかにするためで、大切な証明書となります。

収入印紙と郵便切手

収入印紙と郵便切手が必要ですが、家庭裁判所によって必要な金額が異なりますので、事前に良く確認しておきましょう。平均して1,000円程度ですので、それほど大きな負担ではありません。

書類の提出場所に注意

家庭裁判所への書類提出が行われる遺産相続の放棄に関する手続きですが、どこの家庭裁判所でも良いのでしょうか。詳しく紹介します。

どこの家庭裁判所へ提出?


家庭裁判所はどこでも良いと思われますが、実際には故人が暮らしていた地域で一番近くにある家庭裁判所への提出が決まっています。届出人が遠方に住んでいる場合には、わざわざ遠出する必要がありますが、他の用事と合わせて済ませるような工夫をしますと、効率良く時間が使えます。

遠い場合に郵送は可能?

しかし郵送での受付も行っている相続放棄の書類ですが、該当する家庭裁判所の住所などをしっかり調べて送ることで、遠方の方や忙しい方でもスムーズに期限内に相続放棄の手続きが進められます。

持参前に良く書類内容を確認

郵送の場合でも直接家庭裁判所へ持参する場合も同じですが、書類の記入漏れや捺印漏れなどが内容に注意して、良く確認してから提出するのがおすすめです。

相続放棄の申述書の書き方

相続放棄申込書はどのようにして作成するのでしょう。また20歳未満と20歳以上では異なりますので、気を付けて完成させることを進めします。

20歳以上の場合

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20歳以上の場合には、法定代理人の部分を記載する必要はありません。あとは指示通りに空欄を埋める作業になります。手書きですので読む人が読みやすいように丁寧に記載しましょう。

20歳未満の場合

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20歳未満の場合には、法定相続人の欄を記入する必要があります。20歳以上の場合と異なるのはこの点のみで、後は決められた場所に決められた事柄を書き込みます。

間違えた時の訂正方法は?

記入ミスや誤字脱字などの気づいた場合でも、修正液などで訂正するのではなく、横に二重線を引いて訂正箇所を消して、その傍に正しい文字を記載します。心配な方は鉛筆などで下書きをしてボールペンでなぞることもできますが、やりやすい方法を採用すると短時間で終わります。

スムーズに書き終えるコツ

難しい書き方が求められるわけではありませんが、集中力が必要となる相続放棄申込書は、毎日少しずつ記入をして数日間掛けて完成させることも可能です。完成までに時間が掛かりますが、間違えることなく確実に完成させられるでしょう。

生命保険は相続放棄をしても受け取ることができる?

相続と生命保険の関係

生命保険は財産でありながらも財産とは別の物であると認識されています。よって財産を全て手放す相続放棄をした場合であっても、生命保険を受け取ることはできますので、受取人となっている方は安心して過ごせます。

金額によっては相続税が発生する

しかし生命保険を受け取りますと相続税が発生する可能性があります。しかし受取人となった全ての方が該当するのではなく、受け取った金額に応じて相続税が発生します。しかし受け取った金額に合わせた割合で、それほど多額になる心配はありません。

生命保険は加入後も定期的に見直しを!

生命保険は一度加入してしまいますと、内容を見直すこともなくそのまま継続させてしまっているケースが多いです。その理由は実際に自分がどんな保険に加入しているのかを詳しく分かっていないケースが多く、知人の紹介や付き合いなど義理で加入したような方も沢山います。いざという時にどんな内容の保険であるのか知らなかったことで、主多様な補償を受けられない場合があります。加入後もこまめに見直しをしておくことが大切です。

相続放棄でよくあるトラブルとは?

相続放棄をすることで多いトラブルはどんなパターンなのでしょう。

相続放棄を希望したにも関わらず撤回を希望する

良く考えずに相続放棄を選んでしまいますとこのような問題が起こります。しかし一度放棄を決めて、全ての手続きを済ませてしまってから何を言っても無駄になります。意外と多いケースである相続放棄の撤回は、実は他にも隠していた財産が見つかったなど、思いがけないことが起きた時に再び身内が集まることになって話が持ち上がります。

3か月の期限が守れない

相続放棄の決断は3か月以内に行わなければいけませんが、故人に関わる様々な法事や法要によって、あっという間に3か月の期限が経過してしまいます。期限を経過してしまいますと、全ての遺産を相続することが決められていますので、相続する遺産が多い場合や家族や親戚の人数が多い場合は、早めに相談をしてそれぞれの意見をまとめることが求められます。

相続放棄をきっかけに家族や親戚との関係が変わる

お金が絡む問題である相続は、少しの良い間違えや気持ちのすれ違いで思いがけない方向に話が進みます。今まで仲良くしていた家族や親戚とも上手く話ができなくなるなど、遺産相続や相続放棄をきっかけに関係性が大きく変わることもあります。多額のお金が関わることでそれぞれが本性むき出しで感情的になるなど、望まない形になる可能性もあります。遺産相続の話は、早めに話を進めて余裕がある相談が理想的です。

まとめ

いかがでしたか。相続放棄には様々な種類が必要である上に、注意点も沢山あることが良く分かりました。身近な人とお金に関する話をしっかりする必要がある遺産相続は、時として大きな問題に発展する危険性があります。大人同士での言い争いは関係修復が難しくなり、更に問題が深刻化することも考えられます。問題が大きくなる前に、早めの対応が望まれまれます。相続放棄について困っている方は、是非参考にしてみてはいかがでしょうか。

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