生前贈与を非課税で行う方法は?

自分の財産を亡くなる前から子供や孫に分配する生前贈与は、税金を節約できるということもあり、最近注目されている項目の一つです。しかし生前贈与に対する知識を豊富にしておかなければ、賢く節税することもできません。今回は生前贈与を非課税で行う方法について紹介します。

生前贈与の種類について


生きている間に財産を家族に分ける生前贈与には、どのような種類があるのでしょう。また生前贈与の対象となるものはどんなものが含まれているのか紹介します。

暦年課税

個人が個人へ財産を贈与する場合には贈与税が掛かります。暦年課税はその贈与税の一つで、年間110万円までの贈与税は非課税になる制度です。暦年課税のメリットは、渡す人ごとに設けられる年間110万円までの贈与税が非課税になる枠によって、少しずつでも着実に相続財産を減らしながら贈与税を削減できます。しかし分ける財産に高額の価値がある場合には、何回にも分けて贈与する必要がありますので負担が大きいのがデメリットです。

相続時精算課税


相続時精算課税制度は、親から子への贈与をスムーズにすることを目的に作られたといわれています。仮に親が80歳で亡くなった際に子が財産を取得しても、子供は既に60歳ほどになっているでしょう。もっと早いうちに財産を子へ移行させることを目的に作られた制度で、生前に贈与をした場合には2,500万円の贈与まで贈与税がかからないのが特徴です。その代わりに相続の時には、生前に贈与された財産と相続された財産を足した額に相続税がかかるという制度です。ただし相続税が課税されない場合には、相続税も課税されません。また贈与してくれる人ごとに、相続時精算課税制度を選択するか否かも選択できます。

納めるべき税金はきちんと期限までに納付しよう

非課税や減税が期待できる生前贈与ですが、納めるべき税金が発生する可能性が十分あります。しっかりと納付期限を確認して、忘れずに税金を納めるようにしましょう。

現金や不動産…その他に生前贈与できるものって何?


生前贈与されるものの代表として、現金のほかにも土地や建物などの不動産があります。この他には所有している車や宝飾品、着物や美術品などが含まれます。自分では大切なコレクションとしていつまでも残しておきたい気持ちはあっても、亡くなってから家族や親族が奪い合いでトラブルになるよりは、生前贈与として手元にある財産を少なくすることも選択肢の一つです。

生前贈与の基礎控除について

生前贈与には非課税枠となる110万円の基礎控除があります。一体どんな内容なのでしょう。

年間110万円が控除枠

生前贈与をした時に贈与税が課せられるのは110万円以上の贈与を行った場合です。贈与税は年間110万円を超える金銭や不動産の贈与を受けた人が税務署に申告します。つまり生前から毎年110万円以下の贈与なら贈与税の申告は必要ありません。仮に毎年110万円の現金を子供に生前贈与していけば、10年間で1,100万円のお金が非課税扱いとなり、これを基礎控除と言います。基礎控除には、贈与者や受贈者の制限はありませんので覚えておきましょう。

ただし無条件で年間110万円が控除枠になるわけではない

最初から多額のまとまった資金を贈与するつもりだったと判定されてしまうと、多額の贈与税が取られることがあります。このような場合には、期間を毎年にせず2年おきにするほか、贈与の金額を減らすことでも解決できます。また時には基礎控除にこだわらずに110万円以上の贈与を行い、贈与税を納めることを実施するのも一つの手段です。

生前贈与って得できる?損する?

生前贈与イコール得する行動と言う認識がありますが、贈与する財産の内容によっては負担が大きくなる可能性もあります。無理に生前贈与をしない方が良いというケースもありますので、慎重な判断や決断をしてから開始するのがおすすめです。

家族と意見が合わない時の対処法

生前贈与について家族と話し合いをする場合、時には意見が合致しないこともあります。それぞれの立場や年齢が違い、男女によっても考えが異なることから、たとえ家族であってもスムーズに話し合いができるとは限りません。しかし家族が意見を出し合うという時間はとても貴重なひと時となりますので、それぞれの考えをぶつけ合って話し合いすると良いでしょう。

非課税制度を使って生前贈与をする方法

生前贈与をする場合には、ケースによっては非課税制度を活用して進めることが可能です。一体どのようなケースが考えられるのでしょう。

非課税制度1:配偶者控除

20年以上の婚姻期間がある夫婦間で贈与を行う場合は特例の制度があり、居住用の不動産を取得するための資金贈与なら2,000万円まで控除可能となります。

非課税制度2:住宅資金の贈与

省エネ住宅を購入する場合は1,000万円までが非課税です。またそれ以外の住宅は500万円までが非課税となります。ただし贈与先が贈与者の子どもや孫であり、20歳以上であることに加えて贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であることが条件になります。

非課税制度3:教育資金の贈与

孫1人につき1,500万円までの教育費を非課税で贈与できます。今すぐ使用する必要はなく、将来の大学進学時などに備えられることもあり、多くの方が検討する贈与方法です。

非課税制度4:結婚・子育て費用の贈与

贈与者は受贈者の父母や祖父母を条件としていて、結婚や子育てのための資金1,000万円までの贈与が非課税となります。孫への養育資金とは異なり、親から子への贈与と言う形になります。

生前贈与の話し合いで大切なこと

生前贈与の話し合いは、財産の持ち主が生存していることもあり、遺産相続のような言い争いにはならないかもしれませんが、様々な意見を持った家族や親族が集まることから、場合によってはトラブルになる可能性もあります。一体どのようなことに気を付けると良いのでしょう。

贈与の対象者が揃って話し合う時間をつくる

贈与する側の財産所有者が参加するのは当然ですが、贈与される側の家族や親族もできれば全員集まるのが理想です。もらう本人がいない間に話を進めることで、他の人との取り分の違いなどが気になって、後々トラブルに繋がる場合があります。人数が多くなりますと全員が揃うような日程は難しいかもしれませんが、できる限り全員の予定が揃う日時で話し合いの場を設けましょう。

後になってトラブルにならないコツは?

生前贈与は遺産相続での負担を減らすために行われるものです。生前贈与の話し合いで家族や親族がケンカするようになってしまうのでは意味がありません。後になってトラブルにならないためには、その場で思っていることを言ってしまう方が良いでしょう。全てが決まってから、本当は違う意見であったと申し出られても周りの家族は困ってしまいます。家族同士の話ですので、生前贈与の際には本音で話し合うのがおすすめです。

全ての財産を生前贈与しなくても良い

生前贈与をする場合、全ての財産を生前に贈与する必要はありません。一部の財産を生前贈与するのみでも、相続税を大きく削減することができます。どの程度の不動産を所有しているかによって異なりますが、例えば不動産のみを生前贈与してしまうということも可能です。様々な選択肢があるということを認識しておくと良いでしょう。

専門家に相談することも大切

内容が複雑で手続きも面倒な生前贈与は、自分達だけで全てを進めるのが難しい場合があります。専門家に相談をして話を進めることもできますので、行政書士や司法書士などのスペシャリストを頼るのもおすすめです。

更に賢く生前贈与する方法とは


様々な制度があることが分かった生前贈与ですが、ただ単に生前贈与をしてしまうのではなく、より制度を活用して行うことが大切です。どのような点にポイントがあるのでしょう。

今後価値が出そうな財産の取り扱い

相続時精算課税制度の利用は、今後価値の上がる相続財産に対して特に有効な手段です。相続財産としての評価額は贈与時の評価額となることが理由です。そのため、贈与するタイミングが重要となります。一方、建物など今後価値の減少や値下がりが確実な財産は、相続時精算課税制度の利用に適していません。どのような財産にどんな制度が適用できるのかを見極めることも大切です。

制度の使い分けが大切

父と母それぞれが所有している財産を受け取れる場合、その財産の種類や総額に合わせて贈与税を非課税とする方法を使い分けることができます。例えば、父からの贈与は暦年課税を利用して母からの贈与は相続時精算課税を利用するという方法です。しかし 注意しなければならないことは、途中で贈与についての制度を変更できないことです。一度父からの贈与に暦年課税を利用すると決めますと、途中で相続時精算課税へと切り替えることができません。活用する制度を決める際には、事前にきちんと調べて良く検討することがおすすめです。

財産の管理は慎重に行いましょう

財産が多くある方の場合、管理が上手くできずに困っているケースもあります。しかし実際に生前贈与や遺産相続をスムーズに進めるには、財産の持ち主である名義人本人の管理方法が大きく関わります。収拾がつかなくなっている方は、一度時間を掛けて整理整頓しておきますと、生前贈与をする場合にも速やかに家族と話し合いができます。

まとめ

いかがでしたか。面倒で難しいイメージがある生前贈与ですが、非課税で行う方法や減税をして手続きを進めることができます。生前贈与を偏在検討している方はもちろんですが、まだ年齢的に実感が湧かない方でも、今後の参考にしてみるのがおすすめです。もしものことがある前に、一度家族や親族と真剣に相続についての話し合いをしてみてはいかがでしょうか。

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