相続放棄の手続方法を確認しよう!

相続というと財産を受け継ぐプラスのイメージがあります。しかし、受け継ぐものはプラスのものばかりでなく、借金などの負債のマイナスも含まれてしまいます。相続では相続放棄という相続権を放棄することもできるので、手続き方法を確認しましょう。

相続放棄の期間の手続きについて事前確認事項


相続放棄の期間の手続きについて、事前確認事項があります。それは、どこの家庭裁判所に届出をするか決める、本当に相続放棄していて問題がないか財産を調べることになります。以下でそれについて詳しく説明したいと思います。相続放棄についてですが、一般的に相続放棄した方がいいケースがあります。相続放棄した方がいいのは、被相続人に多額の借金がある・遺産相続でもめたくない・被相続人の事業を子供に引き継がせたい・借金がいくらか分からないなどのケースです。相続放棄しない方がいいのは、配偶者に全財産を相続させたいと子供が動いている場合、子が孫に全財産を相続させようとしている場合などです。

まずはどこの家庭裁判所に届出をするか決める

まず、どこの家庭裁判所に届出をするか決めます。相続放棄手続きを行う管轄の裁判所は、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所となります。裁判所の管轄区域はホームページで確認することができます。ここでは自分で相続放棄をする場合の手続き方法を紹介しますが、法的な専門知識が必要な相続放棄なので、弁護士に依頼するのが得策かもしれません。手続き全てを弁護士ができるわけではありませんが、申述書などの書類は作成してもらえるので、かなり楽になります。相続放棄は期間が決まっているので、スピーディーな対応ができる弁護士に依頼すれば安心です。

本当に相続放棄して問題ないか財産を調べる

次に、本当に相続放棄して問題ないか財産を調べます。この財産調査を相続放棄する手続き前に、しっかりしておかないと、相続した後になって損をします。相続放棄した後からプラスの財産が見つかっても、一度相続放棄をすると相続権がなくなるので注意が必要です。財産を調べるには相続する可能性がある財産をチェックしていきます。法律上の財産では、土地・建物・借地権・借家権などの不動産、自動車・書画・骨董品・貴金属・家財道具などの動産的なもの、公社債・借金・銀行の預貯金などの債権などが該当します。この中で早く確認して相続放棄した方がいいのは、もちろん借金になります。

必要書類を家庭裁判所に提出

相続放棄に必要な書類を準備したら、家庭裁判所に提出します。必要な書類というのは、相続放棄申述書、故人の戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本、故人の住民票除票または戸籍附票、故人の住民票除票または戸籍附票、届出をする人の戸籍謄本、収入印紙と郵便切手です。ここでは、一つ一つの書類について詳しく説明したいと思います。この書類の中で聞きなれないものが相続放棄申述書という書類です。書式は、申述人が未成年者か20歳以上かで分かれていて、裁判所のホームページに書式と記載例が掲載されているので、ダウンロードして利用してみてください。

相続放棄申述書

前述したように相続放棄申述書は、20歳未満と20歳以上では書式が異なります。記入する項目は、日付・申述人の記名押印・添付書類のチェック項目・申述人の本籍・住所・氏名・生年月日・職業・被相続人との関係・法定代理人の住所氏名・被相続人の本籍・最後の住所・死亡当時の職業・氏名・亡くなった日付・申述の理由です。申述の理由の欄には、相続の開始を知った日・放棄の理由・相続財産の概略・負債金額を記入します。相続放棄申述書の上の方には収入印紙を貼るスペースがあるので、そこに貼るようにします。

故人の戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本


相続放棄申述書に添付する書類が、故人の戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本になります。戸籍謄本は戸籍に入っている全員の事項を写したもの、除籍謄本は戸籍に誰もいないことを証明する書類です。死亡して戸籍から抜けて、最終的に戸籍に誰もいなくなると、閉鎖されて戸籍簿から削除されます。改製原戸籍謄本は戸籍法が改正される前の戸籍のことです。相続では出生から死亡までの戸籍を求められることもあり、そんな時に改製原戸籍謄本が必要となります。取得方法は直接窓口で請求・郵送で請求・司法書士や弁護士に依頼して請求、という方法があります。請求できる人の資格・必要なもの・手数料が違いますので、確認して請求するようにしてください。

故人の住民票除票または戸籍附票

次に必要になる添付書類が、故人の住民票除票または戸籍附票です。故人が出生時から死亡時までの住民票の動きが分かる書類が住民票除票になります。今まで住民票が存在する市町村から、他の市町村へ引越しや死亡した時、転出届や死亡届が提出されることにより、住民登録が抹消されます。請求する方法は戸籍謄本と同じ、直接窓口で請求・郵送で請求・司法書士や弁護士に依頼して請求する方法があります。戸籍附票は住所の移転履歴を記録した書類です。本籍地の役所でだけ交付してもらえて、本籍地以外では交付ができないので注意が必要です。戸籍附票の請求方法も戸籍謄本と同じになります。

届出をする人の戸籍謄本

次に、相続放棄申述書の届出をする人の戸籍謄本も必要です。戸籍謄本とは戸籍に入っている、全員の事項を写したもので、戸籍抄本は戸籍に書かれた個人1人の事項だけ写したものです。戸籍謄本は多くの人が取得したことがあるので、馴染みの深いものではないでしょうか。戸籍謄本には両親か養父母の氏名・生年月日・戸籍の筆頭者との続柄・出生地と出生届出人・婚姻暦・離婚歴・認知などの情報が記載されています。請求方法は直接窓口で請求・郵送で請求・司法書士や弁護士に依頼して請求があります。直接窓口で請求する方法ですが、本人と代理人では、委任状が必要になるなど、多少の違いがあるので、面倒でも確認してから請求してください。

収入印紙と郵便切手


最後に相続放棄申述書の上のスペースに貼る収入印紙と、郵便切手が必要になります。収入印紙は申述人1人あたり800円分、郵便切手は各家庭裁判所によって違いがありますが、大体1,000円くらいです。収入印紙は家庭裁判所内で購入できます。郵便切手代は申述先の家庭裁判所に確認するといいでしょう。各家庭裁判所のウェブサイトでも掲載している所があるので、検索してみてください。相続放棄申述書自体には費用はかかりませんが、収入印紙と郵便切手の費用がかかるので、覚えておいてください。

相続放棄が認められると

以上の数多くの書類を用意して、相続放棄が認められた場合、相続放棄申述受理証明書というものを家庭裁判所が発行してくれます。これで相続放棄したことを第三者に主張することが可能となります。相続放棄申述受理証明書は、相続放棄申述書を申請した同じ家庭裁判所で申請が可能です。申請の手数料は1通あたり収入印紙150円分なので、家庭裁判所で収入印紙を購入して貼付してください。相続放棄申述書の申請から時間がたっていなければ、その場ですばやく発行してもらえますが、期間が空いてしまうと、保管された記録を探すことに時間がかかり、何週間かかかってしますこともあるので、早く申請する方がおすすめです。

相続放棄手続で事前に知っておくべきこと

相続放棄手続きをする前に、知っておいた方がいいことがあります。それは、相続があったことを知った日から3ヶ月以内に相続放棄が必要ということ、相続放棄は希望者だけで可能だということ、手続は相続放棄専門の司法書士に依頼がおすすめということです。素人で相続に詳しい人は数少ないので、相続放棄には期間が決められていることや、相続放棄したい希望者だけでできることを、ここで知って、自分で相続放棄の手続きをするか、相続放棄に詳しいプロに依頼することを検討してみてはいかがでしょうか。下記では詳しく説明したいと思います。

相続があったことを知った日から3ヶ月以内に相続放棄が必要

相続があったことを知った日から3ヶ月以内に相続放棄が必要というのは、民法第915条にルールがあるからです。それは、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」という内容です。3ヶ月以内は結構短い期間なので、疎遠になった親が多額の借金を抱えていた、財産が複雑なので3ヶ月以内に調査が終わらないなどの場合は、どうなるのでしょうか?3ヶ月が過ぎてしまっていても、死亡時に財産調査はしたが借金が分からなかった・死亡後に相続財産を処分していないなどの条件を満たす場合は、家庭裁判所が調査した上で相続放棄が認められるケースがあります。

相続放棄は希望者だけで可能

相続放棄するのは相続人全員だけでなく、相続放棄の希望者だけで可能です。相続放棄はプラスもマイナスの財産も相続しないということですが、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を相続するという、限定承認というものがあります。相続放棄は希望する人だけでいいですが、限定承認は相続人全員の同意が必要となります。限定承認はマイナスの借金などの財産の金額が、プラスの財産より、確実に多い場合、不明な借金が残っている場合に有効な方法です。

手続は相続放棄専門の司法書士に依頼がおすすめ

相続放棄などの法的専門知識が必要な手続きは、素人がやると時間がかかり、かなりの労力が必要になります。そんな難しくて専門知識が必要な手続きは、相続放棄専門の司法書士がいるので、手続きを依頼してみてください。申請書などの記述や、戸籍謄本などの申請も楽に済むので、手間のことを考えたら費用がかかっても司法書士に依頼しましょう。

まとめ

相続はプラスの財産だけではありません。相続した後に後悔しないためにも、相続放棄の手続き方法について、詳しい情報を知ってみてください。

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