離婚した際の年金分割について!仕組みと注意点を紹介!

婚姻中は給料に応じて厚生年金などの保険料が給料から天引きされています。自分が働いているから年金は大丈夫と思っている人も多いのではないでしょうか。しかし、中には婚姻関係を解消したいと検討している夫婦もいます。その際に収入の多い方の年金をもらえると思っている人もいるでしょう。しかし、年金は分割できる場合があります。これから離婚をする夫婦間でもめないように年金に関する知識を知っておくことも大切です。

年金分割制度とは?


年金分割制度というのがあることをご存知でしょうか。これは平成19年4月1日から始まった制度で、ある条件に該当した場合に当事者の一方からの請求によって婚姻中の厚生年金記録を当事者の間で分割することができるという制度になります。簡単にいうと厚生年金納付記録の多い側から少ない側に分けるのが年金分割と思うとわかりやすくなるかもしれません。記録から分割するというイメージを抱く人もいますが、実際には複雑な条件もありますので、この年金分割についてみていきましょう。

年金分割の対象となる年金

年金には公的年金といわれる国民年金、厚生年金、共済年金があります。そして年金分割制度の対象となる年金はこのうちの厚生年金と共済年金になります。厚生年金保険は円光保険と同様に法人などの事業所単位で適用となり、原則として事業所は1人でも従業員がいる場合は加入の対象となります。

厚生年金

厚生年金は主に会社などに勤めている会社員の方が加入している保険になります。働いている方であれば給料明細を見ると必ず厚生年金保険料が給料から天引きされています。政府が管掌し、厚生労働大臣がその管理責任を担っています。実際の運営は日本年金機構が運営している年金事務所で執り行っています。

共済年金

共済年金は国家公務員や地方公務員など公務員が加入している公的年金になります。国家公務員共済組合、地方公務員共済組合など共済組合が執り行っています。制度的には厚生年金と共通していますので、公務員は共済年金、会社員は厚生年金と考えるとよいでしょう。

年金分割の対象外の年金


ここまで見てくると年金分割制度の対象とならない年金があります。それは国民年金です。

国民年金

国民年金は所得に関わらず一定額となっており、年度によって金額が変動します。まとめて納付することが可能で、その際は割引制度もあります。国民年金は基礎年金とも呼ばれています。日本に住んでいる人の最も基本的な最低ベースの保障となるのがこの国民年金です。厚生年金は収入によって変動しますが、国民年金に上乗せされているのが厚生年金になります。

国民年金基金

国民年金基金とは会社員などが支払っている厚生年金は上乗せ部分となりますが、自裁に年金額が支給される際に年金額の差が生じるため、この差を解消するために創設された公的な年金制度になります。国民年金とセットで自営業者など国民年金の第一号保険者の老後の所得補償を担う制度になります。

厚生年金基金の上乗せ給付部分

厚生年金基金では、老齢厚生年金の一部を代行しています。この部分を国に代わって支給するため代行給付といい、それぞれ独自の年金を加算して、これを上回る給付を行わなければならないとされています。

確定給付企業年金

確定給付企業年金とは確定給付企業年金法に基づいて実施されている企業年金制度になります。事業主が従業員の同意を得て制度内容を定めている規約型企業年金と、掛け金を外部に拠出してその年金資産を管理運用して年金給付を行う基金型企業年金の2種類があります。

確定拠出年金(401k)

確定拠出年金は企業や加入者が自分で毎月一定額の掛け金を拠出して自分で運用するものです。最近は確定拠出年金を希望する人も増えており、これは支払われた掛け金が自分の講座に積み立てられて、運用して得られた給付金が将来自分に戻ってくるというものです。運用の結果次第では将来受け取れる年金の金額は違ってくるのが特徴です。

年金分割の種類

年金制度は複雑ですが、年金分割の対象となるのは第2号被保険者と呼ばれる会社員の厚生年金、公務員の共済年金になります。第3号被保険者というのは第2号被保険者に扶養される妻、または夫の事になります。年金分割制度にはこの年金が適応されて「合意に基づく分割」と「第3号被保険者期間の分割」の2種類があります。

合意分割制度

合意分割制度は分割対象期間が結婚から離婚までの婚姻期間において、厚生年金・共済年金保険料の納付記録を合算したものに対して、分割を受ける人に厚生年金加入期間や第1号被保険者期間があっても適応されます。分割することと分割の割合について夫婦間の合意があることが条件となりますが、合意ができない場合は裁判手続きによって分割割合を決めることになります。ただし、離婚から2年が経過した場合は請求ができません。

3号分割制度

この制度は主に第3号被保険者として専業主婦などが利用できる制度になります。2008年4月1日以降から離婚するまでの間の第3号被保険者期間が対象となっており、夫婦間の合意は必要なく、相手が支払った厚生年金の保険料を納付記録に基づいて2/1の割合で分割されるというものです。請求期限も特になく、分割を受ける側からの一方的な請求によって分割が可能になります。

合意分割制度+3号分割制度

そして婚姻期間中、会社員であった期間があった場合、一時期に不要になっていた期間があるといった場合は合意分割制度と3号分割制度を併用することもあります。この場合はまずは3号分割制度を先に手続きを行います。

年金分割の手続き方法


年金分割制度は自分が希望したからと言って自動的になるわけではありません。年金分割をするには手続きが必要になります。厚生年金を取り扱う役所や年金事務所などでも手続きは可能です。年金事務所ではまず情報通知書を出してもらいましょう。年金分割のための情報提供請求書を提出すると年金分割のための情報通知書が発行されます。ホームページなどでも請求書はダウンロードできますが、記入の際にわからないことが多いと思われるので、窓口で相談するとよいでしょう。また、窓口では受け取りや送付先の指定などにも対応しています。民間企業に勤務している場合の年金に関しては、年金事務所や年金相談センターを訪れるとよいでしょう。また、公務員の場合は共済組合連合会などで手続きが可能です。

年金分割の受け取り試算額は?

年金事務所で年金分割の情報通知書等を参考に下記サイトで試算額を計算することができます。

年金分割試算はこちら

年金分割の注意点

年金分割は手続きをしたからと言ってすぐにもらえるものではありません。自身が年金を受給できる年齢、現在は65歳になってからになります。そのため、最近多い熟年離婚というケースもありますが、たとえ夫が定年退職をしていても受け取る自分が受給できる年齢になっていないと年金はもらえませんので、勘違いしないように気をつけましょう。

また、分割された年金保険料納付記録は厚生年金の額に計算されますが、年金分割を受ける側の受給資格要件には算入されないことも理解しておく必要があります。これは分割を受ける側の年金の金額はプラスになりますが、相手が厚生年金に加入していた期間を自分の年金加入期間にプラスすることはできないのです。そのため、年金分割を受ける側も年金受給に必要な条件を満たしていなければいけないのです。国民年金の加入期間は最低25年必要になります。年金を受給できる年齢になるまでの間に自分で収入を得て生活を立てていかなければならないのです。そして、あくまでも年金分割は婚姻期間中のみの受給対象ですのでしっかりと理解したうえで手続きをするようにしましょう。

請求できる期間がある?


離婚をしてから年金分割について知ったという人もいるかもしれませんが、原則として離婚成立後2年以内に請求をしなければなりません。離婚をする場合には経済的な自立が求められるため、請求の手続きを忘れないようにしましょう。

合意分割の年金分割の相場は?

年金分割の合意分割の場合、年金分割のための情報通知書によって得られる分割割合の下限から上限まで当事者の合意によって自由に決めることができます。夫婦間の協議の場合は相手の合意が得られなければ割合は上限である50%より少ない割合の分割しか受けられないケースも考えられます。しかし、協議が折り合わずに家庭裁判所での調停になるとほとんどの事例で決定される多くは上限の50%、つまり2/1の分割割合のようです。

再婚した場合の分割された年金は?

年金分割の手続きを行った後に再婚をした場合でも、受給できる年齢65歳になれば年金分割は影響なく受け取ることができます。あくまでも婚姻期間中の年金になりますので、離婚後にどのような人生を送ったとしても65歳になって受け取る年金には影響はありません。

まとめ

年金分割制度はまだ施行されてから10年ほどの新しい制度です。最近は年金についても複雑化していて、なかなか理解をするのも難しいのが現状です。まずは自分の年金についての状況把握しておくことをおすすめします。さらに、離婚のケースも熟年離婚といった言葉もよく耳にしますが、知識がないとトラブルにもなりかねません。

心配な方はまずは年金事務所や役所などの関連機関での情報収集や専門家へ相談してみるとよいでしょう。また、年金分割は夫から妻へのイメージがありますが、共働きの場合で妻の方の収入が多かった場合や妻が働いていて夫が主夫の場合は、妻から夫への年金分割となるケースもありますので覚えておきましょう。自分の年金については自分でしっかりと管理をして理解しておくことが大切です。決して勘違いをしたまま手続きをしないように気をつけましょう。

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