老人ホームの種類と特徴について

高齢化社会に突入している日本では、現在多くの老人ホームが存在していて、これから建設されようとしているものも沢山あります。しかし一言で老人ホームと言っても様々な種類があり、その内容やサービスの違いから費用面の差まで多種多様なものがあります。今回は老人ホームの種類や特徴について詳しく紹介しますので、是非参考にしてみてはいかがでしょうか。

目次

老人ホームの種類や特徴を知ろう!


老人ホームと聞くと全て同じような機能で動いている印象がありますが、実際にはサービスの違いや費用面に差があるなど、同じような形態でもそれぞれに違った特徴があります。

民間運営と公的施設の2種類から成り立ちます

まず一番の違いは民間企業が運営しているものと、地域で運営する公的施設がある点です。現在では公的施設よりも民間運営が増加傾向にあります。ちなみに厚生労働省データによりますと、2017年7月時点で老人ホーム全体の中で約65%が民間運営とされていて、残り4割弱が公的施設となるようです。

民間運営と公的施設の違いは?

民間運営と公的施設ではどのような違いがあるのでしょう。一番の違いは費用面では無いでしょうか。比較的安く入居できる公的施設は、その分倍率が高く多くの方が希望する形となります。一方の民間運営では、費用は公的施設よりも高めですが、最新設備が整っている場合や大きな病院が運営しているケースも増えていて、万が一の場合にもすぐに適切な医療が提供されます。

すぐに入居したい方は民間運営?

タイミングよく空きがあって即入居が可能となる場合が多いのは民間運営の老人ホームで、公的施設よりも早い段階で住まいを確保できるでしょう。しかし急いで探してこんなはずではなかったのに…と後悔するようなことがないように、入居者本人の意向も踏まえてじっくり検討することが望まれます。

どうしても公的施設が良い…どんな対策がある?

空きができるのを待つ方が多い公的施設の老人ホームですが、場合によっては1年や2年待ちなどというケースも十分考えられます。このような場合には、民間運営の老人ホームへとりあえず入居をして、空いた段階で公的施設の老人ホームへ転居する方もいます。しかしこの方法は費用面の負担はもちろんですが、入居者の生活環境を大きく変える事態が起こりますので、場合によってはストレスに感じる方もいますので、慎重に検討することをおすすめします。

老人ホームへ入居するメリットとは

費用のことやその他にも気になることが多い老人ホームですが、入居することでどのようなメリットがあるのでしょう。その人の性格や考え方によっては適さない人も多いような気がしますが、どのようなメリットが存在しているのでしょう。

交流の輪が広がる


若い方や学生のように、新た友人関係を築くことが難しい高齢者ですが、老人ホームへ入居することで、新しい交流の場が設けられます。

将来への不安が解消される

一人で生活する寂しさや不安は、多くの高齢者が抱えているはずですが、老人ホームへ入居することで、いつでも仲間やスタッフがいてくれる安心感があり、仮に家族が遠方に住んでいても寂しさを感じないはずです。

新たな楽しみが見つけられる

環境が変わることで付き合う人脈も変わることから、今までと行動が大きく変わります。その結果あまり興味がなかった分野への関心が高まるなど、思いがけないところに楽しみや喜びを見つけられるはずです。

人生をリセットできる

長く住みなれた自宅も良いですが、何か大きなきっかげないと大胆な決断もできないはずです。老人ホームへの入居という大きな行動は、人生の新たな一歩と考えますととても前向きに何もかも楽しめるはずです。

近所付き合いから解放される

場合によっては近所の人との折り合いが悪く、長年嫌な思いをしていた方もいるはずです。このような場合は、相手がいなくなるのを待っているよりも、自分から離れることを決断するのも良いでしょう。老人ホームと聞くとマイナス面なことをイメージするかもしれませんが、今までのストレスから離れらえるきっかけに繋がる方もいます。

老人ホームへ入居するデメリット

老人ホームへ入居するメリットがある一方で、デメリットがあることも考えられます。一体どのようなマイナス面が予想されるでしょう。

費用面の負担が大きい


老人ホームにも様々な種類があるので一概には大きな出費とは言えず、入居する方の経済状況によっては、それほど負担ではない可能性もあります。しかし毎月決まった金額の出費があるということは、通常自宅で暮らす場合よりもはるかに費用は掛かります。その分安全性や快適さを手に入れることは可能ですが、ある程度の費用を確保してから入居先を決めるのがおすすめです。

入居条件があるので入居の不可や転居の可能性がある

施設の種類ごとに入居条件がある老人ホームは、介護の段階や体調によっては、今入居している施設から転居することを求められる場合があります。また入りたい施設の条件に見合っていない場合は、そもそも入居することも許可されません。

人間関係でのストレスが増えそう

施設の形態によっては個室がない相部屋の場合や、個室があっても集団での行動が多い場合などは、気が合う仲間が増える一方で人間関係が上手く行かないストレスを増やすような人物と出会ってしまう可能性もあります。ある程度の年齢を重ねてからのトラブルは精神的な負担が大きく、ストレスになるかもしれません。

生活そのものが大きく変わる

家族が遠方に住んでいる場合などは、その家族がいる方へ転居して老人ホームへ入居するということも十分考えられます。このような生活の変化は、思っている以上に負担となる場合が多く、地域が違うだけでもなんとなく馴染めない可能性もあるようです。仮に自宅近くの老人ホームへ入居した場合でも、住まいが変わるということは大きな変化となります。

余計に家族に迷惑をかけるような気になる

家族に迷惑を掛けないように老人ホームへ入る高齢者は多いですが、このような考えを持つ優しい方は、結局家族の負担を増やしてしまっていると考える傾向にあります。入居した高齢者の生活が変わると共に、費用の負担や訪問の負担など、確かに家族の負担が増えて生活が変化しているのは同じなのかもしれません。

民間運営の老人ホームについて

では民間運営の老人ホームをより詳しく紹介します。民間運営だからと言って全て同じではなく、様々な内容のサービスが提供されていると共に、入居条件も変わります。知っているようで知らない内容かもしれませんので、是非この機会に民間運営の老人ホームについて知識を増やして、今後に役立ててみてはいかがでしょう。

介護付有料老人ホーム

介護付有料老人ホームの紹介です。文字通り有料老人ホームで介護サービスがしっかり受けられることが理解できますが、どのような内容になっているのでしょう。

入居条件

入居条件は65歳以上の方で要介護度1以上となります。また共同生活になじめる方が入居の条件で、健常者が入居できる混合型の施設もあることから、細かな入居条件は施設によって多少変わります。

介護付有料老人ホームの特徴

一番の特徴は24時間体制で看護や介護を受けられる点が大きく、預ける家族側も安心して任せられる施設です。リハビリ施設などが完備されている場合が多く、その他入居者同士の講習が活発に行えるように、イベントや行事が豊富な点も特徴です。一人で寂しく部屋にこもっているというようなことはなく、新しい人間関係を築いて今までとは違う世界を切り開くこともができます。

健康型有料老人ホーム

民間運営の老人ホームには、健康型有料老人ホームというものも存在しています。あまり馴染みがない施設ですが、どのような入居条件や特徴があるのでしょう。

入居条件

健康型有料老人ホームの入居条件は、60歳以上で自立した方のみが対象となります。基本的には要介護認定を受けていない方が入居できますが、施設によっては要介護認定を受けるようになった場合でも、退去せずそのまま継続して入居できる施設もあるようです。

健康型有料老人ホームの特徴

健康な方で自立した生活ができる場合に利用できる健康型有料老人ホームで、一人暮らしでは不安な方や、家族が遠くに住んでいて何かあった時にいつでも人がいる環境を維持したい場合などに利用されます。健康で自立した生活ができる方が利用できる老人ホームですので、長く入居するケースも珍しくありません。食事の世話や家事の支援なども受けられますので、優雅な老後をのんびり快適に過ごしたい方が入居する場合が多いです。

住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームはどのようなサービスなのでしょう。気になる入居条件はどのようになっているかを、特徴と一緒に紹介します。

入居条件

住宅型有料老人ホームの入居条件は、60歳以上で共同生活になじめる方が対象です。介護が必要な方の入居はもちろんですが、特に介護が必要であることもなく、健康状態に問題がなくても入居可能な施設となります。

住宅型有料老人ホームの特徴

介護が必要な方には適切な介護サービスが提供されますが、そうでなく自立した生活ができる方にも、家事や食事の支援がありますので安心です。快適な暮らしが維持できるように、施設内には売店やトレーニングルームなども充実していて、老後の余暇を満喫して楽しく過ごす方が多いです。個室が設けられていることで、きちんとプライベート空間が用意されている点もメリットとなります。

グループホーム

グループホームという老人ホームの形態を知っていますか。一体どのようなサービスが提供されていて、どんな特徴がある施設なのでしょう。

入居条件

グループホームの入居条件は、65歳以上で要支援2または要介護1以上の認定を受けている認知症にかかっている方となります。

グループホームの特徴

グループホームの特徴は、認知症対応型老人共同生活援助事業と呼ばれていて、家庭に近い環境で入居者の能力に応じてそれぞれが料理や掃除などの役割を持ちながら、自立した生活を送ります。認知症にかかっている高齢者が入居を検討する施設として、一番初めに検討されるのがグループホームです。認知症患者と生活することから、病気に対する知識が豊富で実績があるスタッフがいる施設への入居をおすすめします。また介護を受けることは可能ですが、医療面でのケアを受けることはできませんので、入所前の審査時の体調によっては希望通り入居できない可能性もあります。しかし家庭的な雰囲気で少人数制の科医お施設を探している場合には適した環境です。

サービス付き高齢者向け住宅

民間運営の老人ホームも多種多様であることが分かりますが、サービス付き高齢者向け住宅とはどんな内容なのでしょう。

入居条件

まだ介護の必要はなく、比較的元気で自立した生活を送れる方が、サービス付き高齢者向け住宅に入居できる条件となります。

サービス付き高齢者向け住宅の特徴

高齢者が入居しやすい賃貸住宅という考えで運営されていて、自宅の感覚で過せる点が一番大きなメリットです。まだ介護が必要でなく健康で自立した生活が送れる方でも、一人で暮らす不安や寂しさを抱いているはずです。そのような方がバリアフリー化された住宅で生活できることで、今まで一人住まいで抱えていた不安やストレスから解放される可能性があります。低価格の物件はやはり人気があり、入居が難しい場合もありますが、現在多くの施設が増えているのが、民間運営の老人ホームであるサービス付き高齢者向け住宅です。

公的施設の老人ホームについて

一方の公的施設の老人ホームにはどのようなものがあるのでしょう。また民間運営の老人ホームとは違ったサービスを提供することで、入居者やその家族が安心して生活できる工夫がされているはずです。費用面ばかりを重視されることが多い公的施設の老人ホームですが、どんな施設があるのか詳しく紹介します。

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)

老人ホームの代名詞と言っても過言ではなく、多くの方が聞いたことがある施設名である特別養護老人ホームは、介護老人保健施設とも呼ばれています。入居の条件や特徴を紹介します。

入居条件

特別養護老人ホームの入居条件は、原則65歳以上要介護3以上の方や、長期的な入院を必要としない方です。

特別養護老人ホームの特徴

特別養護老人ホームの特徴は、個室から相部屋、ユニット型個室など多様な入居状況が実現できる老人ホームで、基本的には共同で使用する設備が多く、そのような生活を苦痛と感じない方に適した場所です。安い費用で手厚い介護を受けられるメリットがあるのが特別養護老人ホームですが、医療体制が整っていない場合があります。しかし長期入居者も多く環境を変えずに過ごせることから、入居者の居心地を最優先にして住まいを提供することができます。

介護療養型医療施設

介護療養型医療施設は、公的施設の老人ホームの中でも医療面が充実しているようです。どのような入居の条件や特徴があるのでしょう。

入居条件

介護療養型医療施設の入居条件は、原則65歳以上要介護1以上の方です。また長期的な入院を必要としない方が該当します。

介護療養型医療施設の特徴

入居者100名に対して医師が3名常勤している介護療養型医療施設は、看護師や介護職員はそれ以上の人数を常勤させることが義務化されていますので、手厚い医療や介護が期待できます。しかし相部屋であることが多く、病院に入院している感覚に近い日常生活になる可能性が考えられます。また介護療養型医療施設は廃止への動きが活発化していることもあり、新たな施設の建設が認められていない現在では、入居できる施設を探すのに苦労をするでしょう。

介護老人保健施設

老健と呼ばれる介護老人保健施設は、病院と自宅の中間的な役割を果たす施設とされていますが、一体どんな方が入居の条件とされていて、施設にはどのような特徴があるのでしょう。

入居条件

介護老人保健施設の入居条件は、原則65歳以上要介護1以上の方です。また長期的な入院を必要としない方が該当します。

介護老人保健施設の特徴

理学療法士などリハビリのプロフェッショナルから適切な指導を受けられる介護老人保健施設は、本来入居したい他の形態の老人ホームの空きを待つ時にも活用される施設です。医師や看護師がいることで安心感が大きく、自宅復帰を目指して頑張ってリハビリに励む方が過ごしやすい空間となっています。長期入居が難しいのが特徴である介護老人保健施設は、半年や1年程度で対処するのが一般的です。個室から相部屋タイプまで多種多様のスタイルから選ぶことができますが、費用を抑えて入居を希望する場合は相部屋タイプの部屋がおすすめになります。

養護老人ホーム

養護老人ホームは、生活保護を受けている方や低所得者が対象となる公的施設の老人ホームです。入居の条件と特徴について紹介します。

入居条件

養護老人ホームは、65歳以上の自立した方が入居できる施設です。要介護認定を受けている方は対象外となります。

養護老人ホームの特徴

養護老人ホームは、設備に基準が設けられていることから、入居する方が確実に快適な死活を送れることが期待できます。特別養護老人ホームを併設している場合がありますが、医療スタッフの人員基準もあり、安心して入居できます。しかし生活に苦しむ方を対象とした施設である養護老人ホームは、介護保険施設ではありませんので、食事や日常生活の支援などが受けられる場所であると考えるのが良いでしょう。

シニア向け分譲マンション

分譲マンションの中にもシニア向けのものがあるようです。どのような物件なのでしょう。

入居条件

シニア向け分乗マンションは、入居に関する年齢制限はなく、自立した高齢者の方が対象となります。しかし軽度の要介護は問題ありませんが、認知症と認定されている場合は入居できません。

シニア向け分譲マンションの特徴

シニア向け分譲マンションの特徴は、通常のマンションと同様ですが、シニアが過ごしやすいように工夫されている点が多く、生活の支援や介護に関するサービスを受けることができます。一般的な分譲マンションは若い世代が多いですが、シニア向けの物件ですと交流する仲間が同世代である可能性が高く、今まで以上に交流の輪を広げることができます。物件によって内容に差が大きいのも特徴で、プールやトレーニング施設などが共同で使用できるようになっているシニア向け分譲マンションもあり、住まいの中であらゆることが済ませられる便利さがあります。

老人ホームを選ぶ際のポイント


マンションや一戸建て住宅など住まう場所を探す時と同様に、大きな決断をする必要がある老人ホームですが、入居先を決める基準はどのような点にあるのでしょう。

費用面についてしっかり把握しておく

公的施設の老人ホームは民間運営の老人ホームに比べて多少は安い金額で入居することができますが、毎月決まった金額の費用を納めるということは、それなりに金銭的な余裕があることが条件となります。入居する方が全て支払う場合には、現役時代の退職金や今の住まいを手放すなど、様々な決断をして入居先を決める必要があります。実際にいくらまで用意できるのかをきちんと把握しておくことによって、自分がどのタイプの老人ホームなどの施設を選べば良いかが明確になります。

周りの家族の考えだけで決めてしまわない

老人ホームを決める際に多いのは、入居する方の思いではなく周りの家族の考えで決められてしまうことです。確かに定期的に顔を出すために訪問する際には、少しでも自宅に近い場所が良いとは思いますが、違う地域に住んでいた場合には、実際に入居する高齢者が環境を大きく変えて老人ホームへ入ることになるかもしれません。できれば今まで住んでいた場所の近くで老人ホームを探したいと考える高齢者は多くいますが、結局は家族の意見が尊重されることも珍しくありません。費用の話し合いの時に、入居者本人の希望をしっかり聞いてから、施設探しをすることが非常に重要です。希望に合わない施設を選んだ場合には、入居者に悪影響が及ぶ可能性も高まってしまいます。

ホームページやパンフレット情報のみで決めない

全ての施設が該当する訳ではありませんが、ホームページやパンフレットに掲載されている情報だけを信じて決めてしまうのはあまり好ましくありません。多くの老人ホームでは、見学会や説明会を定期的に開催していて、実際の施設の様子を自分の目で確かめることができます。また個別でも対応していますので、契約前には現地へ訪問して良く調べてから決めるのがおすすめです。この時には家族と入居者本人が一緒に行って良く調べると良いでしょう。施設によっては、実際に宿泊体験ができるケースもあるので、積極的に活用してみてはいかがでしょうか。

1か所で決めない

複数の施設のパンフレットを取り寄せて見学するようにしますと、それぞれの良さや気になる点など色々なものが見えてきます。どうしても気に入っている老人ホームがあって、1か所で決めてしまう方もいますが、複数箇所を比較検討することをおすすめします。また、前述した通り、パンフレットだけでなく、面倒でも実際に見学をしておくとより、入居者の希望にあった施設が見つかるでしょう。

まとめ

いかがでしたか。老人ホームの種類が沢山あり、それぞれに特徴が異なることも分かりました。それぞれに良さがあり、入居する方向けに工夫されている老人ホームですが、入居者本人の思いを第一に考えて、思い通りの施設選びをするのが理想です。是非参考にしてみてはいかがでしょうか。

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