相続税の基礎控除額計算方法!相続税が掛かるか確かめよう!

遺産相続が発生した時に、遺産が相続できると素直に喜ぶ人は、あまりいません。それより心配してしまうのは、相続税がいくらかかるか、相続した財産が少ないので相続税を払ったら大変だ、ということの方です。相続が発生すると、誰がどのくらいの割合で遺産を取るのかでも、争いごとになりやすくなります。そんな時に税金と思ってしまいますが、相続税の税額を低くすることができます。相続税の税額を低くしたい方は、相続税の基礎控除について、計算方法などについて知っておくことがおすすめです。

相続税の基礎控除とは?


まず、最初に相続税とは、亡くなった人の財産を受け継いだ場合、その財産に課税される税金のことです。相続税は相続した全員に課税されるのではありません。全員に課税された場合、手元に何も残らない人も出てきてしまうため、課税される相続の財産の金額が、相続税の基礎控除を超える場合にだけ課税されるようになっています。つまり相続財産が基礎控除額より少ない場合は、非課税となるので、相続税を納める必要はありません。基礎控除額は度々改正されています。最近から数えると、平成27年・平成15年・平成6年・平成4年・昭和63年と改正されています。平成26年12月31日までは、一部のお金持ちしか相続税を納める対象にはなりませんでした。しかし、平成27年1月1日に基礎控除額が改正され、結果的に基礎控除額が下がりました。そのため、改正される前より多くの人が相続税を納める対象となったのです。

基礎控除額の算出方法

基礎控除額の算出方法は、相続が発生した年月日、つまり亡くなった年月日によって違います。相続税を申告する日が基準となっていないので、勘違いしないようにしましょう。亡くなった日が、平成26年12月31日以前なのか、平成27年1月1日以降なのかによって、全く基礎控除額が違ってきます。例えば、平成26年8月1日に亡くなっていて、平成27年2月20日に申告を行ったケースは、亡くなった日が平成26年12月31日なので、改正前の基礎控除額の算出方法に従って計算をします。

基礎控除額の算出方法で計算をするには、法定相続人の人数が必要になります。しかし、法定相続人の人数だけ分かれば簡単と思いますが、相続税法ではある制限を設けています。制限を設けている理由は、意図的に法定相続人の人数を増やして、基礎控除額を上げることを防ぐためです。その制限とは、実子がいない場合の養子の人数や、相続放棄した人がいる場合の人数になります。

平成26年12月31日までの算出方法

基礎控除額の算出方法ですが、平成26年12月31日までの算出方法は、基礎控除額=5,000万円+1,000万円×法定相続人の数となっています。なお、平成3年は基礎控除額=4,000万+800万円×法定相続人の数でした。平成3年は日本が最も好景気のバブル期でしたが、バブルが崩壊したにも関わらず、相続税の基礎控除額はどんどん上がっていって、しばらくそのままでした。相続されるもので多い不動産で重要になる地価は、バブル崩壊後は半分に下がったのに、相続税の基礎控除額が上がったために、相続税を納める人の数が少なくなったというわけです。結果として、国にとって相続税の税収が減っていくことになり、そのままの状態だと、相続税の意味がなくなることにもなりかねません。この改正は相続税をあるべき姿に戻すことが狙いだと言えます。

現在:平成27年1月1日からの算出方法

現在の基礎控除額の算出方法は、平成27年1月1日から改正されました。算出方法は、基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数となります。法定相続人が5人だった場合は、以前の算出方法だと1億円でしたが、現在だと6,000万円まで下がることになります。もっと具体的な例を挙げると、相続財産が1億3,000万円あったとするケースでは、3,000万円+600万円×3人=4,800万円になります。基礎控除額の算出方法に従って計算すると、1億3,000万円-4,800万円=8,200万円という結果になります。改正前は、1億3,000万円-8,000万円=5,000万円という、基礎控除額でした。つまり改正前と比較すると、3,200万円増額されたわけです。改正前後では全く金額が変わるので、相続が発生した日をしっかり確認の上、正しい算出方法で基礎控除額を計算する必要があります。

基礎控除額の減額で相続税対象者が増えた

基礎控除額の算出方法が改正されたことにより、基礎控除額が減額になり、相続税対象者が増えました。税理士法人タクトコンサルティング調べでは、相続税対象者が全国平均で4%から6%へ、増えたというデータもあります。東京23区に至っては、4人に1人が課税されるという試算もあります。

2015年つまり、改正が行われた最初の年、平成27年の申告状況を見てみると、亡くなった人のうち、相続税の対象となった課税割合は8%で、前年の4.4%よりも、3.6%増加しています。相続を受ける被相続人の数は129万人、前年は127万人で、少しだけ増加しています。被相続人の数はわずかに増加していますが、相続税の課税対象となる被相続人は10万3,000人、前年は5万6,000人で、大きく増加したことが分かります。東京では、どうして課税割合が高いのかというと、所得や土地の評価額が高いため、全国と比較して、課税割合が高くなってしまうからです。

基礎控除額の算出での注意点は法定相続人の数え方

基礎控除額は法定相続人の数で決まるため、算出するためには法定相続人をきちんと数える必要があります。相続人の数え方は、民法の規定で決まっています。

法定相続人になれるのは、配偶者・子供・父母・兄弟姉妹のどれかになります。その中で第1順位は配偶者・子供、子供がいない場合は父母が第2順位になります。子供も父母も死亡している場合は、被相続人の兄弟姉妹が第3順位で法定相続人になることができます。基本的にこの民法の規定に従って法定相続人を決定しますが、特別な例もあります。相続の放棄があっても法定相続人の数は、放棄前の数を適用するケース、養子がいる場合の法定相続人の数え方、養子がいる場合で被相続人に実子がいる・いないケースなどの例です。ここではその法定相続人の数え方で特別なケースを紹介しますので、参考にしてみてください。

相続の放棄があったとしても法定相続人の数は放棄前の数を適用

法定相続人の中で誰かが、相続の放棄をしたとしても、法定相続人の数は放棄前の数を適用することになります。例えば法定相続人が3人だとして、1人が相続放棄をしても、基礎控除額は3,000万円+3人×600万円=4,800万円となります。これは税法で同じ考え方をしてしまうと、基礎控除額を計算する時に操作できる可能性が出てきてしまうため、認めていないからです。税法では、全員か誰か1人を相続放棄してもしなくても、相続が発生した時の法定相続人の数で、基礎控除額を計算します。そのため基礎控除額を計算する時は、相続権を放棄する人が出てきた場合でも、相続が発生した時点の法定相続人の数で計算することを覚えておいてください。

養子がいる場合の法定相続人の数え方

被相続人に養子がいる場合の法定相続人の数え方も、民放と税法で数え方が違ってきます。民放では養子が何人もいたとしても、その養子の全員が法定相続人と数えます。しかし、この場合、際限なく民放の考え方をしてしまえば、相続税を操作できるようになってしまうため、税法では養子の数を制限しています。ここでは税法の数え方で、被相続人に実子がいる場合と、被相続人に実子がいない場合を紹介したいと思います。しかし、養子によっては、法定相続人の規定上は実子と同じ扱いになり、養子の数の制限を受けないからです。それは、特別養子縁組で養子になった人・被相続人の配偶者の実子で被相続人の養子となった人・被相続人と配偶者が結婚する前に、配偶者の特別養子縁組で養子になった人で、結婚後に被相続人の養子となった人・実子か養子、その直系卑属(子・孫・ひ孫)が相続開始以前に亡くなり、相続権を失い民法の規定で相続人となった人の直系卑属などです。

被相続人に実子がいる場合

被相続人に実子がいる場合、または実子がおらず、養子が1人の場合は、法定相続人に含めることのできる養子の数は1人までとなります。先ほども出てきた特別養子縁組ですが、どうして実子として扱われるのでしょうか。まず、特別養子縁組とは、養子となる人の実の親との親子関係を消滅させて、新たに養親と親子関係を持つという意味になります。実の親子関係を消滅するという大きな変更点があるので、特別養子縁組をするには厳格な手続きが必要になります。特別養子縁組は、縁組をする意思が両方にあるということだけでは、認められません。養親となる人が家庭裁判所に請求して、裁判所の審判によって認められれば、成立となります。つまり特別養子縁組で実子扱いになれば、実の親子関係を継続したまま養子になれる普通養子縁組の養子は、1人までということになります。複雑すぎるパターンになるので、あり得ないかもしれませんが、規定ではそれも考えられます。

被相続人に実子がいない場合

被相続人に実子がいない場合は、法定相続人に含めることのできる、養子の数は2人までとなります。制限が設けられているのは、相続税を安くする目的で、法定相続人を増やさないためです。制限で規定されている、1人や2人の養子の数を法定相続人にしても、相続税の負担を不当に少なくさせる結果と認められた場合、1人や2人でも法定相続人に含めるとはできません。例えば、実子がいない夫婦が、自分の財産や事業を続けてもらうために養子をもらう場合です。事業を続けていくためには夫婦の養子をもらうことも考えられます。よくある話では、夫婦に実子がいても娘しかいない場合は、娘の結婚相手である人を婿養子に迎えるということがあります。しかし、結果的に相続税の負担を減額させると、税務署長が判断すれば、該当する養子の数を、法定相続人の数に数えずに計算するという、認定裁量権を行使できます。

実際に基礎控除額を計算してみよう


これまで、様々な決まりなどを紹介してきましたが、実際に基礎控除額を計算してみましょう。実際に計算すると、分かることもあるので、具体例で計算してみてください。なお、相続財産は、どのように評価されるのかというと、様々な規定があります。例えば、現金は被相続人が亡くなった時に解約した場合の手取り金額、亡くなる前に引き出した預金が、相続財産に計上されます。有価証券は、上場株式の場合は、課税時期の終値・課税時期の月の毎日の終値の平均値・課税時期の月の前々月の毎日の終値の平均値の中で1番低い価格で、評価されます。非上場の株式の場合は、配当還元方式・原則的評価方式で評価されます。その他にゴルフ会員権は、課税価格の取引価格の70%で、プレー権だけのゴルフ会員権は評価に値しません。他には金・プラチナ、土地、建物、生命保険などがあります。以上のように評価の内容は、事細かに決まっています。

夫(相続財産5,000万円)がなくなり妻と実子3人がいる場合

夫がなくなって妻と子供がいる、というのは世間では最も多いパターンかもしれません。それでは実際に計算してみましょう。例えば、夫(相続財産5,000万円)がなくなり、妻と実子3人がいる場合は、4人とも法定相続人となります。基礎控除額を計算すると、「基礎控除額=3,000万円+600万円×4=5,400万円」という計算になります。つまり、基礎控除額5,400万円が、相続財産5,000万円を上回るため相続税は掛かりません。これは相続控除額を超えた金額が、1,000万円以下は、税金控除額はなしとなる速算表から、素早く判断することができます。相続税が全ての人に掛かったとしたら、相続分が全くないことにもなりかねません。そのため基礎控除を超えた金額によって、税金がかかる・かからないということが決めているのです。

夫がなくなり妻と実子1人、養子2人がいる場合

夫がなくなり妻と実子1人、養子2人がいる場合は、実子が1人いるため、養子のうち1人しか法定相続人となることはできません。基礎控除額を計算すると、「基礎控除額=3,000万円+600万円×2=4,200万円」で、相続財産5,000万円のため800万円が相続税の対象となります。養子はお互い同意しているものなので、トラブルになることは、少ないですが、隠し子・非嫡出子の場合は、トラブルが多く発生しています。生前に隠し子を認知していた場合、大体は家族には知らせずに行うため、亡くなった時に戸籍を取得して分かった、というパターンが多いそうです。2013年以前では、非嫡出子は実子の嫡出子に対して、相続分は1/2とされていて、同じ扱いではありませんでした。そのため、非嫡出子と嫡出子の間で、トラブルが起きていました。しかし、2013年に民放が改正され、相続分の差がなくなったのです。とにかく隠し子でも認知されている場合、法定相続人の権利があることになります。

夫がなくなり妻と養子3人がいる場合(実子はいない)

夫がなくなり、妻と養子3人がいる場合(実子はいない)、実子がいないため養子のうち2人が法定相続人となります。計算すると「基礎控除額=3,000万円+600万円×2=4,200万円」、相続財産5,000万円のため800万円が相続税の対象となります。このケースでは容姿が3人いて、被相続人に実子がいない場合で、法定相続人に含めることのできる、養子の数は2人までとなるためです。なお、基礎控除額以外には、暦年課税分の贈与税額控除、配偶者の税額軽減などが用意されています。

基礎控除が計算できたら相続税を算出


基礎控除額が計算できたら、相続税を算出していきましょう。例えば、先ほどの例で言うと、800万円が課税の対象となる場合、相続税率は10%であるため80万円が相続税となります。上記の速算表を見ると、一目でわかるので、簡単に算出することができます。相続税は法定相続人の割合に応じて、人数分で分け合うことになります。この法定相続人の割合は、民放で定められているものです。全ての人が法定相続分で、遺産の分割をしなければならない、というわけではありません。同じ相続人同士の遺産分割協議で、合意しない場合や、相続税額を求める場合には、法定相続分が目安となります。

まとめ

相続税について家族で全く考えていなかった、という人は多いのではないでしょうか。この記事では、相続税の基礎控除額の計算方法や、そもそも相続税がかかるのかどうか、などについて数多くの情報を紹介してきました。今まで相続税のことを考えていなかった人も、家族で話し合ってみてはいかがでしょうか?家族が元気で過ごしているうちに、相続税について話し合っておけば、亡くなった後で、相続税に困らないように対策を立てることができるからです。

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