代襲相続とは?どこまでが相続人になる?

代襲相続という言葉は、初耳だという人は多いのではないでしょうか?これは財産を遺す側の被相続人が亡くなった時に、本来相続人になるはずの人が先に亡くなっていた場合に、その子供や孫やひ孫などの子孫が、その人に代わって相続人となる制度になります。最近ではずいぶん高齢化社会が進んでいて、親より子が先に亡くなっていることもあります。そんな時に誰がどのくらい相続できるのか、代襲相続はどこまでなのか知る必要がありますので、説明していきたいと思います。

代襲相続とは?


代襲相続とは、被相続人の子が亡くなり、その子(被相続人の孫など)が代わりに相続人になることです。亡くなった人の財産は、本来相続するべき人が亡くなった場合、下の世代に相続されていくことが、代襲相続の基本の考え方になります。代襲相続が発生するためには、相続人となるはずだった人が、ある理由により相続権を失っているという条件が必要となります。その理由には、死亡・相続欠落・廃除があります。なお、相続放棄は代襲相続が発生する原因にはなりません。

再代襲相続とは?

再代襲相続とは、被相続人の子も孫も両方亡くなっている場合、「ひ孫」が相続人となりどこまでも下の代まで代襲して相続をしていくことを意味しています。再代襲相続は相続発生の前に「子」が亡くなっている場合に発生します。つまり、相続人が兄弟姉妹の場合には発生しないことになります。代襲相続は兄弟姉妹が相続人でも発生しますが、現行の民法では再代襲相続の場合は発生しません。

相続の順位について

相続の順位は、相続する上で最も重要なルールになります。故人の大切な財産を受け継ぐにも、人の数だけ家族のあり方は様々ですので、決まった相続の順位に従う必要があります。なんとその相続のパターンは55種類ほどあります。やはり家庭の事情が複雑になればなるほど、パターンは増えていくようです。例えば、妻と子と愛人、認知された子の場合や、内縁の妻と子の場合、相続放棄した子に子供がいる場合などがあります。その中の基本的な順位などについて、かいつまんで説明していきたいと思います。

配偶者は必ず相続人になる

亡くなった人、つまり被相続人に夫や妻などの配偶者がいる場合は、配偶者が必ず相続人になります。これはどんな場合でも、配偶者は相続人となることが民法で定められています。法定相続分で定められた遺産分割の順位は、第1順位~第3順位まであります。その法定相続人と配偶者相続人の相続の割合は、配偶者相続人の方が多い傾向となります。例えば、子や孫と配偶者では配偶者が2/1、子は2/1、父母・祖父母と配偶者では配偶者が3/2、父母・祖父母が3/1となります。

配偶者の他、第1~3各順位で相続人となる

先ほども相続人の割合で説明していますが、相続人は配偶者に加えて、第1~3各順位で相続人となります。このように配偶者は相続順位に関係なく、常に相続人となります。第1~3順位の相続人の決まりがあるので、それに則って、相続人となります。その相続人が亡くなったりしていると代襲相続が発生し、孫・甥・姪も相続人になることができます。また、生前贈与があったら、贈与された分も相続時に考慮されます。次の項目では第1~3順位について説明します。

第1順位の相続人

相続順位が代順位の相続人は、相続人の子となります。もしも、子が死亡しており孫がいるのであれば、その孫が相続人となります。第1順位という意味は、子などの他に父母や祖父母、兄弟姉妹がいたとしても相続権は、その人達にはなく、血族相続人の中で子だけが優先して相続できるという意味になります。相続人となる子は、実子・普通養子・嫡出子・認知済みの非嫡出子、死産を除く胎児です。相続人とならない子は、婿や嫁の義理の子・配偶者の連れ子・他家に特別養子縁組として出した子になります。

第2順位の相続人

第2順位の相続人は、第1順位直系にあたる相続人がいない場合、被相続人の父や母、祖父や祖母などになります。なお、子が全員相続放棄している場合も、同じく被相続人の父や母、祖父や祖母などになります。父や母、祖父や祖母の直系尊属の中では、親等の近い直系尊属が優先的に相続人になります。なお、義理の父母である、舅や姑は相続人にはなれません。

第3順位の相続人

第3順位の相続人は、第2順位直系の相続人もいない場合、被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。第1順位、第2順位の方がいる場合、第3順位の方は相続人になることはできません。その兄弟姉妹がすでに亡くなっている時は、その人の子供である甥や姪が相続人となります。第3順位の下の世代に引き継ぐことは、1度のみとなるので、甥や姪の子供がいた場合でも、下の世代に引き継ぐことはなくなります。

第2順位で代襲相続は発生する?

第2順位で代襲相続は発生するのでしょうか?被相続人の父母が死亡している場合は、被相続人の祖父や祖母などが相続人となりますが、代襲相続とは呼びません。もしも、代襲相続があるとなった場合、先に亡くなった父に代わり、祖父や祖母が相続人になってしまいます。民法では父母が2人とも相続権を失わないと、祖父や祖母に相続権が移動しないと決められていて、母と祖父や祖母が3人同時に相続人となることはありません。

第3順位で兄弟姉妹が死亡している場合再代襲はない

第3順位の被相続人の兄弟姉妹が死亡している場合は、被相続人の甥や姪が相続人となりますが、さらに甥や姪の子供は相続人にはなりません。兄弟姉妹が被相続人より、先に亡くなっている場合の代襲相続は、甥や姪の1代限りとなります。兄弟が相続人となる場合を想定した民法が代襲相続の規定を準用していますが、再代襲相続の規定は準用していないため、1代限りとなります。なお、相続案件が昭和23年1月1日から昭和55年12月31日までに発生している場合、旧民法が適用となるので、再代襲相続が適用となります。

養子の場合も代襲相続は発生する?

亡くなった人の実子でなく、養子の場合も代襲相続は発生するのでしょうか?民法では、被相続人の子の子でも、被相続人の直系卑属(子や孫)でない者につき、代襲相続を否定しています。養子でも代襲相続がされるかされないかは、被相続人の直系卑属でない者と判断されるのかが問題となります。つまり、養子でも代襲相続されるようにするには、直系卑属であることが必要になります。また、直系卑属や養子縁組の前に生まれたか、後に生まれたかなど、養子の代襲相続については様々な注意があります。

被相続人の「直系卑属」であることが必要

養子が代襲相続されるようになるためには、被相続人の直系卑属と認められることが必要です。その直系卑属について、養子縁組後に生まれた子の場合、養子縁組前に生まれた子の場合について、説明していきたいと思います。

直系卑属とは

直系卑属とは、子や孫など基準とする者から見て、下の世代の血族で、直通の系統にある者のことを言います。直系には血のつながりのある自然血族と、養子縁組で法律上血縁がある法定血族があります。こういった血族の関係があって、子孫へ一直線の系統を直系卑属と言い、子・孫・ひ孫・やしゃごのことと、養子縁組の養子も対象となります。

養子縁組後に生まれた子の場合

養子縁組後に生まれた子の場合は、養親との法定血族関係と認定され、代襲相続は発生するようになります。法令では縁組による親族関係の発生を定めていて、「養子と養親、その血族との間においては、養子縁組の日から血族間におけるのと同一の親族関係を生ずる」とあります。結果として養子縁組の日以降は、養親と養子は血族同士となり、親子関係となります。つまり養子縁組後に生まれた子については、養親と法定血族関係が発生するようになります。

養子縁組前に生まれた子の場合

それでは養子縁組の前に生まれた子の場合は、養親との法定血族関係とはならないため代襲相続も発生しなくなります。これは法令で定められた条件を満たさないためで、養親との関係で直系卑属とはなりません。養子が代襲相続の決まりが適用されるには、養子縁組の前か後かによって、全く結論は違ってきます。

代襲相続の遺留分とは?

代襲相続の遺留分とは、遺言の内容に関わらず、一定の相続人に最低限の遺産の取り分を保障する制度になります。例えば父親が長男に全財産を譲ると遺言を遺した場合、配偶者の母親・兄弟が一切財産を相続できないことは、かなり不公平です。こんな不公平な事態を避けるために設けられた決まりが、代襲相続の遺留分です。

遺留分とは?

先ほども説明しましたが、遺留分とは最低限受取れる相続分のことになります。被相続人の遺言でも、この遺留分は自由に変更することはできない決まりです。なおこの遺留分が認められる人として、配偶者・直系卑属(子や孫)・直系尊属(父母や祖父母)を定めています。なお、被相続人の兄弟姉妹には遺留分の保障はありません。

代襲相続は第1順位になる

配偶者と代襲人の場合は、配偶者の遺留分は1/4、代襲人の遺留分は1/4となります。なお、代襲人のみの場合の遺留分は、1/2となります。代襲相続の遺留分の計算は、基本的に非代襲者の割合と同じ計算になります。代襲者が何人かいる場合は、人数で割って計算する形になります。

まとめ

亡くなった人の大切な財産を誰に遺すか、財産をどうするかは重要な問題です。ここでは代襲相続について説明してきましたが、代襲相続の制度を知らなかった人も、基本的なことを分かっていただけたでしょうか?複雑な事情がある場合は、法律のプロである弁護士などに相談して、問題を解決してもらうしかありませんが、代襲相続について基本的なことを知っておけば、万が一何かあった時に強いので、この記事を役立ててみてください。

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