遺言書の書き方と必ず知っておくべき注意点とは?

ドラマや映画などでも登場するシーンを見かける遺言書ですが、実際にはどのような内容で書いているのかなど、詳しいことを知らない方が多いかもしれません。特別な必要性を感じていない方でも、知っておいて損がない遺言書について詳しく紹介しますので、是非参考にしてください。

目次

遺言書とは?


遺言書とは、故人が遺された家族が相続する際に揉めること無く円滑に話が進められるように、事前に意思を表示できる文書です。遺された家族同士が遺産相続をきっかけに険悪な関係なることも珍しくないので、分配の仕方などを細かく明記する必要があります。

どんな人でも用意した方が良いの?

沢山の不動産を所有している方や相続する遺産がある方は、遺された家族の為にも遺言書を事前に作成しておくのがおすすめです。また特別遺された家族に分け与えるようなものが無い方や後継ぎがいない場合には、エンディングノートを作成して亡くなった後のことで気になることを書き留めておくと良いでしょう。

自分一人で完成させられる?

弁護士や司法書士に相談して進めるのが理想ですが、自分一人でつくることも可能です。最近では専用アイテムなども販売されていて、人に頼らず完成させることもできます。しかし正しい書式で掛かれていない遺言書は無効になりますので、自分で仕上げて保管しておいても、いざという時に開封したら効力を持たない遺言書であった…というケースが実際に多くあるようです。遺された家族に迷惑を掛けないためにも、最終的には専門家に相談することも検討するのがおすすめです。

遺言書の作成方法

では実際に遺言書を作成する場合、どのような方法で作成するのでしょう。段階を経て説明しますので参考にしてください。ちなみに何でも自分の思いを自由に書くことが遺言書ではなく、民法の定めた方式に従わないと無効になるので注意して作成するのがおすすめです。

遺言の内容、日付、遺言者の署名

初めは一番大切な遺言の内容になります。ある程度下書きなどをして、何をどのように書くか決めてから清書として記載した方が安心です。日付は作成した日にちを記入し、遺言者の署名をフルネームで記入します。

日付を明記

作成日を記載します。日付が記載されていない物は無効になりますので必ず記入するのがポイントです。

署名・押印

署名をして押印をします。人に依頼して書いてもらうなどすると、遺言書が無効になりますので、必ず自筆で記入しましょう。

加除訂正をする場合は決まりがある

書き加えたい項目ができた時や、取り消ししたい内容が発生した場合の加除訂正は、正しい方法が法律で定められていますので、その方法に従って行います。訂正箇所は二重線で消します。この際訂正前の記載内容が見える程度の二重線が好ましいでしょう。その後正しい文字をその脇に書いて、訂正した箇所に押印した時と同じ印鑑を使用して訂正印を押します。最後に遺言書の余白に、訂正した箇所とどのように訂正したのかを記載して押印します。

封筒に入れて封印する

遺言書の作成が完了した段階ですぐに封筒に入れて封印してしまいましょう。そのまま置いた状態にしておくことで、他の誰かに手を加えられるなどのトラブルに繋がります。封印する際の印鑑は、遺言書作成で使用した印鑑と同じものが良いでしょう。

封筒に記載することと遺言書のコピー

遺言書が入っている無地の封筒では、他の書類との区別が難しくなります。そこで表書きには遺言書である旨と氏名を記載して、裏側には自分が亡くなったあと、未開封のまま家庭裁判所へ持参して欲しいという思いを記載しておくと安心です。また作成した遺言書は、コピーをとって保管しておくと、どんな内容で遺言書を作成したかがその場で思い出せます。

遺言書の注意点と知っておくべきこと

遺された家族のその後の人生にも大きく関わる遺言書には、数々の決まりがあり注意点があります。作成時の参考にしてみてはいかがでしょう。

民法の定めた方式に従わないと無効になる

遺された家族が分かれば良いので自由に書きたい気持ちも理解できますが、正しい書式通りに作成されてない遺言書は無効になりますので気を付けましょう。

曖昧な表現を使わない

「大体○○円ぐらい」「半分ずつぐらい」など分かりにくい表現はトラブルの元となります。誰が見ても明らかで分かりやすい表記で記載します。特にお金のことは明確に表現しましょう。

不動産相続の場合は登記簿謄本通りに!

不動産物件の住所は、登記簿謄本の表記に合わせた正しい住所の記載が求められます。「〇-〇-〇」ではなく、「〇丁目〇番〇号」のように、正しい記載をしていない不動産物件の場合、適正な遺産の相続手続きができなくなります。

預貯金は金融機関の支店名や預金の種類、口座番号まで正確に!

預貯金について記載する場合にも注意が必要です。金融機関名は勿論ですが支店名や預金の種類、口座番号も正しく記載する必要があります。

遺言執行者を指定しておくことがおすすめ

遺言執行者を弁護士や司法書士などに依頼しておきますと、更にトラブルがなく進められます。個人で作成することも可能な遺言書ですが、作成の段階から弁護士や司法書士等に相談するケースも多くあります。細かな手続きも多いので、信頼できる専門家を探して遺言執行者として遺言に定めておくと安心です。

遺言の撤回や取り消しは自由にできる

一度書いたことを変更できないイメージがある遺言書ですが、撤回や取り消しは何度でも自由に行えます。作成した時の気持ちとは考えが変わることはいくらでもあり、特に早めに用意しておきますと、時の経過と共に考えが変わります。そのような時でも遺言内容は変更できますので安心です。

例えばこのような遺言は無効となるので注意を!

では、実際にどのような遺言が無効になってしまうのでしょう。いくつか例をあげて紹介していますが、どの方法もやってしまいそうな行動やミスが多いので十分理解しておくと良いでしょう。

パソコンで作成された遺言書

手書きで長々と書き留めるのも大変な遺言書ですが、パソコンで作成されたものは無効です。理由は明確で、誰でも本人に代わって作成できてしまうからです。署名の部分を自筆ですれば良いのでは?と思ってしまいますが、その方法も無効とされていますので注意しましょう。

他人に書かせた遺言書

パソコンがダメだったら代わりに誰かに書いてもらいたいという考えの場合、もちろん本人の自筆でないので無効です。

日付が入っていない遺言書

記載することが多い遺言書ですので忘れてしまうことが多い日付ですが、必ず記載しないと日付がないことだけで全てが無効になります。

動画での遺言

文章にまとめるのが面倒なので、カメラに向かって遺言内容をしゃべる動画での遺言ですが、こちらも無効になります。一見すると本人が口にしている言葉が証拠して残るので利用できる遺言方法と思われますが、動画での遺言は無効ですので十分気を付けましょう。

遺言書の効力は?

それでは遺言書に各項目を記載することで、どのような効力があるのでしょう。一つずつ紹介しますので、是非参考にしてください。

相続分の指定や廃除

遺言書があることによって指定や廃除を自由に決められます。

遺産分割方法の指定

遺産分割方法の指定も遺言によって行うことが可能ですが、遺留分という制度の存在がありますので、その範囲を超えた指定への効力はありません。

相続財産の処分

相続財産の処分は、遺言書の効力が存分に発揮されます。よって寄付などを希望する場合には、遺産の使い道としてしっかり記載しておきましょう。

遺留分減殺方法の指定

遺留分減殺請求手続きによって、権利分財産は取り戻せますので、遺言書の効力は十分発揮されます。

相続人相互の担保責任の指定

相続人相互の担保責任の指定は、遺言書の記載によって行えますので、漏れのないように記載するのがおすすめです。

遺言執行者の指定または委託

弁護士や司法書士を遺言執行者として指定することは、遺言書に記載することで効力が活かされます。当人同士では難しい解決策をアドバイスするなど、専門家の存在は円滑な遺産相続の話し合いに不可欠です。

遺言書の種類

遺言書には3つの種類が存在しています。自筆証書遺言と公正証書遺言、更には秘密証書遺言があります。それぞれにどのような違いや特徴があるのでしょう。詳しく紹介しますので、今後作成を検討している方は是非参考にしてください。

自筆証書遺言

文字通り自筆で作成する遺言です。署名や日時だけでなく、遺言内容も自分で記載して作成します。手間も費用も掛からず作成できる自筆証書遺言ですが、効力といったことを考えますと、他の作成方法よりも弱いとされています。

公正証書遺言

こちらも文字通り公証役場で公証人に作成してもらう遺言書で、何より作成後に公証役場で遺言書を保管してもらえる安心感は大きなメリットです。証人を二人設ける手間や高額である費用を考えますと、悩む方も多いかもしれませんが、確実な方法で遺言書を作成したい方に最適な方法となります。

秘密証書遺言

遺言の内容を明かさずに遺言書の存在を公証役場で認めてもらうのが秘密証書遺言です。自筆証書遺言と公正証書遺言の間にある存在で、それほど厳粛ではないけれどある程度しっかりした内容で保管しておきたいという方におすすめです。

特別方式の遺言書もある!

危急時遺言と遠隔地遺言という二つの特別方式の遺言を知っていますか。一体どのような内容で、どんな状況で活用できるのでしょう。

危急時遺言

未来が分かる人などいませんので、遺言を前もってしっかり準備しておくケースよりも、自分の健康に自信があり、何も備えていない人の割合の方が多いのかもしれません。このように急な病気などで、取り急いで自分の遺志を伝えなければいけない場合、法律では危急時遺言という制度を設けていて、緊急事態に備える形式が備わっています。

遠隔地遺言

一方の遠隔地遺言ですが、やむを得ない事情で遠隔地にいる方が行う遺言の方法で、交通が遮断されるほどの災害時や、船舶や旅客船などで移動している際にもこの方式が採用されます。何が起こるか想定できないことが多いことから、遺言にも急な事態に備えた柔軟な対応措置が組み込まれています。

遺言書キットもある!

ここまで遺言書について沢山紹介しましたが、遺言書キットの存在を知っていますか。自力での作成は難しいと思われる遺言書ですが、便利な遺言書キットを活用することで、想像以上にクオリティの高い遺言書が作成できるかもしれません。是非参考にしてください。

遺言書キットの商品紹介

<ポジティブ意見>
■書きやすい
■財産が少ない人でも活用できる
■割安で良い
■手軽に終活に役立てられる

<ネガティブ意見>
■記入例が少ない
■自分にあった遺言を書くのに苦労する
■安いだけに買っただけで満足してしまう
■分かりにくい

堅苦しいイメージがある遺言書ですが、初めての方でも気軽に作成できるのが遺言書キットの特長で、家族への思いを改められるアイテムです。何より自分が亡くなった後に、遺された家族の関係が遺産によって複雑化してしまうケースが一番つらいはずです。この遺産キットで自分の思いを書き記しておきますと、スムーズに話し合いが進められます。

遺言書キットを活用するメリット

今までの自分を振り返るきっかけにもなる遺言書キットは、家族に遺せる遺産について考える時間や、家族一人一人の顔を思い浮かべながらメッセージを残すなど、今まで設けたことがないような充実したひと時を感じられます。

遺言書キットならではの特典

自己流での作成は、無効になる可能性が高い書式などのミスが発生してしまいますが、この遺言書キットを利用することで、ガイドを見ながら正確に作成することができます。自分一人で仕上げるのも良いですが、夫婦や兄弟姉妹、友人同士などであれこれ話をしながら楽しく作れるのもこの商品ならではです。

相続人が亡くなった後の遺言書のルール

相続人が亡くなってしまった場合、遺言書には様々な決まりやルールがあります。一体どのよう合手続をすれば良いのでしょう。

遺言書を家庭裁判所に提出し検認を請求

遺言書を開封せずそのまま家庭裁判所に提出します。そして検認を請求して手続きを進めます。勝手に開封することは禁止されていますので、必ず検認の請求をして受理をしてもらう必要があります。

相続人等の立会いの上開封する必要がある

その後遺言書が入っている封筒を開封するためには、相続人などが立ち会って開封する決まりがありますので覚えておきましょう。

遺言書に関する豆知識

ここまで沢山の遺言書に関する内容を紹介しましたが、まだまだ知らないことやあまり周知されていないことなどがあります。豆知識として紹介しますので是非参考にしてください。

遺言書の保管場所はどこがいい?

内容を改ざんされる心配があることから、しっかりどこかへ隠す必要がある遺言書ですが、どのような場所が保管場所に適しているのでしょう。あまり分からないところにしまい過ぎますと、自分でどこへ保管したのか忘れてしまいます。いざという時に役に立たない事態になりかねませんので、金庫など家族にもある程度伝えやすい場所がおすすめです。それでも心配な方は、公証役場で保管してもらえる公正証書遺言が安心です。

遺言書の作成は弁護士?司法書士?

どちらも法律の専門家でありプロフェッショナルな人材であることは確実ですが、どちらへの依頼が適しているのでしょう。弁護士への依頼は高い費用が掛かるイメージですが、司法書士もそれなりの費用は掛かります。また費用面で少しでも安く抑えたい場合は、行政書士へ相談するのも一つの方法です。どの専門家に依頼するかを決める基準は、その人との相性や仕事ぶりなども関係しますので、業種を気にすることなく様々な専門家へ問い合わせしてみてはいかがでしょう。

夫婦で一緒に遺言書を作成?

共同の作成は無効になりますが、別々の書面で作成することで一緒に仕上げることはできます。しかし同時に使用することは少ない状況を考えますと、別々に作成しておいたほうが無難かもしれません。どうしても夫婦で作成したい場合には、専門家に相談しながら正しい書式で完成させられるようにした方が、遺言書としての効力を発揮できます。

まとめ

いかがでしたか。遺言書について紹介しましたが、法律上の決まりやルールが沢山あることが良く分かりました。遺言書のことについて今まであまり関心がなかった方も、この機会に作成について検討するなど興味を抱いてみてはいかがでしょうか。

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