直葬とは?注意点や流れを紹介

核家族化や価値観、ライフスタイルの多様化が進み、葬儀においても様々な形式やプランが提供されています。その中でも、近年では直葬が注目されていて、親族や親しい方のみで故人を送るという形が増加しています。直葬とはどんな葬儀なのでしょうか?今回は、直葬の詳しい内容や行う際の注意点、流れなどを紹介して行きます。

直葬とは?


家族や大切な人が亡くなった時には、葬儀を行うのが一般的です。葬儀は、宗教や宗派によって大きな違いがあり、仏式や神道式、キリスト教式などが代表的なものです。葬儀の規模を表すものとしては、密葬や家族葬、社葬などがありますが、その中の一つに直葬があります。

直葬とは、簡単にいえば葬儀を行わず火葬だけを行うというもので、通夜や告別式も行いません。最もシンプルな葬儀形式とされていて、関東では5件に1件が直葬であるともいわれています。病院などの臨終先から直接火葬場に運ぶ場合もありますが、一度自宅に連れて帰った後に行う場合もあります。また、直葬は遺族が希望する場合が多くなっていますが、生前からの故人の意思である場合も少なくありません。

直葬のメリットは?

様々な社会背景の中で、最もシンプルな葬儀形態とされている直葬を選ぶ方が増えています。特に、忙しく働いている都市部の方や決まった宗教を持たない方などに話題となっていて、限られた関係者だけで故人に別れを告げる弔い方として注目されています。では、直葬を行った場合には、どんなメリットがあるのでしょうか。

費用が安い

直葬は、通夜や告別式を行いませんので、時間的負担が軽くなります。遺体を火葬場に運んで火葬と収骨が終わればそのまま解散となる場合も少なくなく、待ち時間に会食するなどして過ごすことも可能となっていることに加え、何といっても見逃せないメリットは費用を抑えることができる点です。一般的な葬儀費用の全国平均よりも圧倒的に安価になり、地域や規模にもよりますが、直葬の場合は20万円前後のケースが多くなっているようです。また、僧侶を呼んで経をあげてもらうということも行わないのが基本となっている為、お寺に払う費用、つまりお布施やお心づけも必要ないことになりますので、更に費用が抑えられます。

香典を受け取らないため香典返しをしなくてよい


葬儀を行う場合は、通常の流れを踏むと数日は掛かってしまいますが、直葬の場合は葬儀社を依頼して納棺してもらった後に出棺、火葬という流れになりますので、殆ど手間が掛からないのも遺族にとっては大きなメリットになります。また、香典を受け取らないという場合も少なくありませんので、香典返しを考える手間も省けて気苦労が減ります。しかし、香典を受け取るかどうかは喪主の自由ですので、受け取る場合は香典返しを検討することになります。直葬は、香典の件や食事会などある程度喪主の意向で決められることもメリットの一つと考えられます。

参列者の対応が不要

直葬の一番のメリットといえるのが、ゆっくりと故人を偲びお別れができるという点です。参列者が親族やごく親しい方のみとなることが多くなり、堅苦しい挨拶や参列者の対応に追われることもありませんので、故人の思い出に心おきなく浸ることができます。

画一的な礼儀に縛られるだけでなく、参列者の対応に追われ余裕が無くなり、いつの間にか葬儀が終わってしまったという声も少なくありませんので、心を込めて故人を送れるというメリットは大きいものです。

直葬のデメリットは?

現在でも、葬儀を行うことが一般的となっている中、経済的な理由やお墓の有無に関わらず、自分らしく故人を送りたいと直葬を選ぶ方が増加傾向にありますが、実際に直葬を行う場合は思わぬ弊害が起こる可能性もあり、親族にとって多くのメリットがある一方で、デメリットがあるのも現状です。では、直葬のデメリットとはどんなことでしょうか?

親族から反対されることがある

葬儀を行う際には、喪主を選定するのが一般的です。しかし、直葬の場合は、一般的な葬儀とは大きく異なりますので、親族それぞれの考え方の違いから反対されることも良くあることです。その為、直葬を依頼する前には、親族に対して直葬のメリットや自分の意思をしっかりと伝え、了承を得てから行うことが大切です。

直葬を提案したばかりに、親族とトラブルになってしまっては故人も悲しみますので、丁寧に説明し納得してもらってから行うことが必要となります。

納骨を断られる場合がある

お墓がある場合は、宗教や宗派があり菩提寺があるのが一般的ですが、葬儀をしないと納骨を断られるというデメリットも考えておかなければいけません。一般的に菩提寺がある方は、お寺に沿った葬儀を行い納骨するという流れになっていますが、直葬を行う場合は、事前に菩提寺に相談しておかないと後々関係を損ねるトラブルに発展する可能性がありますので、お寺の意向をしっかりと聞き良く話し合っておくことが重要です。

参列ができないため、故人と親しかったが参列できない方から不満の声があるかも

直葬は、基本的に親族や身内のみで行うことになります。しかし、故人と親しくしていた方からの不満が出ることもしばしばです。なぜ教えてくれなかったのかという苦情が出ることも考えられますので、直葬を行う際は、事前にその旨を伝えておき、後に弔問の機会を設けるなどの対応が必要となる場合があります。

不満が上がることも押さえておきながら、事前に対策を検討しておくことがトラブル回避のポイントです。

納骨をしてもらうためにできること

直葬は、通夜も告別式も行いませんので、費用が安く時間が掛からないのが大きなメリットです。しかし、火葬の後に納骨ができずトラブルとなる事例が発生していることにも目を向けなければいけません。直葬を行う際の、火葬後の納骨をスムーズに進める為に行っておきたいことを紹介します。

葬儀社からお寺を紹介してもらう


菩提寺への納骨が難しい場合には、納棺や出棺を依頼した葬儀社にお寺を紹介してもらうという方法があります。費用は掛かかりますが、直葬でも納骨を受け入れてくれる所を葬儀社というプロに頼んでみると墓地を探してくれる場合もありますので、相談してみましょう。また、葬儀社の中には、搬送から納骨までがセットになっているプランを用意している所もありますので、永代供養を希望する場合にはおすすめです。

直葬といっても、葬儀社によって様々なサービスやプランが提案されていますので、依頼したい時に迷わないようにある程度事前にチェックしておくことも大切です。

戒名だけを菩提寺に付けてもらう

お寺では、葬儀が多様化した現在でも直葬に関して違和感を抱くところが少なくありません。とはいえ、やはり菩提寺に納骨したいという方は、戒名のみを付けてもらうというのも一つの方法です。戒名とは「受戒し仏門に入った者に授ける名」のこと指し、一般的な葬儀を行う場合に付けてもらうものです。また、四十九日の法要をお願いするというのもおすすめの方法で、納骨をしてもらえる可能性がグンとアップします。

直葬の流れは?

直葬は、火葬式ともいわれていて、一般的な葬儀とは大きく異なります。一般的な葬儀は、事前準備から始まり、通夜、告別式、火葬という流れになっていますが、直葬は、通夜や告別式が無いのが基本です。

ご臨終後、お迎え・安置

直葬の流れは、臨終後葬儀社に連絡して、迎えに来てもらい自宅や葬儀社などに搬送してもらいます。安置場所は、指定されていませんので遺族の意向で運ぶ場所が決められます。病院での死亡の場合は、その場で「死亡診断書」を発行してもらいます。自宅で亡くなった場合は、警察の検視が行われることもありますので、遺体を移動させないようにするなどそれぞれのケースによって安置までの流れに多少の違いがあります。

法律により逝去後24時間は火葬

現時点では、法律によって亡くなった後24時間は火葬することができないようになっています。その為、自宅が可能な場合は自宅へ、マンションやアパートなど運ぶことが困難な場合は、専用の安置施設などへ搬送することになります。

納棺・出棺

一定の時間が過ぎたら、故人を仏衣で包み納棺し、事前に準備した故人の好きだったものや花を納めてお別れして出棺します。ただ、納棺の際には不燃物その他入れられないものがありますので、事前に担当者に相談しておくと良いでしょう。

火葬

出棺後火葬となります。お寺の僧侶に経を依頼している場合は、火葬の前に読経していただき、終了まで控室で待機します。喪主の意向で、待機している時間に食事会を催す場合もあります。

骨上げ

火葬修了後、遺骨を骨壺に納める「骨上げ」が行なわれます。骨上げは、親族が二人一組になって行なうもので、喪主を先頭に血縁の深い順に行い、脚を最初に喉仏を最後に納めるのが一般的な流れになっています。

親族以外でも、親しい友人などの参列者が行う場合もあります。

直葬で散骨を希望される方も

直葬を始め、多様化が進む葬儀形式ですが、直葬を行った後に遺骨を納骨せず散骨を希望する方も見られます。散骨は様々な方法があり、山や川など故人が好きだった場所に散骨する場合が多く、海洋葬として海に散骨することも少なくありません。また、近年注目されている、遺骨や遺灰を手元に置いて供養する手元供養を希望する方もあり、葬儀の形式だけなく供養の方法も多種多様となっています。

まとめ

いかがでしたか?まだまだ、一般的とはいえないものの、直葬は遺族の心身の負担や費用の面を考えても多くのメリットがある葬儀の形です。しかし、直葬する場合は、しっかりと親族間で意思疎通を図ると共に、直葬に対するある程度の知識を持っているとトラブルの回避に役立ちます。

一般的な葬儀であっても直葬であっても、故人を心から悼み、偲ぶことには変わりがありませんので、新しい葬儀の形として検討してみるのも良いのではないでしょうか。

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