介護施設に関する基礎知識を学ぼう!

介護施設には種類がある


2000年4月に介護保険制度が施行されて以降、利用者は百万単位の人数で増加し続けており介護に対する意識は高まっています。そのため、今後も対応できる介護スタッフおよび受け入れ可能な介護施設の増築が求められています。

ところで、その介護施設には次の通りさまざまな種類があります。

養護老人ホーム

養護老人ホームとは、経済的に困窮しているまたは身寄りがないといった理由で自力での生活が困難な高齢者向けの施設です。

 

主に次の特徴があります。

● 「自立支援」が目的である
● 施設の規模は20人以上で、トイレ、医務室など一通りの環境が整っている
● サービス内容は、食事、レクリエーション、日常生活に関わる介助などがある
● 入所要件は、65歳以上、在宅での生活が難しい、自分で身の回りの世話は可能なことがある
● 入所対象者は、要支援、要介護者、身体障害者、ホームレス、生活が困窮しているなどの要件を持っている方である
● 特別養護老人ホームとの違いとして「介護保険制度のサービスではないこと」が挙げられる
● 入所方法としては、市役所の窓口などに相談をした上で審査を受けて決定される
● メリットは経済的支援が受けられること、デメリットは申請しても行政の判断で入所できるとは限らないことが挙げられる

 

「特別養護老人ホームとの違いの認識がそれほど高くないため、自立支援の趣旨に反している」といった実情が指摘されてはいるものの、今後も必要とされる施設であるといえます。

 

ケアハウスにはタイプがある

ケアハウスとは、A型、B型、C型 と3種類ある軽費老人ホームのうち、C型に該当する施設です。「軽費」という言葉が使われている通り、比較的安価な費用で入所することができます。

 

主に次の特徴があります。

● A型とC型は食事サービスあり、B型は食事サービスなしの環境である
● A型とB型はあまり増設されていないため横ばい状態である
● 一般的にC型がケアハウスのことであり重度の要介護状態になっても居住可能である
● 入所費用は、家賃、食費や光熱費、生活費などが必要である
● 自己負担額は、本人や扶養義務のある家族の世帯収入、税金、介護事業者、要介護のレベルによって異なってくるなど複雑に入り混じっている
● 月額利用料としては10~20万程度の範囲が多い
● A型とB型の施設は、月収34万円以上は原則対象外となる所得制限がある
● 入所対象者は、60歳以上の単身者または夫婦のどちらか一方が60歳以上であるなどの要件を持っている方である
● 事業者によって生活適応力があること、身元保証人がいることなどさまざまな入所するための要件がある
● 入所希望者が多くなかなか空きが出ないことが多い
● 介護型と自立型の2つの種類があるが、介護型は要介護1以上の認定を受けている必要がある

 

安価で入所できることもあって、常に満室になる人気を誇っています。そのため、かなり前から利用に向けた準備をしておく必要があります。

 

グループホームは増えている

グループホームとは、認知症の高齢者向けの施設です。

 

主に次の特徴があります。

● 専門スタッフと共に5~9人を1ユニットとして生活を送る
● 入所費用は、家賃、食費や光熱費、生活費などが必要である
● 介護保険制度を利用する際は1割の自己負担額(一定以上の所得であれば2割)がかかってくる
● 月額利用料としては15~30万程度の範囲が多い
● 入所対象者は、65歳以上で、要支援2または要介護1以上の認定を受けていて、グループホームと同じ市町村の住所に居住しているなどの要件を持っている方である
● 認知症の高齢者を対象としているため、専門資格を持ったスタッフが対応する
● 医療面でのケアは行っていないため、認知症以外の症状を持っていることや共同生活が困難と判断された高齢者などは入所が困難なことが多い
● 身体の悪化、共同生活が困難であると判断されたといった場合は退去させられる恐れがある
● グループホームであるため、施設の造りは比較的快適かつ家庭的な環境となっている
● 機能訓練室、共同リビングなども設けられている
● 利用者3名に対して1名以上のスタッフのいわゆる「3:1」の比率(常勤換算)の配置体制が定められている

 

認知症の高齢者向けの施設である以上、一定の要件を満たしたスタッフが日々対応しています。ただし、入所要件は高いため、利用者側も計画的に準備を行う必要があります。

 

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームとは、病気や障害などで在宅での生活が困難な高齢者向けの施設です。

 

主に次の特徴があります。

● 「特養」とも呼ばれている
● 入所期間に原則制限はない
● 寝たきりや認知症などで在宅での生活が困難な高齢者から人気が高いが、入所要件が要介護3以上と高い基準がある
● 介護保険制度が適用されるため比較的安価である
● 月額費用のうちの半分が医療費控除となる
● 安価だが医療体制が不安定な場合があり、医療への依存が高い高齢者は入所を断られる場合がある
● 施設内には、居室、医務室、食堂、トイレなど一通りの環境が整っている
● 居室は、通常の個室を意味する従来型個室、複数のベッドがある多床室、設備が一通りそろったユニット型個室、ユニット型と同類ながらも多床室を改装などしたユニット型準個室の4種類ある
● 介護関連または医療関連の資格を保有しているスタッフが常時対応している

 

入所要件は高いものの、入所期間の制限がないことや安価であることなどメリットが多いため、もっとも利用者を抱えている施設となっています。

 

有料老人ホーム

有料老人ホームとは、民間事業者や社会福祉法人が運営している高齢者向けの施設です。

 

主に次の特徴があります。

● 「特養」と比べたら高いが、特養への入所待ちが多い現状もあって その受け皿として期待されている
● 介護付、在宅型、健康型の3種類の施設の種類がある
● 介護サービスは充実している
● 入所費用は、家賃、食費や光熱費、生活費などが必要である
● 介護保険制度を利用する際は1割の自己負担額(一定以上の所得であれば2割)がかかってくる
● 月額利用料としては10~30万程度の範囲が多い
● 原則65歳以上が入所要件だがそれよりも低い年齢で入所可能な施設もある
● 夫婦で入所することも可能な施設もある
● 部屋は個室が多いためプライバシーの保護の観点では良い
● 要件が揃えばデイサービスとの併用も可能である
● 利用権、賃貸借、終身建物賃貸借の3種類の入所形式がある

 

特養の現状もあって人気の高い施設です。ただし、それなりの金額が必要となるため、事前の貯金はしておきましょう。

 

介護付有料老人ホーム

介護つき有料老人ホームとは、有料老人ホームの一つです。

 

主に次の特徴があります。

● 有料老人ホームの一つである以上、入所するためには65歳以上であること、施設によってサービス内容とそれを維持する体制が異なるなど類似した点が多い
● 全館バリアフリーとなっているため、手すりや緊急通報装置などが揃っている
● カラオケルームなど娯楽設備が整っている施設もある
● 入所費用は、家賃、食費や光熱費、生活費などが必要である
● 介護保険制度を利用する際は1割の自己負担額(一定以上の所得であれば2割)がかかってくる
● 月額利用料としては10~30万程度の範囲が多い
● 終身利用を原則としている
● 扶養控除、障害者控除など一定の税金控除がある

 

有料老人ホームの中でも一番有名で利用者数が多いことが特徴です。

 

健康型有料老人ホーム

健康型有料老人ホームとは、有料老人ホームの一つです。

 

主に次の特徴があります。

● 「介護の必要がない高齢者の自立」を目的としている
● 介護が必要になれば退去しなければならないため、介護はあまり前提としていない
● 入所対象者は、原則60歳以上が多いが「自立している高齢者」などの要件を持っている必要がある
● ゲーム、カラオケ、体操などレクリエーションの実施が多い
● 入所費用は、家賃、食費や光熱費、生活費などが必要である
● 月額利用料としては10~40万程度と他の施設よりは高いことが多い

 

介護があまり必要でない高齢者向けの施設のため、他の施設とは異なる特徴を有していますが、その分のびのびと日々を送れるような配慮がされています。ただし、年々要介護認定をもらう高齢者が増加しているため、他の介護施設の検討も必要といえます。

 

在宅型有料老人ホーム

在宅型有料老人ホームとは、有料老人ホームの一つです。

 

主に次の特徴があります。

● 介護保険制度を利用できるため、訪問介護や福祉器具の貸与などもできる
● 有料老人ホームの一つである介護付と比べるとその差別化が曖昧になりつつある
● 原則、スタッフは常駐していない
● 入所費用は、家賃、食費や光熱費、生活費などが必要である
● 介護保険制度を利用する際は1割の自己負担額(一定以上の所得であれば2割)がかかってくるが、上限を超えた分に関しては全額負担となる
● 月額利用料としては10~20万程度の範囲が多い
● 要介護認定をもらった高齢者はもちろん、比較的自立した生活が送れる高齢者も入所可能である
● ゲーム、カラオケ、体操などレクリエーションの実施が多い
● 介護の進行具合によって入所が困難となる場合がある

 

介護保険制度の利用をすればするほど発生する費用は高く、上限を超えると自己負担は全額となるため計画的な利用が必要となるなど、一定のデメリットがあることに注意しましょう。

 

介護老人保健施設


介護老人保健施設とは、病院と介護施設が入り混じった施設です。

 

主に次の特徴があります。

● 「老健」とも呼ばれている
● 入所対象者は、要介護1以上の認定をもらっているなどの要件を持っている方である
● 「在宅での生活復帰」が目的のため医療面に力を入れている
● 入所期間は目的の関係で3カ月程度~1年未満と比較的短い
● 介護サービスを見ると、デイケア、短期入所(ショートステイ)、施設サービスがある
● 理学療法士や作業療法士が利用者100人当たりに1名で設置されている
● 医師が利用者100人あたり最低1名常駐している
● 在宅での生活に復帰できる確率は高い
● 特別養護老人ホームに続く施設数を誇る

 

「介護が心配で在宅で生活を送れるか不安である」と考えている高齢者を後押しする施設という特徴があります。現在では、特別養護老人ホームに続く施設数を誇るなど人気が高いです。

 

サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅は、民間事業者によって運営されている介護が必要でない高齢者向けの施設です。

 

主に次の特徴があります。

● 「サ付き」とも呼ばれている
● 生活を送る上での自由度は非常に高い
● 安否確認と生活相談の2つのサービスのみ義務付けられている
● 入所対象者は、高齢者住まい法に基づいて定められているが原則60歳以上などの要件を持っている方である
● 入所申請の際は「住宅地特例」と呼ばれる制度が必要である
● 要介護認定が低い高齢者でも入所ができるが、その逆の場合は困難である
● 入所後でも重度の介護状態になれば退去しなければならない
● 医師や看護師など医療関係者は常駐していない
● 1つの個室につき床面積25㎡と定められている
● 有料老人ホームなど他の施設との違いとして、契約内容が賃貸借方式である

 

他の施設と比べて非常に高い自由度が特徴です。その分介護に対するサービスが低いため、介護の必要がなくてのびのびとしたいと考えている高齢者のための施設といえます。

 

その他ちょっと違った介護施設


今まで紹介した施設とは異なった形式で介護サービスを提供している施設を紹介します。

シニア向け分譲マンション

シニア向け分譲マンションとは、民間事業者が販売と運営している分譲住宅です。

 

主に次の特徴があります。

● バリアフリーとなっていることが多い
● 主に自立あるいは要支援状態の高齢者を受け入れている
● 食事、緊急時の対応などのサービスを行っている
● 高齢者でも安心して住める、利用者の権利が守られているといったメリットがある一方で、あくまでマンションである以上、初期費用は数千万以上、月額費用は数十万と費用が高いといったデメリットがある

 

介護サービスのあるマンションという性質もあり、費用が高い分、非常に充実した設備が整っています。そのため、あくまで在宅介護を受けながら生活をしたいという高齢者には魅力的なマンションといえます。

 

介護療養型医療施設

介護療養型医療施設とは、主に医療法人が運営している医療が充実した施設です。

 

主に次の特徴があります。

● 入所者100人に対して医師は3人、常勤の看護職員と介護職員はそれぞれ入所者6人に対して1人以上の配置が義務付けられているため、もっとも医療体制が整っている施設といえる
● 部屋は相部屋が多くプライベートな空間は少ない
● 医療体制がしっかりしているため不測の事態にも対応しやすいが、レクリエーションなど生活に関する娯楽は少ない
● 入所期間は長くなかなか空きが発生しづらい
● 入所対象者は、原則65歳以上の要介護1以上の高齢者である
● 入所費用は、家賃、食費や光熱費、生活費などが必要である
● 月額利用料としては9~25万程度の範囲が多い

 

医療体制の充実さが魅力的な施設ですが、国の方針もあって2020年までには施設そのものを廃止する方向で進んでいるため、施設数は減少の一途を辿っています。よって、入所の際は事業者と相応の相談をおすすめします。

 

介護施設に関する基礎知識

介護施設を利用する際に知っておくべき基礎知識を紹介します。

費用の目安


介護施設を利用する際は、介護保険制度の利用が前提のため原則1割の自己負担額が発生します。しかし、民間事業者の場合は業者ごとに費用が異なることもあるため、相見積もりをすることは前提としましょう。

 

認知症の基礎知識

認知症患者は、高齢者はもちろん若年者の間でも増えつつあります。症状の概要、特徴と行動の傾向、そしてグループホームのように認知症向けの施設のことを知っておきましょう。

 

紹介センターに相談してみよう

主に次のような介護に対する悩みに対して相談に乗ってくれる民間事業者があるため、利用することおすすめします。

 

● 今いる介護施設に不安があってマッチングした施設を探している
● 施設について調べたいがよく分からない

 

プロの相談員がこういった声に対して親身に接してくれます。



 

体験入所が可能な所も

施設の資料だけでは、施設の入所後のイメージが出てこないといったことも想定されます。そのため、体験入所が可能な施設で実際に利用をしてみることも有効です。1泊2日、長ければ1週間程度の利用が可能な施設もあります。気になる費用も、1泊2日でおおむね7,000円~10,000円程度とビジネスホテル程度なので、気軽に利用できるように配慮されています。

よって「百聞は一見に如かず」という気持ちで利用してみることをおすすめします。

 

雰囲気や明るさをみよう

いくら設備や介護と医療の体制が整っていても、利用者はほとんどが高齢者でメンタル的な部分で不安になりがちなので、それを少しでも和らげるためにも、体験入所はもちろん事前の施設見学などを通して施設内の雰囲気や明るさも見ておきましょう。

 

まとめ

介護施設の種類と覚えておくと役立つ基礎知識について紹介しました。介護保険制度の利用ができるのは原則65歳以上となりますが、いつ介護が起きるのかは誰にも分からないことです。そのため、介護に対する理解を深めていき、それが現実のものとなったとしても即座に動けるような体制を作っていくことが重要です。

 

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