土地相続の手順と相続税の計算について

遺産の相続と考えた場合、現金や不動産物件として建物のイメージがありますが、実際には土地を相続するケースも多くあります。今回は土地の相続に関する手順と、相続税の計算方法について紹介します。是非参考にしてみてはいかがでしょうか。

土地の相続手順について


土地を相続する場合には、相続時の手順を知っておく必要があります。万が一、何も分からないまま相続をしたことで、思いがけないトラブルに巻き込まれてしまう場合があります。現在遺産の相続や財産の分与に関わりがない方でも、知っておいて損がない内容です。是非今後に活用してみてはいかがでしょうか。

誰の名義にするかを決める

遺産分割をする土地がある場合、誰を名義にするかを決めなければいけません。その理由は不動産の登録名義を変える必要があるためで、登記名義と違う人物が所有してしまいますと、実際の持ち主と書類上の持ち主が別人になってしまいます。口頭で伝えるだけではなく、しっかりと名義変更を済ませて新たな名義人の持ち物であることを証明しておくことが必要です。

遺産分割協議書を作成

遺産分割協議書を作成する場合は、相続人全員の署名が必要になります。遺産の相続人が少ない場合には短時間で作業が終了しますが、相続人の人数が多い場合や遠くに住んでいて署名をしてもらうことに労力を費やす必要がある場合も考えられます。しかしこの遺産分割協議書の作成を怠りますと、後になって遺産トラブルに発展することがあります。きちんと作成して安心しておくのがおすすめです。

相続登記の申請書類を法務局に提出

相続登記の申請書類を法務局に提出します。この手続きは相続人が全員で行う必要はありませんので、代表の方が法務局に足を運んで手続きを済ませます。この際に書類の不備がありますと二度手間になりますので、提出前に再度確認をして記入漏れを調べると共に、書類の忘れ物がないか十分気を付けましょう。

相続登記の申請期限

相続登記には申請期限があるのでしょうか。

期限はあるの?相続登記の疑問

相続登記そのものの申請期限は特別設けられていませんが、添付書類に住民票や戸籍謄本などがある場合、取得してから6か月以内の書類であることが決められている場合があります。相続登記の申請期限がないので手続きが遅くなっても構わないと考えてしまいますが、せっかく取り寄せた関係書類がすべて無効になります。手続きをする直前に戸籍謄本を取り寄せるようにする工夫をするほか、添付書類が揃った段階で早めに手続きを済ませてしまうのが良いでしょう。

事前に法務局に問い合わせをしよう

人によっては法務局へ足を運ぶ場合、会社に休暇を申請して時間をつくる場合や遠くから足を運ぶケースも考えられます。そのような方でも一度で手続きを済ませるために、二度手間になることを回避するため、事前に法務局に連絡をして相続登記の申請時に必要なものや書類の間違いがないかを確認することをおすすめします。

自分一人でやる自信がない時は?


相続登記の申請は自分一人でもできる作業ですが、司法書士などの専門家に相談して進めることも可能です。相談費用が掛かることをデメリットに感じるかもしれませんが、個人で行う場合よりも確実性が高く、間違いなくできる点は大きなメリットです。

相続登記に必要な費用

相続登記は無料でできる手続きではありません。細かな費用が必要になりますが、どれも大きな金額ではなく、名義を新たにするために大切な費用です。一体どのような名目にどのくらいの費用が用いられるのでしょう。

登録免許税=固定資産評価額合計×0.4%

一つ目に紹介するのは登録免許税です。この税金は固定資産の評価額の合計が関わります。仮に固定資産の評価額が1,000万円だった場合には、登録免許税は40万円になるという計算ができます。

戸籍謄本類の発行手数料=3000円程度

相続登記をする場合には、戸籍謄本や印鑑証明などの公的な書類を添付することを求められます。その結果、発行手数料の代金が3,000円程度掛かります。場合によっては複数の土地を同時に相続して、同時に相続登記することがあるでしょう。その場合にもその土地ごとに書類を用意する必要があります。費用と共に取り寄せる手間や間違えないように取り寄せて確認する作業など、忙しい方には大きな負担となるかもしれません。

登記事項証明書=不動産1つにつき600円

土地ごとに600円で発行する登記事項証明書は、不動産物件ごとに発行されますので相続登記する土地が複数ある場合にはその分費用が増えます。仮に5つの土地を相続登記する場合には3,000円の登記事項証明書代が掛かります。

土地を相続した場合の相続税の計算

土地を相続した場合には、どのようにして相続税の計算をするのでしょう。相続税の計算方法はきちんと決められていて、該当する数字を当てはめるだけで簡単に算出できます。相続税の計算は、相続税額=(全ての財産額—基礎控除額)×相続税率—控除額となっていて、短時間で自分がどのくらいの相続税を納めるべきであるか理解できます。

基礎控除額を計算する

基礎控除額は3,000万円+600万円×相続人数で計算することが可能です。

相続税率を計算する

次に相続税率を計算します。相続税率は、全ての財産額—基礎控除額を「基礎控除を超えた金額」とすると相続税率は下記のようになります。基礎控除を超えた金額が仮に3,000万円だったと仮定します。その際の相続税率は15%で税金控除額は15万円です。

実際に計算してみよう

相続税のことを理解できた場合には、実際に計算することでより具体的な税金額が見えてきます。様々なケースで計算の仕方に慣れた段階で、実際に自分の相続税がいくらになるのかを計算してみるのがおすすめです。

公式に当てはめて相続税を計算する方法

相続する土地の財産が7,000万円、相続人数が1人の場合と考えます。基礎控除額は3,000万円+600万円×1(人)=3,600万円となります。基礎控除額が3,600万円に該当しますので、表から該当する相続税率と控除額を探します。その結果、相続税率は30%、控除額は700万円に当てはまることから、相続税=(7,000万円-3,600万円)×30%—700万円=320万円となって、この人が納める相続税が320万円であることが分かります。

相続税の相談はどの専門家がおすすめ?

司法書士や税理士、弁護士など遺産や相続、財産分与などの相談に最適なプロフェッショナルを選ぶのが難しいと考えてしまいます。自分で手続きをする自信がないことから、専門家に依頼しようと考える方が多いにも関わらず、相談先を決めることに困ってしまうのでは本末転倒です。中にはある程度まで自分で進めて、どうしても難しい箇所や最終段階の確認作業だけを専門家に相談して安心する方もいます。相続税で困っているということは、遺産の分割など様々なことに追われている可能性が高いので、自分が今何に困っていて何を解決したいのかを明確にしますと、依頼する専門家がはっきりしてくるかもしれません。

田舎にある土地を親から相続…放棄できますか

土地があるイコール裕福なお金持ちという印象がありますが、場合によっては土地の相続にあまり前向きではない方もいます。その中で問題になっているのは、地方にある土地が長年放置されている問題で、親から相続したけれど毎年税金だけを納めて無駄に感じている方もいます。

土地の所有権放棄とは

長年放置された田舎にある畑や誰も住んでいない実家など、せっかく所有する不動産を思うように活用できずにいる方は沢山います。特に地方出身者で既に他の地域で居住を構えてしまっている場合には、ほとんど田舎との接点がなくなってしまっている可能性があります。そのような場合には、相続放棄や土地の所有権を放棄することができます。都心では狭くて高額でも土地が安易に売買されるケースがありますが、地方では思うように売り手が見つからない可能性があります。

劣化が進む前に手放すのも一つの方法

土地のみを売却する場合、建物がないのでそれほど劣化が進まないと考えてしまうかもしれませんが、長い間放置されていたという情報が入ってしまいますと、それだけでも購入希望者にはマイナスな内容と捉えられてしまいます。今後何かに活用する見込みがないと判断した場合には、早い段階で手放して新たな持ち主を探すのも良いでしょう。

相続税を減らせる小規模宅地等の特例とは

小規模宅地等の特例とは、相続税の計算上亡くなった人である被相続人が保有していた宅地の評価を大きく減額してくれる特例です。本特例が使える宅地は、自宅や事業や貸付用などに使われていた土地で、最も多くの方に関係しそうなのは自宅の土地でしょう。自宅の土地に本特例が適用できますと、相続税の計算上、330㎡までの部分について評価を80%減額してもらえます。仮に土地が3,000万円なら600万円に減額してくれますので大きな節税になります。しかし、本特例が適用されるのは一定の要件を満たしたときのみで、誰がその土地を相続したのかという点が重要になります。仮に被相続人の配偶者が相続した場合には、無条件でこの特例が活用できます。また被相続人の配偶者以外の同居の親族が相続した場合は、相続税の申告期限までこの土地の所有と居住を継続したときに限ってこの特例を使えます。便利な制度なので賢く活用しましょう。

まとめ

いかがでしたか。土地の相続にはきちんと手順を踏んで作業を進めることが重要で、全ての手続きが無料でできる訳ではないことが分かりました。相続をする中でも大きな金額に値する土地の分配は、故人の遺志を尊重することと同時に受け取る側の考えも一度明確にする機会を設けられるのが理想です。土地の相続に困っていることがある場合には、是非参考にしてみてはいかがでしょうか。

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