遺産分割とは?遺産分割方法や注意点を解説!

故人の財産を残された家族や親戚で分け合う遺産相続は、時に身内同士で争いになることがあります。今回紹介する遺産分割は方法や注意点を理解しておくことで、円滑な話し合いが実現する支援策となります。是非今後の参考にしてみてはいかがでしょうか。

遺産分割とは?


民法では遺産分割という制度があり、相続人の間で遺産をめぐるトラブルを回避するためのものとして活用されています。

遺産分割について理解しよう

もめることなく進むケースがある一方で、裁判で争うことにもなる遺産のトラブルは、できれば円滑に進めたいものです。しかし取り分がはっきりしない場合や遺言書の存在によって話が変わるなど、争いになる要素がたくさん含まれています。奪い合いになるような遺産ではなく静かに亡くなってしまう方の場合は、遺族側にケンカをする元がないことから、手続きが速やかに進みます。また不動産物件の遺産分割は分け合うのが難しい案件でもあります。

放棄する方もいる?借金だらけの遺産の場合

遺産分割は遺産を親族同士で分け合うことですが、遺産を相続する権利を放棄するケースもあります。遺産の中にはプラスとなる財産ばかりでなく、マイナスである借金も含まれています。生前から知っていた借金の存在だけでなく、亡くなって存在が明らかになる借金も珍しくありません。そのような場合は財産を放棄する方がいて、そのような行為も認められています。しかしよく調べずに安易な判断で放棄してしまうのは危険で、その後借金以上の財産が見つかる可能性があります。一度放棄してしまうと取り消しができませんので、慎重に考えて相続放棄の決断をしましょう。

遺産分割をするメリットは?

相続人が1人の場合、遺産は相続人の単独所有になりますが、相続人が数人ある場合、遺産は全て各相続人の共同所有となります。ところが共同所有となりますと、各相続人は原則として、自分一人で自由に遺産を他人に貸与したり、売却したりすることができなくなります。相続人が遺産である不動産を他人に貸したい場合には相続人の相続分の過半数の同意を得ることが必要に、売却したい場合には全員の同意を得ることが必要となります。よって相続人にとって非常に煩わしい状態が生じます。このような不都合点が生じた場合、共同相続人が遺産分割をすれば、共同所有関係を解消することにより、相続人が単独で遺産の売却などを行うことができます。煩わしい状態を解消することができることが遺産分割の大きなメリットです。

遺産分割の方法について

遺産分割の方法はどのようにして進められるのでしょう。大切なポイントは、すべての相続人が納得することが重要で、遺言があった場合や話し合いで決まらなかった場合などを踏まえて、下記のようなパターンがあります。

遺言による遺産分割を行う場合

故人が生前に作成した遺言書がある場合があります。このように遺言があった場合で、遺言の内容に法的効果がある場合は全てこの内容に従うこととされています。

遺言がなく「遺産分割協議」により分割を決める場合

遺言書を故人が生前用意していな買った場合は、話合いのみで決めます。ここでのポイントはすべての相続人が納得することが重要で、きちんとした話し合いが必要です。後になって実は違う考えであった…と言い出す方がいることで、思いかげず遺産相続トラブルに発展するケースも少なくありません。

遺産分割協議会で決定しなかった場合は調停申し立て

遺産相続の話し合いである遺産分割協議会でまとまらなかった場合、家庭裁判所に遺産分割調停の申立てをすることができます。しかし双方が家族や親族であることを考えますと、ここまでこじれてしまうのは誰もが望まない状況です。

それでも決定しなければ遺産分割裁判


遺産分割裁判は、遺産分割審判と呼ばれ遺産分割を裁判で決定することを指します。このような状況になることは心苦しいですが、しかし家族や親族それぞれの考えがぶつかり合う遺産相続は、裁判に発展させてまで決着させなければいけない難しい問題であることがわかります。

遺産分割の相談は誰にすると良い?

遺産トラブルに強い弁護士を頼りにしますと、遺産相続に関する相談をしても良いアドバイスが受けられます。弁護士なら誰も良いということはなく、専門的に行っている得意分野と言うものを掲げて事務所を運営する弁護士が多くいます。遺産の相談経験が豊富で、実績があるような弁護士を探して相談するのがおすすめです。

できれば家族や親族と円滑に話を進めたい…普段の接し方にも注意?

遺産相続で争いになるケースの多くは、普段からあまり仲が良くない場合がおおく、日頃のうっぷんが遺産相続をきっかけに爆発させてしまうことがあるようです。大人になった今から急に仲良くすることは難しいですが、相続の話し合いなどは世帯主が生存中から日常会話の話題としておきますと、生前からどのような考えで財産を分けようとしているのかなどもわかり、その反応を見て意見に同意しているのか反対しているのかが分かります。コミュニケーション不足が招く遺産トラブルは、少しの工夫で回避できます。

遺産分割の分割種別

遺産分割には3つの種類があります。一つ一つを詳しく紹介しますので、どのような内容になっているのかを是非確認してください。

現物分割

現物分割は、文字通り現物で遺産を分ける方法を指します。例えば長男は不動産を相続して次男は現金を相続するなど、そのままの状態で遺産を分割するのが現物分割です。

代償分割

代償分割は、土地や建物などの不動産を長男が相続した場合、その他の兄弟が現金で相続分以上のものを渡す方法です。

換価分割

換価分割は、相続する財産を全て売却して現金に換えてから相続の分配を行う方法です。個人差がなく分割したい場合におすすめですが、手数料などの費用を考慮して行う必要があります。

遺産分割の種類別にみるどの方法が一番得する?

家族の数だけ財産の分け方がそれぞれ異なることから、現物分割と代償分割、換価分割のどの方法が一番正しくて得であるかは、その人個人によっても考えが違います。現物でもらいたい人もいますが、中には現金化してもらった方が良いと考える方もいるでしょう。

それぞれの意見を尊重した話し合いをしよう

分割の仕方を話し合うだけでも意見が食い違う可能性がありますが、言い争いを回避して問題を解決するためには、それぞれに思っていることを話し合うことも大切です。大人になりますとそれぞれの生活で忙しくゆっくり話をする機会も少ないでしょう。遺産をきっかけにそれぞれの考えを伝えることも大切です。

基本は故人の所有物であると考えよう

遺産相続は自分の取り分をどうすれば多くできるかと四苦八苦してしまいますが、故人が生前築いた財産や先祖から受け継いだものを代わりに管理するだけの話です。しかし自分のものを増やすために遺言書が自分に有利になるような内容にしてもらうように配慮するなど、様々な工夫をして努力する方がいます。確かに場合によっては一度に大きな金額を手に入れられることから、一生懸命になる気持ちも分かりますが、本来は故人の持ち物であると考えると楽に遺産分割の手続きができます。

遺産分割におけるよくある質問

複雑な内容で気軽に人に相談できる内容でもない遺産分割は、様々な疑問を抱いて不安を感じたまま手続きを進めている方もいます。ここではよくある質問をまとめて紹介していますので、該当する疑問があるかを照らし合わせて是非確認してみてはいかがでしょうか。

借金を相続したくない場合はどうする?

プラスとなる財産は相続することが歓迎されますが、借金がある場合ですと、放棄することを検討する割合が大きくなります。遺産相続には単純承認と限定承認、相続放棄などの制度があり、必ず相続しなければならないことはありません。あえて、自分の生活を大きく変えてまで借金を背負う必要はありませんので、よく考えるのがおすすめです。

相続人の「寄与分」とは?

相続人の寄与分とは、下記のように被相続人の世話を生前に多くしたなど貢献した人への相続分が考慮されるための制度です。いくつかの例を挙げましたので、是非参考にしてください。
■被相続人が事業を行いその事業を手伝った結果、被相続人の財産増加に貢献した場合
■被相続人の生活費などを給付し、被相続人の財産増加に貢献した場合
■被相続人が病気などで看病を行った結果、被相続人の財産増加に貢献した場合
■相続人が被相続人を扶養して、被相続人の財産増加に貢献した場合
■被相続人の財産管理を行い、被相続人の財産増加に貢献した場合
このように故人が亡くなるまでの時間に様々な形で貢献した方がいる場合、相続人の寄与分として相続する金額が考慮されます。

遺産分割協議書とは?

遺産分割協議書は、遺産分割協議で決められた内容を明記させるものを指します。必ず必要という訳でもありませんが、作成したほうが後の混乱が生まれないという考えで用いるケースがあります。なお家屋や不動産の遺産分割には、遺産分割協議書の作成は必須です。

円滑な遺産分割に欠かせないもの

分け合う遺産が多いことがかえって問題となってトラブルになる遺産分割は、どのような方法で取り組むとスムーズに進められるのでしょう。

第三者に立ち会ってもらって話し合いをする


身内同士での話し合いは、時に争いのきっかけを生んでしまうかもしれません。状況を客観視できる第三者に立ち会ってもらって話し合を進めた方が、遺産分割が思い通りに進むでしょう。信頼できる弁護士などがいる場合には、相談してみるのがおすすめです。故人が遺言書を作成する場合に弁護士へ相談しているケースもあります。そのような場合は、その弁護士に立ち合いを依頼することもできるでしょう。

財産の内容を早く明らかにする

実際にどのくらいの財産があり、借金の有無を把握しないことには遺産分割をしたくてもできません。生前は何も言わなかったにも関わらず、家族に内緒で借金をしていたケースもあることから、現状がどのようになっているのか早く明らかにして遺産分割を進めることでスムーズに話しができます。

相続人をきちんと把握しておく

相続人を調べるためには戸籍を取り寄せて確実にしておくことも大切ですが、時間が掛かるだけでなく手間が掛かる作業となります。しかし普段顔を合わせている親戚だけでなく、突然疎遠だった近親者が現れる場合や隠し子が発覚することも珍しくありません。戸籍は故人の過去や周辺状況を知る大切な書類となります。確実性を求める場合には、弁護士に相談をして戸籍の取り寄せなどを検討すると良いでしょう。

相続税のことも配慮して話を進める

相続での話し合いが終了した後に問題となるのは、納めるべき税金の多さです。当たり前ですが遺産を相続した場合には相続税を納める必要があり、その金額は相続した遺産の金額や価値によって大きく変わります。遺産分割の話し合いが長引きますと、相続税の納付期限が迫って来てしまうので、早めの解決が望まれます。

感情的にならないように冷静さを保つ

お互い顔を見て話し合いをする遺産相続ですが、だんだんヒートアップして感情的になってしまうケースがあります。本来の遺産分割の話し合いとは違う内容で言い争いになるなど、望まない状況が続いてしまうのでは時間が無駄になってしまいます。せっかく家族や親族が集まって話し合いをしているのですから、冷静な判断ができるように心を落ち着かせるよう自分に言い聞かせて取り組むのが早期解決への鍵となります。

まとめ

いかがでしたか。遺産分割という言葉自体はあまり聞く機会がありませんが、映画やテレビドラマのイメージからすると、遺産イコール身内と言い争いになるという印象が強くあります。しかしこのような状況は必ず起こるのではなく、事前の対策や工夫次第で未然に防ぐことができます。故人が残してくれた遺産を奪い合うようなことを回避して、家族や親族と喧嘩をせずに遺産分割をしたい方は、是非今後に役立ててみてはいかがでしょうか。親族間でトラブルが起こることは当事者同士はもちろん、故人も望んでいることではありません。こうしたことを考えて遺産分割を行うときっとトラブルが起きることなく遺産の分割が実現するでしょう。

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