相続放棄申述受理証明書の必要性と取得方法

遺産相続問題は、何かとトラブルになるものです。不動産や銀行の預貯金の財産があればあるほど、親族ともめることになります。相続ではプラスの財産もマイナスの財産も受け継ぐことになります。そんな時は相続放棄をすればいいので、相続放棄申述受理証明書などの書類のあれこれについて紹介したいと思います。

相続放棄申述受理証明書を取得する必要性


相続放棄は、プラスもマイナスの財産も、両方の財産を受け取ることを放棄する方法です。その相続放棄をした証明になるものが、相続放棄申述受理証明書です。相続放棄の手続きでは、相続放棄の手続きに必要な書類を集め、相続放棄申述書に必要事項を記入し、集めた書類を家庭裁判所に提出します。その後、家庭裁判所から照会書が届き、相続放棄の申請が完了します。照会書に質問事項が記載されているので、質問に回答して家庭裁判所に返送します。照会書が受理されれば、相続放棄申述受理通知書が送られます。一般的には通知書だけで十分なのですが、債権者が相続放棄申述受理証明書の提出を要求する場合があるので、その時に必要になる書類なのです。

相続放棄をするために

相続放棄をするためには、家庭裁判所へ必要書類を提出すること、家庭裁判所から承認をもらうことが必要です。承認をもらった際には、相続放棄申述受理通知書が発行されます。場合によって必要になる書類が、相続放棄申述受理証明書です。これは被相続人に借金やローンなどの負債があった場合、相続人が相続放棄をしているので、借金を支払う義務はないと主張できる書類なのです。相続放棄申述受理証明書には、事件番号・申述人氏名・被相続人氏名・本籍・死亡年月日・申述を受理した日で、証明するという文章があります。書類の取得は、相続放棄申述受理通知書に同封されている、相続放棄申述受理証明書の交付申請書に記入し、相続放棄を申請した地方裁判所に申請を行います。

家庭裁判所へ必要書類を提出


家庭裁判所に提出する書類は、様々なものがあります。以下では詳しく書類について説明します。書類の種類は、相続放棄申述書、被相続人の住民票除票(または戸籍附票、故人の戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本、収入印紙(800円)、切手(80円を5枚程度)などです。基本的には以上の書類で事足りますが、審理のために追加提出を要求されることもあります。なお、申述人が被相続人の配偶者だった場合は、被相続人の死亡の記載がある戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本、申述人が被相続人の子か、その孫やひ孫の代襲者の場合は、被相続人の死亡の記載がある戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本、非代襲者の脂肪の記載がある戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本が必要になります。

 

相続放棄申述書

相続放棄申述書は書類一式を家庭裁判所か、裁判所のウェブサイトでダウンロードすれば取得することができます。下記よりダウンロードが可能なので、ご利用してみてください。なお、相続放棄申述書は20歳未満と20歳以上で書式が異なります。20歳未満は未成年者のため、法定代理人を記入することが求められます。申立て年月日・申述人の記名押印・添付書類のチェック項目・申述人の情報・法定代理人の情報などの記載をします。記入例は裁判所のウェブサイトがあるので、参考にしてください。

相続放棄申述書のダウンロード

 

被相続人の住民票除票(または戸籍附票)

被相続人の住民票除票か戸籍附票とは、どんな書類か説明したいと思います。住民票除票は住民票にある項目の他に、転出の場合には転出先の住所と異動年月日が記載されるもので、死亡の場合は死亡年月日が記載されます。転出届や死亡届が提出されることにより、住民登録が抹消され、住民登録が抹消された住民票を「住民票の除票」といいます。住民票除票は、元住所地・死亡時の住所地で作成されるものです。次に戸籍附票ですが、住所の移転履歴を記録したものになります。本籍地の役所でのみ交付してもらえるので、本籍地以外の所では交付はできませんので、注意してください。

 

故人の戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

故人の戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本は、戸籍に他の誰かがいる場合は戸籍謄本が必要で、戸籍に誰もいない場合は除籍謄本、相続人の特定をする時に役に立つのは改製原戸籍謄本と、戸籍の状態などに合わせて提出するものが違います。戸籍謄本は個人の氏名・生年月日・出生・死亡・婚姻・離婚・養子縁組などが記録されています。除籍謄本は戸籍に誰もいない状態の戸籍の写しです。亡くなって戸籍から抜け、戸籍に誰もいないと戸籍簿から削除されます。改製原戸籍謄本は、戸籍法が改正によって、新しい様式に作り替えられる前の古い戸籍のことです。古い戸籍には新しい戸籍に書かれない情報もあるので、さかのぼって必要になる場合があります。

 

収入印紙(800円)

収入印紙(800円)は、相続放棄申述書の上に貼るスペースがあります。申請先の家庭裁判所か最寄りの郵便局・コンビニなどで販売されているので、購入して貼るようにしてください。この収入印紙は申述人1人につき1枚必要となります。申述人が複数の場合は、1人1通の相続放棄申述書が必要になるので、貼る収入印紙は1枚ずつとなります。

 

切手(80円を5枚程度)


郵便切手は80円を5枚程度必要となります。これはなぜ必要かというと、照会書を自宅に郵送してもらうために必要だからです。相続放棄申述書を提出する家庭裁判所ごとに、この郵便切手代は違いますので、各家庭裁判所のウェブサイトでチェックするか、直接問い合わせしてみてください。事前に問い合わせしてから郵便切手を購入すれば、よりスムーズに手続きが済みます。

家庭裁判所から承認

相続放棄の申述書が受理されると、希望者には相続放棄申述受理証明書が発行されます。ただし、相続放棄の申請者には、相続放棄が受理されたことの「通知」のみが連絡されます。もし、証明書が必要であれば別途家庭裁判所に対して証明書の交付を請求しなければなりません。相続放棄申述受理証明書の請求の仕方ですが、相続放棄申述受理通知書に同封されている、相続放棄申述受理証明書の交付申請書に記入して、申請を行った家庭裁判所へ申請します。とにかく自動的に相続放棄申述受理証明書は発行されることはありませんので、自分から申請を行います。取得に必要になる書類は、1通につき150円の収入印紙・免許証や保険証の身分証明書・認印・相続放棄申述受理通知書です。

相続放棄申述受理証明書を必要とするとき

相続放棄申述受理証明書が、必要になるときは、一体どんなケースのときなのでしょうか。ここではどんなときに必要になるのかを紹介したいと思います。例えば、親族などの第三者に主張するため、不動産の名義を書き換えるとき、相続時に銀行預金を解約するときなどです。戸籍謄本では相続放棄をしたこと以外の情報しか書かれておらず、相続放棄をしたことの証明にはなりません。相続放棄申述受理証明書には、相続放棄をしたことが書かれていて、相続登記のときに第三者に相続放棄をしたことが証明することができます。注意しなければならないのは、相続放棄申述受理通知書を無くした場合は、再発行ができないので、最初から申請をするしかなくなることです。

親族などの第三者に主張するため

相続放棄申述受理証明書が必要になるケースのひとつに、親族など第三者に相続放棄したと主張するということが挙げられます。例えば、借金などの債務がある場合です。相続人はプラスの財産だけでなく、債務のマイナスの財産も受け継ぐので、それを考慮して相続するのか、相続放棄するのか決断しなければなりません。中には莫大な借金を抱えていた人が亡くなった時、法律上の相続人全員が相続放棄をしてしまうことも少なくありません。何人か相続人がいて、その一部の相続人が相続放棄した場合は、他の相続人に相続を放棄した証明である、相続放棄申述書受理証明書が必要になることもあるというわけです。

不動産の名義を書き換えるとき

次に必要になるときは、不動産の名義を書き換えるときになります。そのときは相続放棄申述受理証明書を法務局に提出する必要があります。相続で特定の相続人が、もらった不動産の相続登記をする時は、添付書類として他の相続人の相続放棄申述受理証明書が必要になります。例えば、相続登記をするとき、本当は相続人が2名いたが、2名のうち1人が相続放棄をします。その場合は、その1名が相続放棄をしたことを証明するため、相続放棄申述受理証明書の添付が必要です。相続放棄申述受理通知書だけでも相続放棄したことは、はっきりしているのですが、現在の登記ではその書類だけでは、成立しないので、注意してください。

相続時に銀行預金を解約するとき

相続した時に銀行預金を解約するときは、相続放棄申述受理証明書を金融機関に提出する必要があります。銀行のウェブサイトで準備する書類が掲載されているので、確認してから準備するようにしてください。相続放棄申述受理証明書の他には、亡くなった人・法定相続人などの戸籍謄本、相続手続依頼書、各相続人の印鑑証明書各1通、相続預金にかかる通帳、証書、カードなど、相続人代表者の実印か本人確認書類などです。また、預金名義変更のときは新お届け印、非課税預金を相続後も非課税で取扱うときは、相続人が非課税対象者であることを証明できる公的書類などが必要です。

まとめ

相続の権利を一切放棄する相続放棄について、今回は色々と詳しく説明しましたが、いかがだったでしょうか?相続放棄には相続放棄申述書の他に、相続放棄申述受理通知書と相続放棄申述受理証明書という書類があります。そんな書類が必要になったときは、この記事を参考に申請をしてみてください。手続きの流れを知っておけば、いざという時も安心です。

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