厚生年金のあれこれ!特徴や計算方法、加入の必要性を解説!

老後の生活で金銭的な支えになるのは、若い時から積み立ててきた年金です。日本には、国民年金・厚生年金・共済年金の3種類の公的年金があります。公的年金は老齢・障がい・死亡を保険事故として、該当したら給付が受けられるというものです。厚生年金・共済年金の2つは国民年金に上乗せして支給されます。ここでは厚生年金について、詳しく説明していきたいと思います。

厚生年金とは?


そもそも厚生年金とは、どんな特徴がある年金なのでしょうか。制度的には年を重ねていくごとに収入が減って行ってしまうリスクに備えることを目的にしています。最近では少子高齢化が進み、高齢者が元気に自立した生活を送るためには、必要な備えと言えます。厚生年金は老後の生活を支えるだけでなく、病気やけがを負った時の保険給付や、被保険者が亡くなったという場合に、遺族に対する十分な給付を行う役割もしています。ちなみに病気になった時の厚生年金の名称は、障がい厚生年金、被保険者が亡くなった時の厚生年金の名称は遺族厚生年金と呼ばれます。ちなみに厚生年金は、国民年金に上乗せして支給されますが、国民年金に上乗せされるのは他に、国民年金基金、個人型確定拠出年金、企業型確定拠出年金、確定給付企業年金、厚生年金基金などがあります。老後の将来をみすえて、若いうちから備えておきましょう。

法人に勤める70歳未満のサラリーマンは基本加入しなければならない

厚生年金は、法人に勤める70歳未満のサラリーマンは基本加入しなければなりません。また、正社員の雇用形態以外でも、正社員の所定労働時間か、所定労働日数のだいたい3/4以上働いている方が厚生年金の加入の対象です。2016年10月より、週20時間以上勤務している、残業代を含まない月額賃金8.8万円以上ある、勤務期間1年以上の見込みがある、定時制や夜間の学生ではない、社会保険の現行基準が適用される労働者が501人以上の企業だという、条件全てに該当すれば厚生年金の加入対象となります。厚生年金保険は政府が運営し、厚生労働大臣がその管理責任を負っています。しかし、実際の運営事務は、日本年金機構が運営する年金事務所で執り行っているので、問い合わせなどは年金事務所にすることになっています。

個人がもらっている給料によって金額が異なる


厚生年金の保険料は、個人がもらっている給料によって金額が異なります。厚生年金の保険料は、標準報酬月額によって算出されます。この標準報酬月額を決める方法は、大きく分けて資格取得時決定・随時改定・定時決定の3種類に分かれます。そもそも標準報酬月額は被保険者が事業主から受ける報酬額を、等級といういくつかの幅で区分した、仮の報酬月額、つまり標準報酬月額区分表に当てはめて決定しています。この中の資格取得時決定は社会保険に初めて加入する時の決定で、給与が月毎の場合は、入社時に決められた初任給に、手当を加えた額になる、給与が週毎の場合は、週給を7で割って30倍した額です。給与が日や時間毎の場合は、資格取得の1ヶ月前に1ヶ月間、その事業所で同じような仕事をして賃金を受けた人の賃金を平均したものと、細かく決まっています。

厚生年金の特徴

厚生年金の特徴について、分かりやすく説明したいと思います。以下では、最初から2階建ての年金と称されるわけ、厚生年金保険料は上昇傾向、厚生年金を払い込む年齢はいつまでという疑問、厚生年金はいつからもらえるという疑問について、深く掘り下げていきます。厚生年金は国民年金に上乗せしてもらえるので、国民年金だけで生活が苦しいというふうになることはありません。ちなみに年金の種類に関係なく、老後の生活には一体いくらぐらいの費用がかかるのかというと、多数派の意見では2,000万円ほどとなっています。例えば、夫婦二人で老後を過ごすとして、最低でもかかる日常生活費の月額は、平均22万円必要という統計があります。もう少し余裕のある生活を送りたいのなら、月額35万円必要です。厚生年金が上乗せで支給されるからといって、何もしないのではなく、他の国民年金基金、個人型確定拠出年金、企業型確定拠出年金、確定給付企業年金、厚生年金基金に加入できる方は加入してみてください。

最初から2階建ての年金

国民年金は20歳以上~60歳未満のすべての人が加入する年金です。さらに法人に勤めるサラリーマンは国民年金に加えて、厚生年金にも加入しなければなりません。よく例えられているのは国民年金が「一階建て」、厚生年金が「二階建て」という表現で、ひと目でわかる表現となっています。なお、「三階建て」には前述の国民年金基金、個人型確定拠出年金、企業型確定拠出年金などが該当します。それぞれの違いですが、国民年金基金は会社員との年金額の差を解消するために創られた公的な年金制度です。個人型確定拠出年金は、別名iDeCo(イデコ)で、加入者が月々積み立てする、用意された金融商品で60歳以降に年金か一時金で受け取るものです。企業型確定拠出年金は、会社が退職金制度として導入している場合に加入するものです。そのため掛け金は会社が負担しています。このように国民年金に上乗せする年金はたくさんあるのです。

厚生年金保険料は上昇傾向

厚生年金保険料は、どういう傾向にあるのでしょうか。厚生年金保険料は上昇傾向にあり、2004年から毎年0.354%ずつ引き上げられ、2017年以降は18.3%になる予定です。厚生年金の保険料の値上げは2017年で終了となりましたが、国民年金は2017年以降も値上げがされる可能性があるようです。ちなみに厚生年金では育児休業の期間は、保険料の納付は免除されます。産前42日(多胎妊娠は98日)、産後56日のうち、妊娠や出産を理由に、仕事に従事しなかった期間は、保険料の納付はすることがありません。また、満3歳未満の子を養育するために取得する、育児休業の期間も、保険料の納付は免除されます。国民年金は産前産後の期間中しか、保険料の納付は免除されません。この格差は、将来問題になるかもしれません。

厚生年金を払い込む年齢はいつまで?

厚生年金を払い込む年齢はいつまでか説明したいと思います。60歳以上の年金支給開始年齢になると、老齢厚生年金が受給でき、払い込みも終わります。ただし、厚生年金の被保険者となる形で、働いている70歳未満の方は厚生年金の保険料を負担しなければなりません。簡単に言うと、退職して企業で働くことを辞めた時が、厚生年金への加入資格を喪失するという、つまり保険料を支払う義務がなくなるというわけです。なお、状況によって違いますが、企業で働いている限りは70歳までは厚生年金へ加入することが必要なので、保険料を支払う、60歳から年金を受給する、年金を受給しながら働く場合、保険料を払いながら年金受給する、というパターンがあります。年金を受給しながら保険料も払いながら年金受給するパターンですが、在職老齢年金・高年齢雇用継続給付・在職老齢年金が関係してきます。60歳以上で働く場合は詳しく調べてみてください。

厚生年金はいつからもらえる?

厚生年金はいつからもらえるのかというと、原則65歳からですが、60歳~70歳までを選ぶことが可能です。65歳が基準で、65歳より早く年金を受給することを繰り上げ受給、65歳より遅く受給することを繰り下げ受給と言います。繰り上げ受給は年金受給額が減額され、繰り下げ受給の場合は年金受給額が増額されます。なお、減額は最大30%、増額は最大42%となっています。減額割合は請求時の年齢で違ってきます。例えば、60歳~60歳11ヶ月は30%~24.5%、61歳~61歳11ヶ月は24%~18.5%、62歳~62歳11ヶ月は18%~12.5%という割合となります。繰り下げ受給の増額割合は、66歳~66歳11ヶ月は8.4%~16.1%、67歳~67歳11ヶ月は16.8%~24.5%、68歳~68歳11ヶ月は25.2%~32.9%となります。

厚生年金の計算方法

それでは具体的に厚生年金の金額を計算する方法を紹介します。下記では順番に紹介しますが、標準報酬月額を決める、会社と本人が半分ずつ負担することについて、掘り下げていきます。厚生年金の計算は、自分でもすることができますが、保険料を計算してくれるウェブサイトがあるので、そこでシュミレーションすることができます。計算するウェブサイトでは、給料か賞与か選んで入力する報酬額、一般か坑内員か船員か選んで入力する期間で保険料が出てきたり、従業員の折半額を計算してくれたりします。また、標準報酬月額、保険料、従業員分の金額を見ることができます。自分で保険料を計算する時の式ですが、毎月の保険料額は標準報酬月額×保険料率、賞与の保険料額は標準賞与額×保険料率で、計算することができます。標準報酬月額は、簡単に言ってしまうと平均給与額のことを意味しています。基本的に4月、5月、6月の給料の平均で決められます。つまり、4月~6月に残業や出張などが多かった場合、厚生年金の保険料が高くなってしまいます。こういった情報をしっておけば、収入の調整ができるので、情報を持っているのはいいことと言えます。

標準報酬月額を決める

標準報酬月額とは、4~6月の報酬(基本給、各種手当)の平均を標準報酬月額表にあてはめて、その年の9月から来年8月までの「標準報酬月額」を決めていきます。標準報酬月額表の等級は29等級もあるので、どれに当てはまるか見て参考にします。具体的な例で考えると、厚生年金基金に加入していない、一般の被保険者の保険料を計算してみましょう。賞与がない報酬月額が25万円という方は、報酬月額25万円以上から27万円未満の等級16に当たります。つまり標準報酬月額は26万円となり、保険料は26万円×17.828%=46,352.80円となります。被保険者の負担分は半額の23,176.40円です。標準報酬月額は平成28年10月から、全部で31等級あります。ちなみに1等級は88,000円・2等級は98,000円・3等級は104,000円という感じになっていて、4月・5月・6月の報酬の平均額を等級に当てはめて計算します。つまり、4月から6月の収入を意図的に減らせば、保険料を減らして、節約することができます。標準報酬月額は、下記の表を参考にしてみてください。
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会社と本人が半分ずつ負担する。

厚生年金の保険金額を計算する時に、知っておく必要があるのが、会社の負担分です。会社の負担分は、本人と同じく半分ずつ負担します。厚生年金の他には、健康保険・介護保険の3つが、会社と本人が半分ずつ負担することになっています。会社が本人の個人負担額と合わせて、毎月年金事務所や協会けんぽに納付しています。保険料を受け取る本人にとっては、計算する時に知っておくべき情報というだけですが、会社側からすると、費用を用意しておかなければならないものなので、大変な金額になります。例えば、50歳で月収50万円、年収600万円の人を雇用するとなると、会社負担は毎月72,775円で、年に換算すると873,300円という莫大なお金が必要です。採用を検討する段階で、ただ人物を見て採用を決定せず、会社側は費用が追加でかかることを忘れないようにしなければなりません。会社側からの目線で考えると、全く感覚が違うことが分かります。

厚生年金に関するノウハウ!

厚生年金について知っておくと得するノウハウがあります。ノウハウを知らないのと知っているのでは全く違います。ここではその厚生年金のノウハウを紹介したいと思います。以下で厚生年金の遺族厚生年金とは何なのか、会社勤めで厚生年金は天引きされるのか、厚生年金における扶養とは何なのかについて、深く掘り下げていきます。細かいかもしれませんが、厚生年金のノウハウを知っておくことで損はしませんので、この機会に知っておいてください。そろそろ受給する年齢だという方や、将来の年金が不安だという方は、厚生年金について不安なことや、分からないことがあれば、日本年金機構に相談してみてください。相談するダイヤルは、ねんきんダイヤルという名前ですので、年金のことなら必ず電話してみてください。

厚生年金の遺族厚生年金とは?

厚生年金の遺族厚生年金とは、厚生年金加入者が死亡した際に遺族に対して支払われる年金です。条件としては「厚生年金加入者が在職中に亡くなったとき」や、「老齢厚生年金の資格期間を満たした者が死亡したとき」などになります。遺族厚生年金を受ける時には、前提として、死亡した厚生年金加入者が一定の厚生年金保険料を納めていることが必要です。この一定の厚生年金保険料というのは、遺族基礎年金と同じく、保険料納付済期間が、国民年金加入期間の2/3以上あることと決められています。なお、遺族厚生年金を受け取るのは遺族となりますが、遺族の範囲が広いので注意が必要です。受給対象者は、死亡した国民年金加入者の子供がいる妻か子供、18歳未満の子のない妻、55歳以上の夫・父母・祖父母、18歳未満の孫、20歳未満で1,2級の障がい者となります。厚生年金加入者が在職中に亡くなるなど、思わぬ所で夫が亡くなったという場合に、遺族厚生年金があれば、遺族の方も安心して生活ができるというものです。

会社勤めで厚生年金は天引きされる?

次は会社勤めで厚生年金は天引きされるのか、という疑問になります。答えは、「国民年金」+「厚生年金」の保険料が天引きされます。意外と天引きされている事実を知らない人はよくいます。給与明細を見ると、支給額と振込額の差があることが分かります。それは色々なお金が控除されているからです。控除額が少なければ手取りは多いですが、控除額が多ければ手取りは少なくなります。給与から天引きされているのは、税金と社会保険になります。税金は所得税・住民税、社会保険は健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険です。他には会社独自の制度、給与控除で加入する貯蓄制度、労働組合費、共済費などもあります。なお、厚生年金保険料は該当月を翌月の給与で控除するということになります。4月に途中入社した場合は、4月から厚生年金加入となり、4月分の保険料は5月の給与で控除し、5月末日に年金機構へ支払うということになります。

厚生年金における扶養とは?

会社のサラリーマンの場合は厚生年金に加入することになります。この厚生年金の納付を行っている者を第2号被保険者と言います。第2号被保険者の配偶者で20歳以上、60歳未満の者は、第3号被保険者と呼ばれます。これが厚生年金の扶養です。健康保険の扶養とは違って、第2号被保険者の配偶者のみが扶養の対象となります。厚生年金の扶養は、20歳以上60歳未満であれば、納める義務のある国民年金の支払いが無料となるものです。被扶養者になるためには、年間収入が130万円未満・60歳以上の方・障害厚生年金を受けているなら年間収入が180万円未満・同居をしているなら収入が扶養者の収入の半分未満という条件を満たす必要があります。ちなみに収入とは、公的年金・健康保険の傷病手当・出産手当・雇用保険の失業給付のお金も含まれています。

国民年金のみの加入と厚生年金にも加入している場合の受取額の違いは?


国民年金のみの加入と、厚生年金にも加入している場合の受取額の違いについて、解説したいと思います。以下では、国民年金の受け取り平均額、厚生年金にも加入した場合の平均月額、夫婦2人の場合:妻も夫も国民年金のみの場合、夫婦2人の場合:妻も夫も国民年金のみの場合、夫婦2人の場合:妻は国民年金、夫は厚生年金にも加入の場合について、説明します。年金の種類で受け取り金額には、かなりの差があります。老後の生活は、誰もが元気にアルバイトやパートで働いて、お金を稼げるわけではありません。年金だけを頼りにしている人にとっては、死活問題になってしまうことも考えられます。若いうちから、自分がどの年金に加入していて、どれくらい貰えるのかシュミレーションしておくことで、将来の不安を解消し、備えにもなります。

国民年金の受け取り平均額

国民年金だけの受け取り平均月額は、54,497円です。これは、厚生労働省が2017年3月に発表した報告書による受け取り平均月額です。ただし、40年間保険料を支払った場合の満額で、実際に平均月額の金額をもらっている人は少ないと言えます。月額でこの金額だけでは生活することはできません。元気で働けるうちはいいですが、年金を頼りに生活するようになった場合は、満足な介護サービスも受けることはできません。それでは次は厚生年金を加えた場合を紹介します。

厚生年金にも加入した場合の平均月額

国民年金だけでなく、厚生年金にも加入した場合は、国民年金+厚生年金の平均月額は202,010円です。国民年金だけの場合と比較すると、4倍近く差があります。この金額なら夫婦2人でも最低限暮らしていける金額と言えます。国民年金に上乗せされる年金があれば、かなり楽に生活することが可能です。厚生年金の他には、国民年金基金、個人型確定拠出年金、企業型確定拠出年金、確定給付企業年金、厚生年金基金が上乗せすることができます。国民年金基金は少ない掛け金や自由なプランで始められることが魅力です。加入した後もライフサイクルに合わせた掛け金の増減もできます。国民年金にプラスして自分で入る公的な年金を始めてみてはいかがでしょうか。

夫婦2人の場合:妻も夫も国民年金のみの場合

夫婦2人の場合で、妻も夫も国民年金のみの場合の平均月額は、夫婦で108,994円です。やはり夫婦2人で考えても、国民年金のみの場合だけでは、少なくて生活していけません。ここで男女の年金の支給額の違いについて考えてみましょう。平成26年度の受給額で比較してみますと、厚生年金・国民年金部分と老齢基礎年金を含むと、全体の月額平均支給額は約15万円で、年間にすると178万円です。男性の平均支給額は約18万円、年間216万円、女性の平均支給総額は約11万円、年間130万円です。こうして考えると男女の差があることが分かります。夫婦で人生設計を考える時は、こうした差があることも理解しておく必要があります。

夫婦2人の場合:妻は国民年金、夫は厚生年金にも加入の場合

夫婦2人の場合で、妻は国民年金、夫は厚生年金にも加入の場合の平均月額は、夫婦で256,507円です。25万円以上となると、夫婦2人で老後の最低日常生活費の平均の22万円以上は超えているので、老後の生活は安心と言えます。もっと上乗せしたいのであれば、国民年金基金、個人型確定拠出年金、企業型確定拠出年金、確定給付企業年金、厚生年金基金に加入することもいいでしょう。次に厚生年金基金ですが、基本的な仕組みは国の行う年金制度のうち、老齢厚生年金の報酬比例部分の年金を代行しています。さらに企業に応じた独自の上乗せ給付を上乗せした年金給付を行ってくれます。

老後の生活費は国民年金だけで足りる?

老後の生活費は国民年金だけで足りるのでしょうか?夫婦二人で老後の「最低日常生活費(月額)」は平均22万円です。これでもささやかな生活をするくらいなら十分ですが、ゆとりある生活なら35万円が必要になります。老後の生活で夫婦仲良く暮らすためには、精神的なものより、金銭的なものの方が重要になります。そのため国民年金だけでなく、上乗せでもらえる厚生年金などに加入しておくことは、かなり重要と言えます。

まとめ

厚生年金のあれこれを紹介しましたが、お役に立ったでしょうか?ここでは、厚生年金の特徴、具体的な計算方法など数多くの情報を掲載しました。また、紹介した以上の情報から、厚生年金の加入の重要性を再認識してもらって、将来の人生設計をしてみてください。きっと不安なく老後を過ごせること間違いなしです。

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