限定承認とは?メリット・デメリットや手続方法を紹介!

遺産相続の話し合いをする場合には、知らなかったことや理解が乏しい項目が多く、思うように話が進まないケースもあります。その中でも限定承認と言う制度があり、遺産を相続する際の選択肢の幅が広げられるようになっています。今回はメリットやデメリットも含めて、限定承認の手続き方法について紹介します。是非参考にしてみてはいかがでしょうか。

限定承認とは


限定承認とは、亡くなった人のマイナス分は背負わなくてもよいという制度のことを指します。ただしプラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐ必要はあります。例えば、プラスの財産が1,000万円、マイナスの財産が1,200万円の場合、1,000万円のマイナスの財産は引継ぎプラス財産から返済します。限定承認とは一体どのような制度なのでしょう。

限定承認の制度を利用した方が良いケース

全ての方が限定承認の制度を利用した方が良いとは限りません。どのような方が制度を利用した方が良いのかと言いますと、財産のプラスマイナスが分かっていない場合や相続人の一人が家業を継ぐ場合、相続する財産の中に家宝などが含まれている場合には限定承認の制度を利用するのが良いでしょう。

相続放棄?限定承認?実際にはどちらが多い?

相続を放棄するパターンと限定承認ではどちらのケースが多いのでしょう。実際には相続放棄のケースの方が圧倒的に多いとされていて、理由としては手続きが複雑である点にあります。もっと簡単に手続きができるようになりますと、限定承認を検討する方が多くなるのかもしれませんが、相続人全ての同意を得ることを考えると躊躇してしまうケースが多いようです。

限定承認をする際の注意点

もしも限定承認の制度を活用する場合はどのようなことに注意すると良いのでしょう。一つは3か月と言う期限に注意することです。もう一つは納める税金についてです。遺産に関する手続きが複雑で面倒なイメージがあるのは、税金に関する手続きが関係している場合があります。しかし納税は義務であり決まりですので、忘れずに納めるようにしましょう。

相談相手はやはり弁護士?

相続放棄や限定承認に関する相談は、近くの弁護士事務所を利用するのがおすすめです。しかし相続の相談実績が高い事務所の方がよいので、事前に良く調べて利用先を決めると良いでしょう。中には初回無料相談で対応する事務所もありますので、依頼先を比較検討する際に賢く活用すると安心です。

限定承認のメリット


では限定承認の制度を利用するメリットはどこにあるのでしょう。

借金などマイナスの財産を背負わなくてよい

相続イコールプラスの財産と多くの方が考えがちますが、実際には借金やローンなどのマイナス面も受け継ぐ必要があります。しかし限定承認を利用することで、マイナス分の財産を背負う必要がなくなるので、現在の生活を大きく変える必要がありません。

プラスの財産のほうが多い場合はそのまま引き継げる

財産のプラス分が多い場合、そのまま引き継げるのは限定承認のメリットです。限定承認を検討する方の多くは、マイナス分を背負う負担を大きく感じています。プラス分が多い場合にそのまま引き継げるのは、大きなメリットとなります。

不動産を残したい場合は要望することができる

相続する財産に不動産が含まれている場合、不動産のみを相続してマイナスの財産は相続しないようにできるのが限定承認の良さです。

限定承認のデメリット

限定承認にはメリットもありますがデメリットもあるようです。限定承認のデメリットとは、一体どのような点なのでしょう。

相続人全員の同意が必要

限定承認のデメリットとして挙げられる項目の一つが、相続人全員の同意が必要である点です。相続人が少ない場合でも大変な作業ですが、多い場合には更に大変な作業となりますので大きな負担となります。

譲渡所得税が課税される可能性あり

限定承認でマイナスの財産をプラス財産内で引き継いだ場合、財産を売却して収入があったとみなされるため、税金が発生します。みなし譲渡所得課税と呼ばれるこの税金は、適切な手続きをして税金を納める必要があります。

手続きが面倒


様々な手続きを踏まえて書類を用意する必要がある限定承認は、手続きが面倒な所が気になって制度を活用しないことを選択する方が多いようです。

限定承認の手続き方法

限定承認の申し立ては家庭裁判所で行います。家庭裁判所はどこの家庭裁判所でも良いのではなく、故人が居住していた地域の家庭裁判所を利用します。

まずは相続財産・負債の調査を行う

限定承認の申し立てがあった場合には、本当にマイナスの財産が存在しているかを調査しなければなりません。相続財産や負債の調査を行います。

期間は3か月以内!相続準備を進める

被相続人が亡くなったことを知ってから3か月を超えると限定承認ができなくなってしまいますので、期限を守って速やかに手続きを進めましょう。延長が必要な場合は家庭裁判所に対して熟慮期間の伸長を申し立てることができます。そのような場合には、延長しなければならない理由を明確にして、その理由が認められた場合のみ延長されます。どのくらいの期間が延長されるのかを決めるのも家庭裁判所です。

相続人全員の意見をまとめる

限定承認は相続人全員の同意が必要ですので、必ず相続人全員の意見をまとめておきます。人数が多い場合でもスムーズに話が進むケースもありますが、最後まで納得しない人がいるなど、苦労をするケースも十分あります。3か月と言う限られた期間で上手く話がまとまるようにしましょう。

申述書・相続財産目録を作成する

相続人の意見をまとめて終了ではありません。申述書や相続財産目録を作成するため、被相続人の除籍謄本や財産・負債に関する資料など様々な資料を用意する必要があります。詳しい情報は下記を参照して下さい。

限定承認の申請に関して

家庭裁判所において限定承認申述受理を審判

限定承認者は相続財産の清算手続を行う必要がありますので、限定承認者の場合は5日以内、相続財産管理人の場合は選任後10日以内に限定承認をしたことと債権の請求公告の手続をします。

限定承認を行う際の費用は?


限定承認を行う場合には、全て無料でできるわけではありません。一体どのくらいの予算を見積りしておくと良いのでしょう。

弁護士への相談費用

弁護士にもよりますが、初回相談については無料で応じてくれるところから数千円ほど掛かるところまで様々です。その後何度も継続して相談を行い、アドバイスを受けるなどしますと更に費用は掛かります。しかし複雑で難しい内容ですので、個人で進めるよりも頼れる専門家の存在は大きくなります。

着手金

限定承認などの遺産相続に関しての相談に関する着手金は30万円ほど用意しておくと安心です。弁護士事務所によって金額が変わる可能性もありますが、この金額が一般的で、このぐらいの金額を用意しておけば間違いないはずです。

成功報酬金

成功報酬金は、弁護士に謝礼として支払う金額です。財産の数パーセントなど弁護士によって異なりますが、お世話になったお礼と無事に解決したことへの感謝の気持ちで支払う費用です。

裁判手続き費用

裁判の手続きには2千円ほどの費用が掛かります。弁護士への報酬などに比べますと大きな出費ではありませんが、裁判をする際にも無料では進められず、費用は必要になることを理解しておくのは大切です。

相続人同士で話し合いをする際のコツは?

相続人同士が気持ちを一つにして意見をまとめる必要がある限定承認ですが、大勢いる相続人同士が全員一致して同じ気持ちになることは難しい場合もあります。どのような話し合いをするとトラブルにならずに、円満な解決ができるのでしょう。

感情的にならない

話し合いの場で討論をする場所ではない親族との集まりは、感情的になってしまいますと、スムーズに話が進まなくなります。自分が冷静でも相手が感情的になってしまうのも同じで、落ち着いて話ができるせっかくの機会を無駄にしてしまいます。せっかく時間を調整してみんなで集まる場となりますので、時間を有効に活用しましょう。

相手の意見を一度は聞き入れる

一方的に自分の意見ばかり言うのではなく、相手の話も一旦は受け入れるようにしましょう。すべて否定的に話をするのでは、まとまる話もまとまりません。自分の主張ばかりではなく、相手の意見にも耳を傾ける余裕が重要です。

相続するものは故人のものであることを再確認する

遺産相続の話し合いで多く起こる現象としては、自分の取り分をどのようにしたら少しでも増やせるか…と意地になる方が多いことです。しかし故人の持ち物を代理で受け継ぐ遺産相続は、本来の持ち主が故人であると理解しますとそれほどトラブルになることはないはずです。今一度遺産や相続について改めて考え直して、故人が遺してくれた大切な財産であると再確認するようにしましょう。

できれば全員が一堂に集まる

相続人が多い場合やそれぞれが遠方に住んでいる場合など、全員が揃って話をすることは難しいかもしれません。しかし、遺産や相続の話し合いで多いトラブルは、後になって話を聞いていないと文句を言うケースや、言った側と聞いていない側の言い争いなど、話し合いの場にいなかった方が後になって騒ぐケースが多いようです。それぞれの予定や移動距離の問題もありますが、その後の付き合いも円満にするためには、なるべく相続人全員で集まるようにすることをおすすめします。

まとめ

いかがでしたか。限定承認にはメリットもありますが、デメリットとなる部分も多いことが良く分かりました。できれば争いがなく進めたい遺産の話し合いですが、工夫次第で思った通りの結果に繋げられる場合もあります。今の自分にはあまり関係がないという若い世代の方も、是非今後の参考にしてみてはいかがでしょうか。

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