遺言信託とは?メリット・デメリットと注意点を解説!

大切な家族や親族が亡くなった後に、相続問題で揉めるという話があります。揉め事を未然に防ぎたいなら、有効な手段が遺言信託という方法です。遺言信託の意味、メリット・デメリット、注意点を詳しく説明します。

遺言信託とは?


遺言信託とは、遺言を書く際に遺言執行者として信託銀行を指定し、相続発生時は信託銀行が遺言に記載した内容の通り財産分割の手続きを行う制度です。相続トラブルが予想される場合や、合理的な遺産分割をしたい場合、相続人以外に遺贈したい場合などに最適です。トラブルになれば長期戦になるので、時間を有効に使いたい方にもお勧めの方法です。

遺言信託の依頼方法

遺言信託を依頼するには、依頼する流れがあります。信託銀行へ事前相談して、財産確認と遺言内容の相談をして、公正証書遺言の作成をします。ほとんどの方にとって、馴染みがない遺言信託ですので、依頼する流れも分からない方が大半を占めます。ここで依頼方法を把握して、依頼する際の参考にしてみてください。

信託銀行へ事前相談


遺言を作成する為には、信託銀行に事前相談する必要があります。その相談内容は遺言を作成する意向、相続人・受遺者や対象となる財産についてで、遺言書の内容の詳しい内容まで相談します。信託銀行側からの生涯設計・生前贈与・遺産承継対策の全般へのアドバイスをしてくれますし、場合によっては顧問弁護士や税理士と協力して対応してくれるので、事前相談はおすすめです。

財産確認と遺言内容の相談

財産確認をする意味とは、やはり相続税がどのくらいかかるのかということになります。相続税が発生することが分かれば、節税対策や納税資金の確保を含めた提案を信託銀行側で対応してくれます。次に遺言内容の相談ですが、遺族へ何を伝えたいのか、誰にどの財産を渡したいのか、細かな希望を相談します。一般的には遺言内容に何を盛り込んだらいいのかを相談することが多いです。

公正証書遺言の作成

あらかた内容が決まったら、公正証書の形式で遺言書を作成します。公正証書遺言は自筆証書遺言と同じく民法の定めている遺言の方式です。公正証書遺言は公証役場で作成し、担当弁護士を証人として同行させて行います。自筆証書遺言より偽造・変造・紛失の危険性がなく、病床の方や文字を書けない方でも遺言することが可能なので、安全性を重視するなら、公正証書遺言が最善と言えます。

遺言信託のメリットは?

遺言信託を運用するメリットは、遺言作成にあたって事前に相談が受けられて便利、相続のルールや資産の仕組みなどを教えてもらえて役に立つ、作成や保管をしてくれるので安心、などが挙げられます。その他にも定期的な相続の見直し、相続発生時の手続きをしてくれるなど、遺言についてよく分からない方にとっては、かなり安心できるものばかりです。

遺言作成の事前相談を受けられる

事前相談では財産内容の確認や、遺言内容についての相談をすることが多いです。特に、子供がおらず相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合で、配偶者に全財産を遺したいという方、法定相続分に関係なく自分で財産配分を行いたい方、社会貢献で財産を公共の役に立てたい方は、その希望を遺言に盛り込みたいことを事前相談してみてください。

相続のルールや資産の仕組みなどを教えてもらえる

相続のルールや資産の仕組みについて、知りたいと思って自分なりに調べても分からないことが出てきます。信託銀行は遺言信託のプロですので、そういった疑問点なども聞けば教えてくれます。専門的な知識を直に聞けますし、より応用度が高い情報を知ることができるので、かなりためになるのではないでしょうか。

作成や保管などを行ってもらえる

遺言作成から、遺言の保管を依頼人に代わってしてくれるので、紛失せずに済みますし、遺言の執行が数十年という将来に渡っても安心です。個人で遺言作成から保管までするには、限界がありますが、信託銀行という組織に依頼するので、安心です。弁護士や司法書士に依頼する場合は、担当の方が亡くなったりしたら対応してもらえないことも考えられるので、信託銀行の方が安全です。

定期照会(定期的な相続の見直し)を行ってくれる

自分でやるより確実なのは、定期的な相続の見直しです。相続の見直しというのは、相続人や遺産の状況、遺言の内容に変更がないか、信託銀行から照会されます。変更があった場合、その変更に応じた手続きに対応してくれます。この定期的な紹介により、変更や手続きもれを防ぐことが可能になるというわけです。個人で定期照会の変更や手続きに対応することは至難の業なので、信託銀行に依頼した方がいいでしょう。

相続発生時の手続きを行ってくれる

相続発生時の手続きは、実際に相続が発生した場合、信託銀行が遺言執行者になって、相続が執行され、必要となる財産目録の作成や遺産管理、名義変更、遺産の分配、相続税の納付などの手続きを行ってくれます。信託銀行で遺言信託を依頼するとなれば、手数料がかかりますので、どのくらい予算がかかるのかは各信託銀行により違いがあります。

遺言信託のデメリット

以上のことから遺言信託は、メリットばかりあるように感じますが、何にでもデメリットはあります。遺言信託のデメリットは、ある程度高額な費用が必要であること、法的紛争がある場合は引き受けてくれないこと、遺言書作成が長いこと、身分に関する事項は行えないことなどです。以下で詳しく説明したいと思います。

ある程度高額な費用が必要


遺言信託は高額な費用が必要です。大体20万円~30万円が相場となっています。費用には各業務の手数料、保管料などがかかってきます。遺言書作成を大手銀行では2名以上の人員を使うので、30万円~50万円かかります。これに加え毎年の保管費用が6,000円くらい、遺言執行手数料が2%前後なので、かなりの金額が必要になります。その他に解約手数料・手数料増減項目などが加われば、余裕がある人でなければ利用することは難しいです。

法的紛争が想定される場合は引き受けてくれない

相続問題でよくある法的紛争は、嫌なものですが、遺言信託では法的紛争がある場合は、依頼を引き受けてくれません。信託銀行のホームページをよく見ると、小さく「遺言執行が困難な場合は遺言執行者への就職を辞退させて頂くこともあります」と書かれています。これは弁護士法72条に触れるため、紛争解決には立ち入らないということからです。遺言信託を利用する前に、法的紛争にならないか確認しておくといいでしょう。

遺言書の作成が長期になる

信託銀行では財産に関係する遺言についてだけ、遺言執行者として手続きをすることができます。子供の認知や相続人の排除については、遺言執行者として手続きをすることはできないので、遺言書を作成するまでに長く時間がかかってしまうのです。気長に遺言書を作成できないという性格の方には向いていないかもしれません。

相続時、子の認知や相続人の排除など身分に関する事項は行えない

前述したように、相続時に子供を認知することや、相続人を排除することなど、身分に関することは信託銀行にはできません。そういったことがある場合は、弁護士がいる法律事務所などに遺言執行を依頼することがおすすめです。よくある話では、相続の時になって隠し子がいることが明らかになったり、相続問題で相続人を排除することになったりすることもあるので、注意が必要です。

遺言信託は解約できない場合もある

驚くことに遺言信託は、解約できない場合もあるので、慎重になる必要があります。そのため、事前に契約書で確認しておくことが一番です。また、遺言信託を解約できたとしても、一定の費用がかかるので注意してください。解約できないことでトラブルになり、弁護士に相談するなどのケースも発生しているので、契約の段階で確認しておきましょう。

遺言信託を司法書士に委託することも可能

信託銀行を利用して遺言信託を行う他に、遺言信託を司法書士に委託する方法もあります。司法書士に委託するメリットは、費用が安く済むという所になります。他に遺言書を作成する、遺言書を保管する、遺言書を執行するという点においては、信託銀行と全く同じサービスが利用できます。

遺言信託を行ってくれる銀行を紹介


以下では遺言信託を行ってくれる銀行や、信託銀行を紹介したいと思います。大手の所ばかりなので安心感が違いますので、参考にしてみてください。

みずほ銀行

みずほ銀行の遺言信託は、遺言執行引受予諾業務というサービスです。財産に関する遺言書作成の相談から保管、相続手続きの代行を引き受け、遺言執行者として意思を確実に実現してくれます。費用は明確にホームページに掲載されているので安心です。

三井住友銀行

三井住友銀行の遺言信託は、お客様の意思を最大限に尊重し、円滑なそうぞくを実現するために、世代を超えたパートナーとしてお手伝いしてくれます。遺言書文案作成のお手伝い、遺言書の保管、遺言の執行などを行ってくれます。費用などは問い合わせで分かるようになっています。

三菱UFJ信託銀行

三菱UFJ信託銀行の遺言信託は、遺心伝心というサービス名となっています。遺言に関する事前相談から、公正証書遺言の保管、遺言の執行まで、遺言執行者として引き受ける業務です。こちらでは費用や詳細を確認できる資料請求をすることができます。

りそな銀行

りそな銀行の遺言信託は、一般型とパッケージ型遺言信託というサービスがあります。パッケージ型は子や孫、両親がいないという、一人にだけ遺贈する場合に手数料が有利なパッケージ型となっています。費用は基本コースとオプションコースで異なりますが、ホームページで公開されています。

まとめ

次の新しい世代に、自分が築き上げた財産を渡せる遺言信託の情報を紹介しましたが、いかがだったでしょうか?この記事を参考にして遺言信託を依頼してみてください。

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