在宅医療の現状とメリット・デメリットを解説!

できる限り環境を変えない状態で過せる自宅で適切な医療が提供される在宅医療への関心は高まっていますが、現状はどのようになっているのでしょう。また在宅医療には良い面とされるメリットと、マイナス面とされるデメリットがあるようです。今回は在宅医療について詳しく紹介しますので、是非参考にしてみてはいかがでしょうか。

目次

在宅医療とは?


在宅医療は文字通り、自宅にいながら医療が提供されることですが、在宅医療には2種類あるようです。一体どのような内容になっているのでしょう。

在宅医療のことを知ろう!

訪問診療と往診の2種類ある在宅医療は、定期的に医師が自宅に訪問し計画的に治療を行う訪問診療と、具合が悪くなった際に医師が訪問する往診があります。

詳しく知りたい訪問診療や往診について

テレビドラマや映画、アニメなどでも自宅に医師が訪れて診察をする訪問診療や往診を描くシーンが良く登場しますが、現在ではあまり普及していない医療のスタイルと思われます。しかし通院が困難な方が継続して医療が提供される環境を維持するほか、通院に付き添う家族の負担を減らすなど、様々な必要性があります。

在宅医療が求められる理由

病院や施設を嫌がる方は多く、通院ではなく入院や長期入所と考えますと、拒絶する方は珍しくありません。できれば住み慣れた自宅で医療が提供されることを望むケースが多いですが、24時間体制で緊張を強いられる家族側にとっては、大きな負担となることもあるでしょう。しかし最近はプロの力を借りられる環境や体制が整い始めていて、高齢化社会であるからこそ在宅医療を選択する方もいます。

在宅医療は金銭的な余裕が必要?


お金持ちが行う印象が強い在宅医療ですが、それほど金銭的な余裕がない場合でも在宅医療を選択することは可能なのでしょうか。

場合によってはリフォームが必要

住まいの状態にもよりますが、バリアフリー化や医療ベッドが置けるように部屋を改築するなどのリフォーム工事をする必要性があります。しかしこのような工事をする場合には、地域で補助金がある場合や税金が優遇されるなど、負担を軽くしながらより良い環境を整えることもできます。

有効な情報を仕入れるようにする

在宅医療には人それぞれ様々な意見がありますので、中には否定的な意見を言う方やそのような記載をする書籍なども多数あります。溢れる情報から自分が本当に必要とする情報のみを仕入れて、適切な判断ができるようにすることです。

専門家の力を最大限に使う

費用を削減するために何でも自分一人で行うのは限界がありますが、プロに任せる部分は思い切って任せてしまい、自分の体や心がいつでも健康な状態でいられる環境を整えることです。在宅医療を受ける方の症状にもよりますが、専門家に相談して一丸となって在宅医療を進めることは、実際には様々な制度の活用によって、それほど費用は掛かりません。

医師だけではない訪問サービス


医師による往診や訪問診療がイメージされる在宅医療ですが、最近では薬剤師による訪問が実現していて、必要な薬を届けてもらうだけでなく、薬に関するアドバイスなどを受けることができます。また理学療法士などの専門スタッフの在宅医療によって、自宅にいながら適切なリハビリを受けられます。その他歯科衛生士や栄養士など、それぞれの分野のプロフェッショナルが自宅に来てくれるサービスを活用することで、費用を抑えた在宅医療へと近づけます。

在宅医療の提供体制で求めてられる医療機能は?

在宅医療は自宅と病院のみの関係性を強めるだけでは成り立ちません。求められる医療機能はどのようなものがあるのでしょう。

退院支援

入院医療機関と在宅医療に係る機関の円滑な連携によって、切れ目のない継続的な医療体制を確保することが目標とされています。関係機関の例として病院や診療所、訪問看護事業所や薬局、居宅介護支援事業所や地域包括支援センターなどが挙げられます。求められる事項として在宅医療に係る機関は、在宅療養者のニーズに応じて医療や介護を包括的に提供できるよう調整することです。また高齢者のみでなく、小児や若年層の在宅療養者に対する訪問診療や訪問看護、訪問薬剤指導などにも対応できるような体制を確保することが求められます。

日常の療養支援

患者の疾患や重症度に応じた医療や緩和ケアが多職種協働することによって、できる限り患者が住み慣れた地域で継続的にそして包括的に提供されることが目標です。関係機関の例として、病院や診療所、訪問看護事業所や薬局、居宅介護支援事業所や地域包括支援センター、介護老人保健施設や短期入所サービス提供施設、在宅医療において積極的役割を担う医療機関や在宅医療に必要な連携を担う拠点が挙げられます。求められる事項は、相互の連携により在宅療養者のニーズに対応した医療や介護が包括的に提供される体制 を確保することです。また地域包括支援センターなどと協働しつつ、療養に必要な医療や介護、家族の負担軽減につながるサービスを適切に紹介すること も大切です。更に医薬品を始め、医療や衛生材料などの供給を円滑に行うための体制を整備することが重要となります。

急変時の対応

急変時の対応の目標は、在宅療養者の病状の急変時に対応できるように在宅医療を担う病院や診療所、訪問看護事業所や入院機能を有する病院、診療所との円滑な連携による診療体制を確保することです。関係機関の例として挙げられるのは病院や診療所、訪問看護事業所や薬局、在宅医療において積極的役割を担う医療機関や在宅医療に必要な連携を担う拠点となります。求められる事項における在宅医療に係る機関は、病状急変時における連絡先をあらかじめ在宅療養者やその家族に提示しておくことです。また、求めがあった際に24時間対応が可能な体制を確保することも大切になります。24時間対応が自分の病院で難しい場合も、近隣の病院や診療所、訪問看護事業所などとの連携により24時間対応が可能な体制を確保することです。入院医療機関に求められる事項は、在宅療養支援病院や有床診療所等において、連携している医療機関が担当する在宅療養者の病状が急変した際に、必要に応じて一時受け入れを行うこと です。また重症で対応できない場合は、他の適切な医療 機関と連携する体制を構築することが大切になります。

看取り

目標とされる体制は、住み慣れた自宅や介護施設など、患者が望む場所での看取りを行うことができる体制を確保することにあります。関係機関の例として挙げられるのは病院や診療所、訪問看護事業所や薬局、居宅介護支援事業所や地域包括支援センター、在宅医療において積極的役割を担う医療機関、在宅医療に必要な連携を担う拠点などです。在宅医療に係る機関の求められる事項は、終末期に出現する症状に対する患者や家族の不安を解消して、患者が望む場所での看取りを行うことができる体制を構築することにあります。また患者や家族に対して、自宅や住み慣れた地域で受けられる医療や介護、看取りに関する適切な情報提供を行うことも大切です。更に介護施設などによる看取りを必要に応じて支援することがポイントです。入院医療機関に求められる事項は、在宅医療に係る機関で看取りに対応できない場合は、病院や有床診療所で必要に応じて受け入れることです。

どんな人が在宅医療を希望する?


年齢重ねた方が希望するイメージがある在宅医療ですが、症状やその方の立場によっては、様々な方が在宅医療を検討するようです。一体どのよう方が関心を抱くのでしょう。

小さな子供がいる若い世代の患者

若い母親にとって小さな子供を家族に任せて入院するのはつらいはずです。症状によっては退院時期の見通しが立たない場合も多く、このような場合は在宅医療を検討するケースが多いようです。自宅に戻っても普段通りに体が動くわけではありませんが、子供にとっても母親が家にいる安心感となりますので、精神面を安定させる効果があります。

経済的な余裕がある方

やはり経済面は大きなポイントです。入院する費用に比べますと在宅医療の方が安く済みますが、それなりに余裕がある方が検討する医療の一つです。患者の年齢や病名によっても異なりますが、どうしても病院が無理な方にとっては有効な手段です。

がん患者の方

がんの在宅医療は訪問診療と往診、更には訪問看護の組み合わせによって、かなりの領域の対応ができます。がんの医療は、外科療法や放射線療法、化学療法や緩和ケアに分けることができますが、在宅医療の場合は専門性が高く本格的な疼痛管理や緩和ケアが受けられます。原則としてがん末期の患者に対して、在宅でモルヒネなどの麻薬ほか、鎮痛剤を使用した鎮痛療法が行われます。在宅でモルヒネなどの麻薬を使用している患者さんに対しては、薬剤師が訪問してその服用や保管の状況を確認して指導します。

在宅医療を考えた場合、支える家族が行うべきことは?

本人の強い希望によって在宅医療を検討する場合、世話をする家族にとっても重大な決断となります。直接世話をする方だけでなく、共に暮らす全ての方の日常を大きく変えることになるでしょう。場合によっては、親族の力を借りて乗り越えることを考えますと、簡単に決断出来ない内容です。家族はまず何をすればよいのでしょう。

全員が同じ意見であるか確かめる

患者本人の意見も大切ですが、周りの家族にも意見を聞く必要があります。後になって本当は在宅医療に反対意見だった…とならないようにするためにも、それぞれの考えを聞いておくのが重要です。特に子供の意見もきちんと聞くことが大切になります。あまり小さな子供では難しい話かもしれませんが、状況が把握できるようになる小学生ぐらいの子供がいる場合には、意見を聞いてみるのがおすすめです。

自宅の環境が受け入れ体制が万全であるか確認する

広い自宅であっても在宅で医療を受ける場合には、それなりに今までと変える必要があります。あまりスペースが確保できていない環境であっても、工夫次第で患者も面倒を見る側も快適に過ごせます。その方が寝たきりの場合は別ですが、ある程度体が動く方の場合は、段差をなくすバリアフリー化や、ホームエレベーターの設置を検討しなければいけない可能性があります。予算の確保と共に業者への見積りなども検討すると良いでしょう。

在宅医療について詳しく調べる

自宅に患者を呼び戻して面倒を見るという感覚のみで在宅医療を始めた結果、適切な診療を受けることができない場合や、きちんと保険の手続きや税金の補助などを理解できずに損をしている方も沢山います。奥が深く実際にはあまり現状が知られていない在宅医療は、自分で情報を獲得するしかありません。難しい問題だから…と今まで避けてきた在宅医療かもしれませんが、家族が希望しているとなれば話は別です。少しずつでも良いので、在宅医療に対する知識を増やす努力が求められます。

在宅医療のメリット

在宅医療は文字通り自宅にいながら医療が提供されるという環境ですが、どのようなメリットがあるのでしょう。本人は勿論ですが家族の協力なくしては成立しない在宅医療は、一丸となる結束力が求められます。

住み慣れた環境で療養ができること

誰もが一番落ち着く場所が自宅となり、どんな間取りであろうが不便な場所であっても、その人の自宅というのはその人にとって最高のお城となります。長年暮らした家を離れるだけでなく、家族の声が聞こえない生活になる入院よりも、在宅医療を希望する方にとっては家にいられる安心感は最大のメリットです。

家族や友人と過ごすことができる

いつも他人が沢山いる病院に比べて、自分を良く知る家族しかいない自宅で過ごせることは、この上ない幸せと感じるでしょう。また病院では面会時間などもあることから、あまりお見舞いにも来てもらえないことも多かったかもしれません。その点自宅にいる方が定期的に足を運んでくれる友人に頻繁に会えるので、治療の辛さも半減するはずです。

医療費が入院より安い

医療費の中でも一番大きなウエイトを占めるのが入院費です。当たり前ですが毎日ホテルに宿泊しているようなもので、やはりこの費用を大きく抑えることができる在宅医療はメリットして捉えられます。その分自宅に医療用ベッドを用意するなどの費用が掛かりますが、長期的な量ようが求められるような症状の場合には、検討する価値があるのかもしれません。

病状によっては自宅なので自由に過ごせる

寝たきりの方や意識がないような症状の方ではなく、身動きが取れるような病状の方にとっては、在宅医療は自由が手に入りながら必要な治療が受けられる環境です。病院など医療機関では、入院している人にもそれなりのルールや規制がありますが、自宅ではそのようなことはありません。

在宅医療のデメリット

メリットがある一方でデメリットがあるのは在宅医療も同じで、良い点だけではなく今一度よく検討をした方が良い注意点を含むデメリットがありますので紹介します。是非参考にしてみてはいかがでしょうか。

家族への負担は入院した場合より大きい

入院している場合には、家族は病院に大まかなことを任せられますが、自宅での療養となる在宅医療の場合にはそうはいきません。24時間体制で365日管理するといても過言ではないでしょう。病状によっては少しの油断も許されない可能性はあることから、そのようなことを全て覚悟した上で患者を迎え入れる体制を整える必要があります。

家族の意思統一が必要

共に過ごす家族の考えが一緒でない限りは、恵まれた環境での在宅医療は難しいかもしれません。しかしそれぞれの考えがあり、病院にいた方が適切な医療を受けられて安心であるという考えを持つ方がいる一方で、本人の希望を叶えてあげたいと思う人もいます。全員が同じ気持ちになるのは難しい場合や時間が掛かる可能性もありますが、親族も含めて周囲の人と良く相談をして決断することが大切です。

緊急時の対応が遅くなる

病状によってはいつどのように容体が急変するか分かりません。そのような場合でも、医療機関にいますと、付き添いの家族がナースコールをすることで後はお任せすることができますが、在宅医療の場合は、夜間や夜中であっても医療機関へ自分で連絡をして指示を受けて、医師の到着を待つしかありません。その結果によっては命にかかわる可能性もありますので、緊急時の対応に遅れが出ることを想定して在宅医療を検討する必要があります。

最新設備を用いた治療などが受けられない

医療の技術が進歩するのと同じように、設備もどんどん進化しています。医療機関に入院していますと、そのような最新機器を用いて検査をすることもあるはずですが、在宅医療では医師がその機器を持ってきて自宅で検査する訳にはいきません。在宅医療を選択することで、検査や治療方法にも差が生じるということが分かります。そういった点も医師に確認をしておくことが重要です。

在宅医療の相談は誰にすればよい?


在宅医療は決して全ての方が検討している医療とは言えませんが、家族に病人がいる方で、患者が希望する場合にはできるだけ実現したいと考える医療の一つです。在宅医療を検討している場合やどうしたら良いか判断できない時など、誰に相談することで話が前に進むのでしょうか。

在宅医療のことを相談したいのですが…

直接医師に相談する前に、ちょっとだけ話をきいてもらいたい場合や、どのような事例が過去にあったのかなど、詳しい在宅医療のことを相談する窓口は、各地域の役場にも設けられています。窓口へ直接行くのもよいですが、担当者が不在である可能性もありますので、各窓口へ事前に電話連絡をして確実にアポイントメントをとっておけば、スムーズに相談をすることができます。また、聞きたいことをまとめておくのも相談時のポイントです。

現在入院している病院への相談は失礼ですか?

お世話になっている医療機関への不満があるのではなくても、在宅医療に関心を持って家族でそのような話し合いになることは不思議ではありません。実際医師や看護師はそのような事例をたくさん知っていますので、万が一相談した場合でも、怒り出すようなことはないはずです。現在在宅医療について家族から意見が出ていることなどは、ある程度相談しておいた方が良いかもしれません。急に決めましたので退院させて下さい…と言われても、医師の治療方針や患者の病状によっては難しいこともあります。事前に、在宅医療を希望する旨話しておくだけでなく、分からないことがあれば遠慮をせず医師としっかりコミュニケーションを図り、良い関係を築いておけば、在宅医療への移行がスムーズになり、より良い治療が受けられるでしょう。

すぐに退院をして在宅医療に切り替えられる?

患者の症状や医師の考えにもよりますが、数日以内に退院…というようなことは難しいでしょう。急に話を持ち掛けるのではなく、在宅医療について関心を持っていて勉強をしているという話から始めますと、医師側も家族のそのような考えを念頭において治療方針を決められます。焦らず時間を掛けて進めるためにも、関心がある方は早めに勉強を始めて、早い段階から医師や看護師に相談するのがおすすめです。

在宅医療の課題

在宅医療は自宅で医療を受けられるという単純な話ではなく、様々な課題が残っている難しい問題でもあります。希望する方や関心を持つ方が多い一方で、実際に導入する方が珍しい存在となっているのが現状です。一体どのような課題が残されているのでしょう。

今後更に深刻化する可能性がある在宅医療の課題とは

厚生労働省の調べによりますと、自宅で最期まで療養したいと考える方は、全体の60%になっています。しかし現状では、病院での看取りが80%であり、まだまだ在宅医療は受け入れられていないのが現状です。更に高齢者割合増加に伴う医療費増加が問題となっていて、全国の病床数は減少しているため、看取り難民が多く発生しています。在宅医療がより広まっていくことが今後期待されていますが、沢山の課題を一つずつクリアにして、一人でも多くの方が希望する在宅医療を導入できる環境が望まれます。

看取り難民とは?

病院でも家でも死ぬ場所が見つけられない看取り難民の現象は、高齢化社会が加速する一方の現代では、今後ますます増えるとされています。一部の地域では在宅医療を発展させる取り組みなどを行っていますが、根本的な解決にはなっていないのが現状です。働く若い世代よりも高齢者の割合が増える一方のこれからは、今まででは考えられなかったことが問題となって表面化するのかもしれません。

医療や介護に携わる人材の確保も重要です

介護をするロボットが開発されるなど、技術の進歩がめざましい医療業界ですが、やはり人手不足は大きな問題です。何でも機械でできるようになる時代が来るとされていますが、やはり人間が行う必要があることがまだまだあります。特に病気で苦しむ人をサポートする医療や介護に携わる人間は、重要な人材として多くの優秀な方を確保したいのが現状です。しかし過酷な労働条件のイメージが強い医療従事者は、若者が避けてしまう傾向にあります。それでも人の役に立ちたいという思いを持つ方もいますので、そのような人材を教育する環境を整えることも求められます。

まとめ

いかがでしたか。今まで在宅医療についてあまり考えたことがなかった方でも、現状の把握と共にメリットやデメリットについて改めて考えることはとても重要です。身近な人が在宅医療を必要とした場合にも役立ちますので、この記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。

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