認知症ケアの基本と介護ポイントは?

介護について悩んでいる方や困っている方にとっては、認知症ケアという言葉はとても興味深いはずです。今回は認知症ケアの基本と共に介護ポイントについて紹介します。現在介護の問題に直面している方からそうでない方まで、誰もが役立つ内容です。是非参考にして下さい。

認知症ケアとは?


認知症は65歳以上で約15%の人がかかる病気です。発症前とは別人のようになってしまうことがある認知症は、本人だけでなく介護者にも大きな問題となります。

アルツハイマー型認知症とは

認知症の60%を占めるのがアルツハイマー型認知症と言われています。加齢や遺伝、生活習慣病などによって発症率が高まるとされています。バランスの取れた食事や適度な運動など、生活習慣病の予防が認知症の予防にもつながるとされています。主な症状は物忘れから始まる記憶障害が多いです。

脳血管型認知症とは

認知症の20%を占めるのが脳血管型認知症です。脳の血管障害を患った後に起こる可能性がありますが、原因がはっきりしているため認知症の中で唯一早期発見できれば治療が可能な認知症と言われています。脳卒中の術後は術前の生活と変化がないかよく観察することが大切です。違和感がある場合は速やかに専門医へ相談をしましょう。主な症状は無気力や自発性の低下、夜間の不眠や不穏などがあります。

発症率が低い認知症とは

レビー小体型認知症や前頭側頭型認知症は、ごく少ない割合で発症する認知症です。レビー小体型認知症は、パーキンソン病の原因にもなるレビー小体というたんぱく質が脳に溜まることで脳が萎縮します。ただ脳にレビー小体が溜まる原因は解明されていないので、予防は難しいのが現状です。主な症状は歩行障害や転倒、幻視や情緒不安定などがあります。一方の前頭側頭型認知症は、初老期に発症しやすく進行が緩やかなのが特徴です。原因はほとんど解明されていませんが、現在わかっているのはピック球と呼ばれる異常構造物が神経細胞に溜まり、タンパク質が溜まることで前頭側頭型を発症するというメカニズムのみです。原因が複数あることから、前頭側頭型の中でもいくつかの病気に分かれていると考えられています。主な症状は、人格が豹変することや清潔保持・衛生面が管理できない、暴言や暴力が増えるなど性格の変化が見られます。

認知症ケアの介護の基本


認知症ケアは、介護の基本に忠実に行動することが大切です。一体どのような対応が求められるのでしょう。

行動を観察し現状を把握する

認知症患者はどのような行動をするのか分かりません。良く行動を観察して、現状を把握することが大切です。

健康管理を行う

健康面へのケアも重要ですので、体温の管理や空気の乾燥を防ぐなど、細やかなケアが求められます。特に常飲するする薬の管理が大切で、本人に任せてしまいますと飲んだばかりなのにまた飲んでしまうと言うことになり、薬の過剰摂取になってしまいます。

介護をサポートする

認知症患者を一人で面倒を見るのは限界があります。介護体制はプロの力を借りて一人で頑張り過ぎない環境を整えましょう。

相手の話を聞き患者の気持ちを支える

認知症で何も分からなくなっている…と言う接し方はあまり良くありません。たとえ意思の疎通が難しい場合でも、しっかり話を聞いて患者の気持ちに寄り添うことが大切です。

五感を刺激するケアを行う

五感を刺激するケアは脳や身体機能にと手も効果的です。時間がない場合は、手をマッサージするなどのスキンシップでも十分です。とにかく認知症患者に寄り添う姿勢を示すことによって、気持ちを落ち着かせます。

認知症の症状


認知症の症状はどのようなものがあるのでしょう。症状の種類を知っておきますと、診断前に体調の変化を気づく可能性があります。

食欲・摂食障害

食べても食べたことを忘れてしまう症状は、認知症の典型的な症状で、支度をする家族と言い争いになるようなトラブルもあります。勝手に冷蔵庫の中身を出して食べてしまうなど、食欲を抑えられなく症状もあるようです。

焦燥・不穏や徘徊など

認知症とイコールと言っても過言ではない徘徊は、介護をする家族の頭を悩ませる行動です。24時間体制で見守る必要があり、心が休まる時がありません。限界を感じてから相談するのではなく、早めに専門機関を利用してケアの仕方を指導してもらうのがおすすめです。また焦燥や不穏など精神的にも変化があります。

攻撃性

元々攻撃的な性格だった方なら驚きませんが、とても穏やかだった人が別人になったように攻撃性を持つことがあります。対応に困ることもありますが、感情的になって対応をしても更に攻撃性を増すだけです。介護者も自分を守りながら患者をケアするように落ち着かせることが重要です。

うつ症状などの感情の障害

認知症はうつ病のような症状を表します。うつ病の症状も個人差がありますが、気分が落ち込んでふさぎ込むなどの感情障害が考えられます。攻撃的な面がある一方で、このように落ち込む部分もありますので、介護する方にとっては振り回される日常が考えられます。

社会的に不適切な行動

社会的に不適切な行動とは、窃盗や万引きなどを始め、世間に迷惑をかけるような行動です。徘徊をした先でこのようなトラブルを引き起こす可能性もあり、警察署から連絡が来て驚く経験を何度もする場合があります。

妄想と誤認定症候群

例えば自分のお財布からお金が無くなったなど、現実には起こっていないような状況を一人で妄想してしまうのも認知症特有の症状です。近しい方ほど疑われてしまうので、精神的にも負担が大きくなります。

幻覚

妄想と似たような感覚ですが、実際には見えていないものが見えてしまうようなことが日常的に起こります。例えば泥棒が来たなど実在していないものがいると勘違いして、家族を振り回すような言動が増えます。

認知症ケアで大切なこと

認知症ケアで大切なことはどのようなことなのでしょう。

基本的な介護を大切にする

終わりが見えない介護は一日をとにかく一生懸命生きていくしかありません。基本的な介護を大切にすることで、患者の気持ちも穏やかなままでいる時間が長くなります。

患者の生活環境や習慣を変えない

患者の環境を変えることで症状を緩和させようとする方がいますが、このような行動は時に逆効果になる可能性があります。認知症で何も分かっていないと思われますが、実際には大きな変化や今までの生活習慣が変わることに大きなストレスを感じます。現状を打破するために環境を変えるのではなく、できる限り普段通りに過ごせる環境を維持する方がよいでしょう。

人づきあいを維持させる

患者との時間が一日の大半を占める可能性が高い介護の生活は、時に自分がしたいことや家族との生活を犠牲にして取り組むことになります。しかし一時的ではなく終わりがない介護にとって、このような環境は長く続けますと精神的な負担が大きくなります。このような状況であっても、友人との食事などちょっと息抜きができる時間は削らないようにするなど、人との関わりを遮断しないのがおすすめです。

患者が安心できる生活空間を作る

患者は安心できるのはやはり自宅なのでしょう。中には施設の方がよいという方も居るのかもしれませんが、時には専門施設を一時的に利用するなどしながら、基本的には患者が希望する場所で生活できるようにするのがよいでしょう。しかし意思の疎通が難しい認知症患者ですので、本心は分からないことがあります。それでも家族にしか分からない本人の表情などから、安心できる空間をどこであると思っているのかを確かめると良いでしょう。

認知症ケアパスを知ろう


認知症ケアパスと言う言葉の意味は、認知症の人とその家族がいつ、どこで、どういったサービスを受ければよいかを知り、地域や医療とどう連携していくかを示したガイドブックのことを指します。

認知症ケアパスの活用術

住んでいる地域の役場などでもらえる場合があるほか、役場のホームページから印刷できるものもあります。介護生活では分からないことが多く、日々不安な時間を過ごす場合があるでしょう。このような時でも介護ケアパスを持っていますと、本人との関わり方や相談先の探し方などの手引きが手に入れられます。

認知症ケア専門士とは?


専門職として介護に携わる患者や家族を支える認知症ケア専門士は、今後様々な現場で必要とされる資格です。この資格がなくても介護に関する相談に対応することは可能ですが、資格を取得することでより専門的な分野に詳しい知識を増やすことができます。また資格を取得して終わりではなく、その後も学習を重ねて行く必要があることから、介護に携わる仕事をする方が取得したい資格の一つです。

介護者と患者が気持ちを一つに取り組むことが大事

患者の行動に振り回されることが多い認知症ですが、介護者を一人に限定せず家族の誰もが面倒を見ることができるようにしておくと良いでしょう。患者にとっては家族しか頼れる人がいない状況であり、症状が悪化することで現状が見えない可能性が高まりますが、それでも助けてくれる人や守ってもらえる存在がいることに喜びを感じているはずです。

まとめ

いかがでしたか。認知症ケアと言う言葉を初めて聞いた方もいるかもしれませんが、患者にとっても家族にとっても大変重要です。介護には終わりがなく先が見えない時があるのかもしれませんが、患者と家族で濃い時間を過ごせる機会と考えて取り組みますと、少し気が楽になるはずです。専門機関と上手に活用して、良き相談相手を見つけてアドバイスを受けらながら乗り越えるのがおすすめです。現在認知症の家族の介護に悩んでいる方は、是非参考にしてみてはいかがでしょうか。一人で悩まずに認知症ケアの専門家に相談して、認知症の方にあったケアの方法を一緒に導きだせれば、家族の負担も軽くなります。

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