中退協退職金について!計算方法などを紹介!

長く同じ企業で働いた方がその企業を辞める時にもらえる退職金ですが、様々な種類や呼び名があり、実際に自分がもらう立場にならないと、あまり意識せず生活してしまうかもしれません。今回は中小企業に勤務する方に馴染み深い中退共退職金について紹介しますので、是非参考にしてください。

中退共退職金とは?


中退共退職金の正式名称は中小企業退職金共済となっていて、中小企業の中には、退職金制度がないことも珍しくありません。そこで中小企業者の相互共済と国の援助で退職金制度を確立するのが、中退共退職金と呼ばれる中小企業退職金共済です。

中退共退職金のメリットは?

従業員の退職金を事前に準備できる中退共退職金ですが、どのようなメリットがあるのでしょう。一番は大きな金額になる可能性になる出費に対する備えが日常的にできる安心感でしょう。また従業員が長く勤める程効率良く退職金の額を増やせるなどのメリットがあります。

中退共退職金のデメリットは?

メリットがある一方で気になるのがデメリットです。一番気になる点は従業員が短い期間で辞めた場合、損をするリスクが高いという点でしょう。また懲戒解雇した従業員にも退職金が支払われるなど、企業側にとってはデメリットとなる点もいくつかあります。

どんな会社でも加入できるの?


中小企業の範囲を設けている中退共退職金では、資本金や出資金の総額または常時使用する従業員の数が範囲内であれば加入することができます。ちなみに一般業種の資本金や出資金の総額を3億円以下、常時使用する従業員数を300人以下としています。卸売業の資本金または出資金の総額を1億円以下、常時使用する従業員数を100人以下としています。サービス業と小売業の資本金または出資金の総額を5,000万円以下、常時使用する従業員数をサービス業では100名以下、小売業では50名以下としています。業種によって基準や範囲が異なることを知っておくと良いでしょう。

中退共退職金の計算方法

では実際に中退共退職金の計算をしてみましょう。大まかな計算方法は基本退職金 + 付加退職金で決まりますが、基本退職金や付加退職金とはどういったことなのでしょう。

基本退職金とは?

基本退職金とは、掛金月額と納付月数に応じて固定で定められているのが特徴です。利回りは1%を想定して運用されています。

詳細はこちらを参照

付加退職金とは?

付加退職金とは、基本退職金に上積みするもので、厚生労働大臣が支給率を決めます。具体的には掛金納付月数の43月目とその後12か月ごとの基本退職金相当額に、厚生労働大臣が定めるその年の支給率を乗じて得た額を、退職時まで累計した総額となります。

長く勤務した人が得をします

退職金は11月以下の場合は支給されないのが特徴です。しかし通算制度または他制度からの引継ぎを行っている場合は、11月以下でも支給される場合があります。12月以上23月以下の場合は、掛金納付総額を下回る額になります。これは長期加入者の退職金を手厚くするためで、24月以上42月以下では掛金相当額となります。更に43月からは運用利息と付加退職金が加算され、長期加入者ほど有利になるという仕組みになっています。

中退共退職金の支払いについて

中退共退職金を実際に受け取る場合には、どのような方法があるのでしょう。次の仕事を見つけるまでの生活費など、中退共退職金を頼りに生活する方もいるはずです。どのような形で手に入れることが可能なのか紹介します。

退職時に全額支払う

退職をする際に全額受け取れるこの方法は、一番安心でありがたい方法と考えられます。

退職後に分割払い

退職後の分割払いとなるケースもあります。この場合は、全額分割払いと一部分割払いがあり、それぞれを希望する場合は条件として挙げられている項目をクリアした方が、全額分割払いや一部分割払いを選択できます。

全額分割払いの要件

全額分割払いの要件は、退職した日において60歳以上であることが挙げられます。また退職金の額が5年間の分割払いの場合、80万円以上であることも条件です。更に10年間の場合は150万円以上であることも要件となっています。

一部分割払いの要件

併用払いと呼ばれる一部分割払いの要件は、全額払いと同じく退職した日において60歳以上であることが要件となります。また5年間の分割払いの場合は、退職金の額が100万円以上でありながら、分割払い対象額が80万円以上で、一時金払い対象額が20万円以上であることが要件となります。更に10年間の分割払いの場合は、退職金の額が170万円以上でありながら、分割払い対象額が150万円以上で、一時金払い対象額が20万円以上であることが要件となります。

中退共退職金の支払い日は?

気になる中退共退職金の支払い日はどのようになっているのでしょう。

知っておきたい!中退共退職金の支払い日

毎年2月と5月、8月または11月の各月の15日となっております。支払回数は年4回で、支払期間は5年間の全20回または10年間の全40回です。

分割退職金の金額

分割して支払われる分割退職金は、1回あたりの金額を算出する方法が決まっています。5年間の分割退職金の場合は、退職金額に対して1000分の51と厚生労働大臣が定める率を合わせた数値を掛け算して算出されます。10年間の分割退職金の場合は、退職金額に対して1000分の26と厚生労働大臣が定める率を合わせた数値を掛け算して算出します。

気になる税金は?

中退共制度によって支払われる退職金は、一時金払によるものは税法の上で退職手当等とみなされます。よって他の所得と区分して課税されるのが特徴です。ただし分割払いによる支払い分は、雑所得として課税されますので覚えておくと良いでしょう。退職金の支払いを受ける際は、退職所得申告書を提出しなければなりませんが、中退共制度では退職金請求書に退職所得申告書欄を設けてありますので、これに記載する形になります。

税金の計算方法を知ろう!


では退職所得に対する税金の金額を算出する場合は、どのようになるのでしょう。課税対象所得額は、退職所得額から退職所得控除額は差し引いて、その数字に2分の1を掛けます。ここで算出された数字が税金の金額となります。また退職所得控除額は、通常退職者の勤続年数に応じ求めます。しかし中退共制度の場合の勤続年数は、退職金額の計算の基礎となった期間、つまり掛金が納付された期間となって計算されますので注意しましょう。

中退共退職金のシミュレーションについて

中退共退職金の計算方法や細かな仕組みを理解できたところで、実際に計算をしてみましょう。いくつかのパターンに分けて算出できるようになっています。是非参考にしてみてはいかがでしょうか。

掛金月額 1万円で30年間納付した場合(現在60歳)

区分掛金納付月数が30年間で360か月となります。対応退職金額が421,310円で本数が10本ですので、退職金の支払い額は4,213,100円となります。

掛金月額 2万円で30年間納付した場合(現在60歳)

区分掛金納付月数が30年間で360か月となります。対応退職金額が421,310円で本数が20本ですので、退職金の支給額は8,426,200円となります。

掛金月額 1万円で20年間納付した場合(現在60歳)

区分掛金納付月数が240か月になる20年間の納付では、対応退職金額が266,660円になります。本数が10本ですので、支払われる退職金額は2,666,600円となります。

掛金月額 2万円で20年間納付した場合(現在60歳)

掛金月額が2万円で区分掛金納付月数が240か月で20年間の納付をした場合、対応退職金額が266,660円となります。本数が20本ですので、支払われる退職金の金額は5,333,200円となります。

自分が勤める企業の退職金制度を知っていますか?

入社する際にはあまり考えることがなく、求人情報などでも見落としてしまうことが多い退職金制度ですが、自分が勤務する会社ではどのような制度を導入しているかを知らないケースは珍しくありません。しかし在職中に知るにはそれなりの工夫が求められます。どのようにして調べると良いのでしょう。

入社した時の規約などを見る

できれば周囲に知られずに調べたいのが退職金制度です。一番良い方法は、自分が入社した際に会社の決まりなどが記載された規約本などをもらっているケースがあるはずです。このようなものには、その会社のことが細かく記載されていますので、良く調べると退職金制度についても記載されているでしょう。

同僚や先輩に相談する

少し難しい方法かもしれませんが、先輩や同僚の中にはそのようなことに詳しい人が必ずいるはずです。あまり改まった形で聞き出しますと変に思われますので、雑談の流れで何気なく聞くなど、日頃の会話の中に退職金制度のことを盛り込んで聞き出すのも良い方法です。

人事課など社内の取り扱い部署へ問い合わせをする

従業員として知る権利がある退職金制度の話ですので、人事課などに直接問い合わせをする方法もあります。自力で調べられず先輩や同僚にも知っている人がいなかった場合の最終手段と考え、自分が安心して勤務するために知りたいという気持ちをしっかり伝えますと、教えてもらえる可能性が高いでしょう。

退職金間ばかりをあてにしない考えも重要

自分が頑張って働いたことを評価される退職金ですが、そればかりを頼りにした考えをするのではなく、在職中から自分で退職金代わりにわずかでも積立をするなど、給与の使い方に工夫をすることも大切です。

まとめ

いかがでしたか。中小企業に勤める方にとっては身近な存在である中退共退職金ですが、加入するメリットや計算方法を知っておきますと、自分の勤め先で取り組んでいる場合にとても役立ちます。知っているようで知らないことが多い退職金制度ですが、是非この機会に自分の勤め先について詳しく調べてみてはいかがでしょうか。

あわせて読みたい