エンディングノートと遺言の違いは?

以前は亡くなった後のことを伝える手段としては遺言しかありませんでしたが、現在はエンディングノートの存在によって、それぞれの違いや使い分けについても考えなければいけません。遺言とエンディングノートにはどのような違いがあるのでしょう。

エンディングノートと遺言の違い

エンディングノートと遺言にはどのような違いがあるのか紹介します。

エンディングノートには法的効力がない

友人や知人のリストを始め、自分史なども記載できるエンディングノートには法的効力がありません。よって財産分与などについて記載した場合でも、その内容が認められることはあまりないようです。家族に伝えておきたいことを残すノートとしての役割が大きいようです。

ただし遺言書も民法の定めた方式にしたがわなければ無効

その一方で法的な効力がある遺言書ですが、民法によって定められた形式通りに作らなければ、その内容はすべて無効になります。専門家に依頼して作成すればこのようなミスはありませんが、自己流でつくった場合には無効にならないように再三確認する必要があります。

遺言書の効力が無効になる場合の例

遺言書が無効になる例はいくつかに分けられます。せっかく作成しておいても効力が発揮されないのでは無駄になりますので、良く確認しておきましょう。

■パソコンで作成された遺言書
手書きで何かをつくる機会が減っている現代ですが、遺言は本人直筆のサインが必要であるなど、手書きで書かれたものしか有効ではありません。時間を短縮するためにパソコンで下書きなどをすることは可能ですが、それを清書として取り扱うことはできません。

■押印がない
忘れてしまうことが多い押印は、同じ印鑑で全ての箇所を押す必要があります。押印箇所が何か所かありますが、わざわざ印鑑を変えることなく同じ印鑑で作成しましょう。

■動画での遺言
スマートフォンやデジタルカメラの普及によって、動画を撮影することが容易になりました。しかし遺言を動画で残しても無効とされてしまいます。家族にメッセージを残すなどのメモリー的な使い方は自由ですが、遺言としては無効です。なお、データで遺言を残す場合は故障によるデータ消去にも注意が必要となります。スマートフォンなでに不具合を感じたら早めに修理を検討されることをおすすめします。スマートフォン修理はこちらを参照してください。

■署名がなかったり他人が署名した遺言書
本人が署名していないものや他人が署名した遺言書は無効です。押印がされていても本人の署名がない場合や、他人が署名したものは無効になります。本人署名と押印が揃って初めて遺言書が効力を発揮します。

■日付が入っていない遺言書
こちらも忘れてしまうことが多い日付ですが、入っていない遺言書は認められません。年号の間違いや記入ミスも認められませんので、十分注意して作成しましょう。

エンディングノートの内容と遺言の内容の違いは?


エンディングノートだけでは財産について遺された家族に伝えられることが限られていることが分かりました。ということは、エンディングノートに合わせて遺言書も用意しておくと、それぞれの良さを発揮して思い通りの終活が実現します。エンディングノートと遺言の内容の違いについて紹介します。

エンディングノートの内容は自由で葬儀の方法や家族へのメッセージも記載

エンディングノートは、主に病気の告知についてのほかに葬儀のこと、お墓のことなどを記載できるものです。時に決まった形式はないので、専用商品でなくても自分の好きなノートを使って自由に作成できます。葬儀に呼んで欲しい人やすぐ連絡をして欲しい人など、家族が分かっているようで分かっていないことについて書くことが多いようです。

遺言書の内容は主に財産の分け方について

遺言書は形式が決まっている上に、記載する内容も財産分与などお金に関する内容について残します。家族や親族が争うきっかけにもなる財産分与は、生前から用意しておくことで思い通りの手続きを自分がいなくなった後にも進めてもらえます。

どちらも自分一人でつくれる?

エンディングノートを自分一人でつくることは可能ですが、専門家である終活アドバイザーなどの話を聞きながらつくりたい場合は、エンディングノートの書き方講座などを行っているイベントを探して参加すると良いでしょう。また家族や友人同士で話をしながらつくることもできます。

また遺言者は専門家へ相談して作成した方が良さそうです。自己流での作成の場合には、決まった形式通りにつくれていないことが多く、いざという時に役に立たせることができません。せっかくつくった遺言書を活用する為には、弁護士など専門家へ相談してきちんと準備をしましょう。

内容を変えたい…書き変えてもいいの?

エンディングノートは自由に書き加えることも書き足すこともできます。その際には訂正前の内容を消してしまわずに日付を書き加えて、情報の更新状況を分かるようにしておくと、自分の気持ちの変化が分かります。

一方の遺言書は、勝手に書き変えることはできません。遺言書の入っている封筒を開封した時点で元に戻すことはできません。訂正箇所がある場合は、きちんとした手続きをして内容を更新する必要があります。

エンディングノートと遺言書、それぞれのメリットとデメリット

違いがあることが分かったエンディングノートと遺言書ですが、それぞれのメリットとデメリットを知っておきますと、今後作成する際にも役立ちます。一体どのような面があるのでしょう。

エンディングノートのメリット

費用面でも大きな負担がないエンディングノートは、気軽に始められる終活の一つです。今まで気づかなかった面や見過ごしていた問題点を改めて考えられることで、老後にモヤモヤしたこと気持ちを残さず過ごせます。

エンディングノートのデメリット

一方のデメリットは、やはり法的効力がない点が大きいでしょう。細かな内容を記入できますが、実際には実現されないこともあります。本当に大切な内容である財産については、改めて遺言書を作成する必要があるなど手間が掛かります。

遺言書のメリット

専門家が携わって作成された遺言書の存在感はとても重要で、法的効力がある大切な書類となります。手間や時間を掛けて作成した分だけ、遺された家族にとっては親族間でトラブルになるリスクを回避できます。

遺言書のデメリット

遺言書のデメリットは、形式が決まっていますので間違いや記入漏れなどが許されない緊張感があります。大切な書類を作成するので仕方がりませんが、精神的な負担も大きいのは確かです。

エンディングノートはと遺言書、結局どちらが必要?

それぞれのメリットデメリットが分かったところで気になるのは、どちらを用意しておくのが良いかということです。中にはどちらも用意する方もいるでしょう。しかしそれほど莫大な財産や不動産を所有していないのに、遺言書をつくる必要はありません。また告知や葬儀へのこだわりや自分の思いが強い方こそ、エンディングノートの良さを最大限に活用する必要があります。どちらにしても独断で決めてしまうよりも、家族に相談して何を用意しておいた方が良いか、一度真剣に話し合ってみるのも良いでしょう。それぞれに違った意見が聞けて、充実した話し合いができるかもしれません。

まとめ

いかがでしたか。エンディングノートと遺言書には、それぞれの違いがあり、メリットやデメリットも含めて、自分が本当に用意するものを検討する必要がある書類です。終活の一つとして関心がある方は、エンディングノートや遺言書について、家族や親戚と話す時間を是非設けてみてはいかがでしょうか。

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