遺言執行者とは?役割と注意点を知っておこう!

遺言に関わる言葉には聞き慣れない用語が沢山ありますが、その中の一つである遺言執行者とはどのような人物なのでしょう。遺産となる現金や不動産など、大きな金額が関係する遺言や相続は、場合によっては受取人の人生そのものが大きく変わるほど莫大な金額が関わる可能性が十分あります。今回は遺言執行者について紹介しますので、是非参考にしてください。

遺言執行者とは?

遺言執行者とは、遺言書に記載された内容を実現するために必要な事務手続きなどを行う人物です。金額が大きい案件を複数取り扱うこともあり、重大な任務となります。どうしてこのように遺言執行者が必要になるのでしょうか。一番多いトラブルとして残るのは、相続する人が複数いる場合、誰が遺産の管理を行って手続きをするのかを話し合う時点で揉めることもあるようです。正直面倒な管理や事務手続きを省いて、もらえるものだけ早く欲しい…というのが本音となるからです。

身内だけの話し合いが難しいことも多々あります

ドラマや映画で良く見かける遺産相続で身内がケンカになるシーンは、実話でも数多く展開されているのが現実のようで、ドラマや映画以上に話が複雑化しているケースも少なく内容です。関係性がこじれてしまう前に、弁護士や司法書士に事前に相談しておくと良いでしょう。親族だけの話し合いよりも第三者が入ることで話の流れも変わるはずです。

一人で全ての作業を進めるのですか?

代表という扱いになりますので、一人で行う場合がほとんどです。複数人で行うことを指定する場合もありますが、複数で行うことでトラブルになるために設ける遺言執行者ですので、何人も遺言執行者が存在しているのでは意味がなくなります。しかし代表人が管理することで、まとめて事務作業が効率良く進められるなどのメリットもありますので、やはり遺言執行者が必要であることが理解できます。

どのような人が遺言執行者になれる?

では遺言執行者はどのような人がなれるのでしょう。面倒で大変そうな役割の印象である一方、我こそは遺言執行者に適任…という方もいるはずです。どういう人物がなれるのか詳しく紹介します。

誰がなれるの?なれない人もいるの?

基本的には誰でもなれるとされているのが遺言執行者です。ただし、未成年者と破産者は遺言執行者になれませんので注意が必要です。身内の中で誰か適当に…という安易な決め方は危険です。そのような選出方法をしていますと、後になって問題になりトラブルに発展する可能性も十分あります。複雑な内容でもある遺言や遺産に関する相談は、専門家である弁護士や司法書士、行政書士などの専門家に任せてしまうのも一つの方法となります。家族や親族内には様々な考えの方がいますので、それぞれの意見を出し合って話し合うのがベストです。全員が納得するまで話し合うのが理想で、後になって本当は違う意見だったのに…とならない為にも、一度じっくり向き合う時間を設けることも大切です。

誰かがなくなると全員が遺言執行者を選任するの?

全てのケースに遺言執行者を用意する必要はなく、遺言書が無い場合や身内だけの話し合いでスムーズに解決できた場合には遺言執行者は不要です。そもそも分けるほど遺産がないなどのケースも遺言執行者を選任する必要がありませんので、莫大な遺産があるほどその分話し合う場合の揉めごとが多いのが良く理解できます。

遺言執行者の役割

それでは遺言執行者に選ばれた場合、どのような役割があるのでしょう。すでに選ばれた方からこれから可能性がある方まで、知っているようで知らないことが多い遺言執行者の役割について詳しく紹介しますので、是非活用してください。

遺言執行者に就任した旨を相続人や受遺者全員に通知

遺言執行者に選ばれた場合、相続人や受遺者全員に就任した通知を行うことから作業が開始します。この時に遺言書の写しを用意して、自分が任命されていたことを明らかにする必要があります。

就任通知書を作成する

個人的に就任通知書を作成することもできますが、細かな作業となる上に内容も複雑ですので、弁護士や司法書士などの専門家に任せてしまうのもおすすめです。

相続人全員の戸籍等を収集する

相続人が少ない場合には簡単に終わる作業ですが、複数いる場合や住んでいる地域がバラバラな時など、戸籍などの書類を全員分収集するのは至難の業となります。しかし相続に関する手続きを任されている立場にある遺言執行者ですので、あらゆる細かな事務作業も素早く進めることで、早く手続きが完了します。

相続財産目録を作成する

相続する財産がどの程度あり、どのような内容であるかを一つの文書にまとめる作業になります。遺産が少ない場合はこの作業も簡単に進められますが、分けるものが多い場合には、その分記載項目も増えますので作業が多くなります。

遺言通りに財産の引渡し、分配。名義変更手続きを行う

そして実際に財産に引き渡しを行います。遺言の通りに分配するのは勿論ですが、名義が亡くなった方のままですので、名義変更も行って確実に相続人に引き渡します。

業務終了したら相続人全員にその旨を通知する

選任されてから全ての業務が終了するまで、初めて経験することや知らない世界の連続だったのではないでしょうか。業務が終了したことを選任された時と同じように、相続人や受遺者全員に通知して終了となります。

必ず遺言執行者が必要な場合

遺言執行者の役割を理解していかがだったでしょうか。場合によっては遺言執行者をわざわざ用意する必要があるの?と思う場合があるかもしれません。またやる人がいないなど様々なケースが考えられる遺言執行者ですが、遺言執行者がいない場合は家庭裁判所に遺言執行者を選任してもらう必要があります。では遺言執行者が必ず必要な例を二つ紹介します。

子の認知がある場合

一つ目はこの認知がある場合です。この時には、遺言執行者に就任してから10日以内に役所に届け出する必要があります。期限が決まっていますのでしっかり守りましょう。

推定相続人の廃除・取消をする場合

もう一つは推定相続人の廃除や取り消しを行う場合も、遺言執行者が必ず必要になりますので気を付けましょう。

遺言執行者になったけれどやめたい…そんなことできる?

責任ある仕事である遺言執行者ですが、万が一本人がやめたいと言っている場合や、適切な働きを行わないことで周囲がやめさせたいと思う場合など、様々なケースが考えられます。想像以上に業務が大変な場合には、解任の手続きをして職務から離れることは可能です。しかしこのような無駄な手続きによって、肝心な遺産相続の作業がどんどん遅延することは確かですので、遺言執行者に選任された時や自ら引き受けた時には、最後まで全うできる仕事なのか、今一度確認する必要があります。

遺言執行者の報酬は?

無料で引き受けてもらえる安易な仕事ではない遺言執行者の業務ですが、しっかり報酬を支払う分だけ、適正な仕事をしてもらう必要があります。ここでは遺言執行者の報酬について詳しく紹介します。

報酬の金額に決まりがあるの?

特別金額に決まりがある訳ではない遺言執行者の報酬ですが、銀行や弁護士、司法書士や行政書士など専門機関やプロフェッショナルに依頼することから、それなりの報酬を用意する必要があります。また報酬に加えて交通費を支払う必要もありますので、相続人以外から遺言執行者を選任した場合には、それなりの費用が掛かります。

遺言書に記載があればその通りにする

遺言書に遺言執行者への報酬に関する記載がある可能性もあります。その場合には、遺言書の記載内容に従って報酬を支払うようになります。

記載が無ければ家庭裁判所に申し立てて報酬額を決めてもらう

一方で遺言書に遺言執行者の報酬に関する記載がないこともあります。そのような場合には、家庭裁判所に申し立てを行い、報酬額を決めてもらう手続きを行います。

遺言執行者を身内以外にするメリット

家族や親族内に遺言執行者を設けるケースもありますが、中にはそのことで争いやケンカになることもあるようです。ケンカにならない為に遺言執行者を決めているにも関わらず、誰が行うのかを決める時点で話が進まないのでは本末転倒です。その結果、費用を掛けてでも弁護士などのプロフェッショナルに依頼をする方が増えています。

遺言執行者の平均報酬・銀行の場合

では、遺言執行者に対して、実際に報酬を支払う場合、いくらぐらいの報酬を用意するのでしょうか。銀行へ依頼しますと、初めの手数料として30万円程度支払います。相続財産の金額に合わせて割合が変わりますが、銀行では遺言執行者の報酬額の最低価格が108万円~と決められていますので、少なくとも150万円ほどは掛かります。

遺言執行者の平均報酬・弁護士などの専門家の場合

国家資格を有する弁護士などへの報酬は高い印象がありますが、いくらぐらい用意すると遺言執行者を引き受けてもらえるのでしょう。弁護士事務所や司法書士事務所など、それぞれの経営の仕方によって金額が異なるのが特徴で、高額である分手厚いサービスが受けられるとは限らないのが現状です。利用前には見積り依頼や初回相談を無料で行うなどしている事務所もあります。分かりやすく丁寧に対応してくれる事務所を選んで、大切な遺産相続について事前に相談するのがおすすめです。

まとめ

いかがでしたか。初めて遺言執行者という言葉を聞いたという方もいらっしゃったのではないでしょうか。故人の大切な財産を残された家族で分け合う遺産相続は、場合によって大きな金額の話になりますので、身内だけでは解決できないことも増えています。遺言執行者を身内から選出するのか第三者に依頼するのかでも話の進み方が変わっていきますので、是非この機会に家族で話し合ってみてはいかがでしょうか。

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