公正証書遺言とは?メリットとデメリット、注意点を紹介!

遺言書は、亡くなる前に自分の大切な財産を家族がどのように分配するのかなど、大切なことを記載する重要な処理です。その中でも公正証書遺言とはどんな内容なのでしょう。作成するメリットやデメリットだけでなく、注意点についても紹介しますので是非参考にしてください。

公正証書遺言とは?

の本人証明が一番重要です。いくら口頭で本人であることを強調しても証明にはなりませんので、実印や印鑑証明などを用意しておくと安心です。また事前に遺言書に記載する内容をある程度まとめておきますと、話がスムーズに進められます。しかし実際に作成してみないと分からないことも多いはずですが、公証役場で作成する場合には公証人からアドバイスを受けながら進められるので心配いりません。

それぞれの事情で公証役場まで足を運べない方への対応

公証役場で公正証書遺言を作成したくても、ケガや病気で病院や自宅から動けないというケースも多々あります。このような場合には、病院や自宅へ公証人が出張する形で公正証書遺言を作成することにも柔軟に対応しています。また耳や目が不自由な方の場合、手話や筆談での対応によって公証人が公正証書遺言を作成できますので安心です。

公正証書遺言の注意点は?

それでは公正証書遺言を作成する際の注意点はどのようなことでしょう。民法内容と合わせて参考にしてください。

民法第九百六十九条(公正証書遺言)

公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。

一、証人二人以上の立会いがあること。

二、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。

三、公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。

四、遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。

五、公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。

公正証書遺言のメリット

自分でつくることも可能な遺言書ですが、公正証書遺言を作成するメリットはどのような点にあるのでしょう。作成を検討している方や悩んでいる方、詳しい内容を知りたい方は是非参考にしてください。

公証役場で公証人に作成してもらうので間違いが少なく無効とされることは殆どない

個人的に自己流で作成することもできる遺言書は、書き方などを調べながら自力で完成させることも十分可能ですが、しかし実際に亡くなった時に遺言書が入っている封筒を開封した結果、日付の記入漏れや押印がないというケースも珍しくありません。せっかく作成しても無効になる可能性が高い自分でつくる遺言書に比べて、公証人が公証役場でつくる公正証書遺言は、専門家が携わることで無効となるケースはほとんどありません。

裁判所による遺言書の検認が必要ない

裁判所による遺言書の検認が必要になりますと、それだけでも大きな手間となりますが、公証役場で公証人がつくる公正証書遺言は、検認不要ですのでスムーズに仕上がります。

公証人が遺言者の署名を代筆できる

遺言者の代筆は他の遺言書では無効とされる例ですが、公証役場で公証人が作成することで代筆をして署名をすることが許されています。

公証人が遺言者の元に出張することも可能

遺言者が入院や自宅介護など何らかの理由で動けない場合、入院先の病院や自宅へ出張してもらうことができます。もちろんその分の交通費などは別途支払いが必要ですが、柔軟な対応がある点も公正証書遺言ならではです。

字を書けない方も遺言可能

手が不自由な方など様々な事情で字が書けない方でも、遺言書を作成できるのは公正証書遺言のメリットです。

公正証書遺言のデメリット

メリットがある一方でデメリットもあるようですので、いくつか紹介します。

証人2名の立会いが必要になる

証人二人の立ち合いが必要になることから、証人になってもら人を確保するだけでなく、作成する日時のスケジュール調整をする必要があり、自分の都合だけで公証役場で公正証書遺言を作成することができない点は少し不便かもしれません。

遺言書作成に手間がかかる

自分でつくる遺言書とは違い、内容が充実している分だけ手間が掛かりますので、それなりの時間も必要になります。

費用がかかる

公証役場で公証人が作成することから、無料で仕上げることは難しいでしょう。公証人への費用だけでなく証人への謝礼などを考えますと、ある程度の予算を計上して取り組む必要があるのが公正証書遺言です。

証人2人に遺言内容を全て知られてしまう

公証人と細かな話をする必要がある公正証書遺言ですが、証人2人が立ち会うことが義務付けられていますので、証人に遺言内容を知られずに話を進めることは難しいでしょう。財産など大きな金額の話をしても安心な信頼できる人物に証人を任せるしか対策はありませんが、自分の遺産について公表しているような気分で落ち着かないかもしれません。

公正証書遺言に掛かる費用はどれくらい?

では実際に公正証書遺言を作成することになりますと、どのくらいの金額を支払う必要があるのでしょう。詳しく紹介しますので是非参考にしてください。まず公正証書作成手数料に加えて、証人2名の日当分費用か必要になります。更に場合によっては公証役場以外の場所で遺言書を作成することがあります。そのような時には公証人の出張費用が別途費用として発生しますので覚えておきましょう。

公正証書作成手数料

ここでは公正証書遺言の手数料について紹介します。この手数料は、遺言書に書く財産の金額によって異なります。下記の数値を参考にしてください。

・100万円までの場合は5,000円
・100万円~200万円の場合は7,000円
・200万円~500万円の場合は11,000円
・500万円~1,000万円の場合は17,000円
・1,000万円~3,000万円の場合は23,000円
・3,000万円~5,000万円の場合は29,000円
・5,000万円~1億円の場合は43,000円

ちなみに手数料は財産を譲り受ける人ごとに計算しますので、相続する人数が多い分だけ公正証書作成手数料が多く必要になります。また財産の総額が1億円未満の場合は11,000円加算されます。

ここで例を挙げて紹介しますので、是非参考にしてください。例えば妻に500万円、長男に1,000万円相続させる遺言を書いた場合と考えます。妻分手数料が11,000円で長男分手数料17,000円となります。この金額に総額1億円未満の加算11,000円を加えますと合計が39,000円となり、公正証書作成手数料が39,000円必要であると計算されます。

証人2名の日当分費用

続きまして証人2名の日当費用分ですが、1名当たり20,000円前後とされていますので、40,000円前後用意する必要があります。

公証人の出張費用(公証役場以外で作成する場合)

事情があって公証役場以外で遺言書を作成する場合、出張費用を用意する必要があります。計算方法は、公正証書作成手数料の1.5倍の金額に加えて、公証人の日当(1日20,000円)が加えられます。この金額に交通費実費を請求されますので、遠方へ足を運んでもらう場合など、多くの費用を準備する必要があります。

公正証書遺言を行う上での必要書類は?

公正証書遺言を作成する際には、どのような必要書類があるのでしょう。せっかく日程調整をして公証役場へ足を運んでも、必要な書類が整っていないのでは二度手間になります。事前に把握してもれなく用意するとスムーズです。

遺言者の実印と印鑑証明書

遺言者が本人であることを証明するためには、実印と印鑑証明書が必要になりますので、忘れずに持参しましょう。

遺言者と相続人との続柄を表す戸籍謄本

遺言者と相続人との続柄を証明する戸籍謄本は、公正証書遺言を作成する際に欠かせない書類です。また相続人以外の人に遺贈する場合には、その人物の住民票などを必要としますので事前に調べておきましょう。

証人の住民票と認印

証人2人の方も用意するものがありますので覚えておきましょう。住民票と認印を持参して当日公証役場や公証役場以外の出張先へ出向きます。

通帳のコピー

通帳のコピーを用意しますが、公証役場によって銀行が指定されていることもありますので、良く確認してください。

登記簿謄本や固定資産税評価証明書(相続する不動産物件がある場合)

遺言書に記載する中に不動産物件がある場合には、その物件の登記簿謄本や固定資産税評価証明書が必要になります。複数の土地や建物を所有している場合、物件ごとに必要書類を用意することが求められますので、忘れずに準備しましょう。

公証役場によって準備する書類等が異なります

上記に記載した必要書類は一般的な例となりますので、公証役場によっては不要であるものもあります。事前に何を持参する必要があるのかをきちんと確かめてから当日を迎えると安心です。また多くの市区町村役場ではその場で戸籍謄本などを申請できますが、開庁時間などを事前に確認して、当日に間に合うように余裕を持って取り寄せるのがおすすめです。

まとめ

いかがでしたか。公正証書遺言を作成するためには、様々な難関をクリアして完成させる必要があることが理解できました。今まで遺言について深く考えていなかった方でも、証人2人を設けて厳粛に作成する公正証書遺言は、大変興味深い内容だったはずです。是非この機会に遺言や記載内容について色々を考えてみてはいかがでしょうか。

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